51 / 207
到着
51.
しおりを挟む
「ククル、そろそろ時間だよ。起きれるかい」
「んー」
"コンコン"
「ククル様アイザック様お客様がお見えです」
「分かりました。」
「ほら、ククル」
「ヤダァ」
アイザックは仕方がないので抱き上げた。
ククルは眠たい目を擦りながらグズグズ言っている。
そのまま抱っこでリビングに連れて行く。手櫛で髪を整えると寝ぼけててもちゃんと一つに束ねている。
リビングの前まで到着すると「下りる」と自分の足で立った。
「失礼します」
中に入室するとルーズベルト公爵と男性が3人、女性が一人席に着いていた。
「お待たせいたしました」
「ククル、アイザック殿、ますは紹介する。」
「はじめまして、ダンベル・ルーズベルトです」
「ダンベルの妻でマリーナです」
「長男のレオンだ」
「次男のトイックです」
「はじめましてワグリアナ公爵が次男のアイザックと申します」
「はじめまして、ククルです」
アイザックがククルの方を見るとまだ眠たそうだ。
「なんだ、ククル今朝の元気はどこにいったんだ」
「えっ?あっ、団長さん!」
漸くちゃんと顔を上げたククルがレオン団長に気がついた。
「なんだ、レオンは先に挨拶していたのか」
「いや、これで顔を合わすのは三回目だ。今朝の訓練にお二人が参加していてその場でククルの事は聞いたんだ。しかしアイザック殿が貴族籍とは気付かなかったな」
「一応、普段は冒険者として活動してますから。あえてわからない様にしています」
そのまま揃っての晩餐となり色々な話をした。
ついでに旅立つ日を伝えると明後日、ルーズベルト公爵の誕生日を祝いパーティーが開かれるとかで是非参加して欲しいと言われた。第七領の貴族だけだからそんなに人数も多くなく、団長の子供や他の貴族の子供達も参加するからククルが居ても大丈夫とか。
アイザックの方に確認すると好きにしたら良いとの事で公爵の孫であることを公表しない約束なら構わないと伝えた。
流石に全く紹介しない訳にはいかないとか。
あーでもない、こーでもないと中々決まらない。結局、たまたま旅の途中で立ち寄ったアイザックを招待したと言う事に落ち着いた。
ククルはと言うと言いたい事だけ伝えて今日はやっぱり眠い様でぼーっとしている。
詳しくはまた、明日聞く事にしてククルを寝かす為に部屋へと戻った。
リビングを出たらククルは抱っこをせがみアイザックに纏わりつく。
抱き上げて連れてる途中から居眠っている。
早々ベットに寝かせて一息つく。
正直パーティーの参加は面倒くさい。でもククルの事を考えると連れて行ってやりたい。
色々考えてみたがどちらにせよ参加となる。諦める事にした。
翌朝は疲れも取れたククルが朝から元気いっぱいだ。
朝食の席で明日のパーティーの詳細を聞き、急な事だからと服は公爵が準備してくれる事になった。
昨日のこの子の疲れ方を考えると今日はゆっくりさせて明日に備えた方が良さそうなので宿に戻って寛ぐことにした。
パーティー当日、昼頃から夕方にかけて開かれるとの事で朝から準備で屋敷中が忙しいなか、二人で公爵の元を訪れた。
「おじいちゃん、お誕生日おめでとう」
「公爵様、おめでとうございます」
「ありがとう。折角だから楽しんでいってくれ。とりあえず身支度の準備だな」
そう言いながら案内の使用人を呼んでくれた。
「おじいちゃん、これ、誕生日のお祝い。私が作った物なの。好きな物も欲しい物も分からなかったから。中身が分かる様にラベル付けといたから活用してね」
折角なので色々調合して救急箱もどきを作った。外の箱は街で良さそうなのを購入し、中身を詰めただけだが。
「わざわざありがとう。大切に、つかわせて貰うよ」
おじいちゃんは照れくさそうに受け取ってくれた。
そこから使用人に連れられて部屋に移動し、アイザックと分かれて支度してもらった。
私にはパーティー用のドレスが準備されていてモスグリーンの可愛らしいデザインだ。
私の外見は栗色のストレートの髪に瞳はグリーンだ。髪は長さが背中の中ほどまであり普段はひとつにまとめている。この世界では男女問わず髪の長い人が多くごくごく一般的な髪型だ。
身支度を手伝ってくれている女性達がやれ髪型がやれアクセサリーがともはや着せ替え人形である。
大人しく終わるのを待っているとドアがノックされアイザックが顔を覗かした。
「わぁ、アイザックが正装してる。いつもと全然違うね」
「ククルも人の事言えないぞ。何処かの良いとこのお嬢様みたいに見えるな」
お互い見慣れないので笑いながら話す。
髪はハーフアップにしてもらい可愛らしい花があしらわれた。
「ククル様、終わりましたよ。こちらでお姿ご覧ください」
姿見の前に立つと見慣れない自分が映っている。
「ありがとうございます。」
皆にお礼をいつつアイザックのエスコートで会場に向かった。
会場に到着するとちらほら来客が来ている様で人の姿が目に入った。
「んー」
"コンコン"
「ククル様アイザック様お客様がお見えです」
「分かりました。」
「ほら、ククル」
「ヤダァ」
アイザックは仕方がないので抱き上げた。
ククルは眠たい目を擦りながらグズグズ言っている。
そのまま抱っこでリビングに連れて行く。手櫛で髪を整えると寝ぼけててもちゃんと一つに束ねている。
リビングの前まで到着すると「下りる」と自分の足で立った。
「失礼します」
中に入室するとルーズベルト公爵と男性が3人、女性が一人席に着いていた。
「お待たせいたしました」
「ククル、アイザック殿、ますは紹介する。」
「はじめまして、ダンベル・ルーズベルトです」
「ダンベルの妻でマリーナです」
「長男のレオンだ」
「次男のトイックです」
「はじめましてワグリアナ公爵が次男のアイザックと申します」
「はじめまして、ククルです」
アイザックがククルの方を見るとまだ眠たそうだ。
「なんだ、ククル今朝の元気はどこにいったんだ」
「えっ?あっ、団長さん!」
漸くちゃんと顔を上げたククルがレオン団長に気がついた。
「なんだ、レオンは先に挨拶していたのか」
「いや、これで顔を合わすのは三回目だ。今朝の訓練にお二人が参加していてその場でククルの事は聞いたんだ。しかしアイザック殿が貴族籍とは気付かなかったな」
「一応、普段は冒険者として活動してますから。あえてわからない様にしています」
そのまま揃っての晩餐となり色々な話をした。
ついでに旅立つ日を伝えると明後日、ルーズベルト公爵の誕生日を祝いパーティーが開かれるとかで是非参加して欲しいと言われた。第七領の貴族だけだからそんなに人数も多くなく、団長の子供や他の貴族の子供達も参加するからククルが居ても大丈夫とか。
アイザックの方に確認すると好きにしたら良いとの事で公爵の孫であることを公表しない約束なら構わないと伝えた。
流石に全く紹介しない訳にはいかないとか。
あーでもない、こーでもないと中々決まらない。結局、たまたま旅の途中で立ち寄ったアイザックを招待したと言う事に落ち着いた。
ククルはと言うと言いたい事だけ伝えて今日はやっぱり眠い様でぼーっとしている。
詳しくはまた、明日聞く事にしてククルを寝かす為に部屋へと戻った。
リビングを出たらククルは抱っこをせがみアイザックに纏わりつく。
抱き上げて連れてる途中から居眠っている。
早々ベットに寝かせて一息つく。
正直パーティーの参加は面倒くさい。でもククルの事を考えると連れて行ってやりたい。
色々考えてみたがどちらにせよ参加となる。諦める事にした。
翌朝は疲れも取れたククルが朝から元気いっぱいだ。
朝食の席で明日のパーティーの詳細を聞き、急な事だからと服は公爵が準備してくれる事になった。
昨日のこの子の疲れ方を考えると今日はゆっくりさせて明日に備えた方が良さそうなので宿に戻って寛ぐことにした。
パーティー当日、昼頃から夕方にかけて開かれるとの事で朝から準備で屋敷中が忙しいなか、二人で公爵の元を訪れた。
「おじいちゃん、お誕生日おめでとう」
「公爵様、おめでとうございます」
「ありがとう。折角だから楽しんでいってくれ。とりあえず身支度の準備だな」
そう言いながら案内の使用人を呼んでくれた。
「おじいちゃん、これ、誕生日のお祝い。私が作った物なの。好きな物も欲しい物も分からなかったから。中身が分かる様にラベル付けといたから活用してね」
折角なので色々調合して救急箱もどきを作った。外の箱は街で良さそうなのを購入し、中身を詰めただけだが。
「わざわざありがとう。大切に、つかわせて貰うよ」
おじいちゃんは照れくさそうに受け取ってくれた。
そこから使用人に連れられて部屋に移動し、アイザックと分かれて支度してもらった。
私にはパーティー用のドレスが準備されていてモスグリーンの可愛らしいデザインだ。
私の外見は栗色のストレートの髪に瞳はグリーンだ。髪は長さが背中の中ほどまであり普段はひとつにまとめている。この世界では男女問わず髪の長い人が多くごくごく一般的な髪型だ。
身支度を手伝ってくれている女性達がやれ髪型がやれアクセサリーがともはや着せ替え人形である。
大人しく終わるのを待っているとドアがノックされアイザックが顔を覗かした。
「わぁ、アイザックが正装してる。いつもと全然違うね」
「ククルも人の事言えないぞ。何処かの良いとこのお嬢様みたいに見えるな」
お互い見慣れないので笑いながら話す。
髪はハーフアップにしてもらい可愛らしい花があしらわれた。
「ククル様、終わりましたよ。こちらでお姿ご覧ください」
姿見の前に立つと見慣れない自分が映っている。
「ありがとうございます。」
皆にお礼をいつつアイザックのエスコートで会場に向かった。
会場に到着するとちらほら来客が来ている様で人の姿が目に入った。
473
あなたにおすすめの小説
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~
結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』
『小さいな』
『…やっと…逢えた』
『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』
『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』
地球とは別の世界、異世界“パレス”。
ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。
しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。
神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。
その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。
しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。
原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。
その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。
生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。
初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。
阿鼻叫喚のパレスの神界。
次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。
これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。
家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待!
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
小説家になろう様でも連載中です。
第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます!
よろしくお願い致します( . .)"
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
1歳児天使の異世界生活!
春爛漫
ファンタジー
夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。
※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる