転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

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ネクネクへ

28.

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色々ビックリするお店だったがとりあえず買取して貰えたので良しとしよう。
それから街をぶらぶらしながら屋台で夕食を買って宿に帰った。
「ククル、明日には街を出発しようか」
「そうだね。まだまだ先は長いし、いろんなところをみてみたいし」
明日には街を出発して先に進む事にした。
シルバー達にのり、今日森を駆ける。
「アイザック、パヨはどんな力があるんだろうね」
エンジェルスライムは色によって能力が変わる。こないだの黄色い子は素材のランクをアップさせる事が出来るらしい。ちなみに私が知っているのは青い子は魔力水がだせる。紫の子は毒消しができ、赤い子は熱を加える薬の調合が出来るとか。

「今晩試してみるね」
休憩を挟み野営地までたどり着いた。
「今日はここまでだな。ククルお疲れ様」
アイザックがシッコクから降りたので私も足をとめる。
テントを貼り夕食を済ませてからパヨの能力確認だ。
アイザックが見守るなかとりあえず収納から色んな素材を出してテーブルにならべ、横に調合用の器を置いた。
モコと何やら相談しているパヨ。
するとモコが魔力草を器に入れた。
「どうやらポーションみたいだな」
最近、私の調合を良く目にしているせいかアイザックも素材だけで何ができるかわかる様になったみたいだ。
パヨは器の中に魔力水を入れビローンと広がって包み込んだ。
体全体が光に包まれてる。それが治るとパヨが器から離れた。
中身を鑑定すると魔力回復ポーションのAランクだった。
私が入れ物を収納から出すとパヨが一旦液体を体内に取り込み瓶に写す。
5本のポーションが出来上がった。
「すごいね。安定してのAランクが出来るのかな?」
#練習したらできるぅ#
「そうなんだ。まだ作れるのかな」
#大丈夫#
そこからさらに2回の調合をし、終了となった。結局3回の調合でAランクが13本、Bランクが2本だった。それも素材の質に関わらずなのでよほど私より優れている。
仕上がったポーションを収納に片付けてアイザックと向き直る。
「パヨの能力すごいね。コレ、、、」
「だな、突っ込みどころが多過ぎて、、、」
2人して苦笑いだ。ポーションは次の街のギルドで買取して貰えるか一度確認する事になったのだ。
今日もガルが見張りをしてくれるとの事でアイザックと2人並んで寝る事にした。
翌日、馬達を走らせる。時々採取をしながら進むと夕方クヤクヤの街に到着した。
ギルドでおすすめの宿を聴きそこに向かう。
王都へ少し近づいたからか町も広い。
「ここかな。ククル着いたぞ」
「はーい」
中に入り受付を済ませる。夕食付きの料金を払い、一旦部屋へと向かった。
「はぁ、今日は疲れたよ」
道中、ガルと遊んだりスライム達と戯れたりモコと採取したりしながら移動していたせいか非常に疲れた。
「夕食まで少し時間あるから風呂でも入ったらどうだ」
「そうするね」
部屋にお風呂がついているのでゆっくり浸かる事にした。


「ククル、湯船でねてないか」
「開けるぞ」
どうやら疲れて湯船で居眠っているククル。そっと覗いたアイザックも呆れている。
「おい、こんなとこで寝てたら溺れるぞ」
起きない。仕方ないのでアイザックはククルを湯船から引き上げ魔法で身体を乾かかして服を着せた。しかし、起きる気配がない。
「コレは無理だな。ガル、ククルを見ててくれるか。夕食を部屋で取れないか聞いてくる。」
「ガウ」
受付で尋ねると部屋まで運んでくれるとの事なのでお願いした。
部屋に戻ったアイザックは自分も風呂に入りラフな服装に着替えた。
宿の女将が夕食を運んで来てくれた。食器の返却は翌朝でも良いとの事だ。
「ありがとうございます」
「いいえ、まだ小さい子供さんだし疲れたのでしょう。構いませんよ」
そう言い残して部屋を出て行った。
「確かにな。しっかりしてるし精神的には俺より年上だ。ついつい同じ様にしてしまうが身体が5歳なんだし無理もないか。もう少しゆっくり進んだ方が良いかな。」
「ガウ」
相づちを打つ様にガルが答える。
先に夕食を済ませて寛ぐ事にした。
ソファで本を読んでいるとベットで寝ているククルの声が微かに聞こえたので覗きこむ。
まただ。時々寝ている間に涙を流している事が今まででもあったがここ数日は毎晩の様に泣いている。その後必ず起き出すので恐らくは睡眠不足も疲れの原因になっているのだろう。気がついていないフリをしていつもはほっといているが少々状況が良くない。そろそろ起き出すのでどんな夢に泣いているのか一度聞いてみた方が良いだろうか。


「もしもし、-ーーさんのお孫さんですか。〇〇病院です。直ぐに来てください。・・・さんが、、、」

「おばあちゃん、、、」
「ーーー、ごめんね、1人にしてしまうわね。でもね、貴女の人生はまだまだこれからよ。頑張りなさいな、、、」
「いやだ。おばあちゃん、置いてかないで」

また、この夢だ。おばあちゃんとの別れ際、こっちに来てから何度も見ている。こないだ教会に行ってからは頻度が高く安眠妨害になっていて最近ちょっと寝不足だった。
こうなると暫く眠れないので目を開けて体を起こそうと思い、ふと部屋が明るい事に気がついた。
、、、私お風呂に入ってたんじゃあ無かったかな。
慌てて起き上がろうとしたらアイザックに抱き上げられた。
「おはようククル。随分うなされてたが嫌な夢でも見たかい」
優しく頭を撫でてくれる。
キョトンとアイザックの顔を見るが次の瞬間思い出した。
「え、いや、なんで」
自分でも何を話しているのか意味不明な声が響いた。
ベットに腰掛けたアイザックのお膝の上に座らされる。
「なんでじゃないだろ。ここ数日毎日の様に泣いては夜中に起き出しておいて」
バレてる。気がついていないと思っていたが甘かった様だ。
「うっ、ごめんなさい」
強めの語尾に思わず止まっていた涙が溢れてきた。
「はいはい、怒ってる訳ではないから泣かないの。心配して聞いてるだけだ。話したくないのなら言わなくても良いから」
暫くアイザックにあやされながら泣いていた。
泣き疲れてそのまま寝てしまう。
「はぁ、まいった。どうしてやったら良いかが分からん。困ったなガル」
「ガウ」
スヤスヤ腕の中で眠るククルを眺めながら頭をかくアイザックだったのだ。
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