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到着
52.
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「アイザック殿」
レオン団長の声がしたので振り向くと正装姿が見えた。
「レオン団長、こんにちは」
「おおっ、会場に入るのが見えたからとりあえず挨拶でもな。ところでククル、お前女の子だったんだな。流石に一瞬分からんかったわ。てことはアイツら5歳の女の子に負けたのか。俺、傍観者でよかった。こないだの魔導士も招待されてるから見かけたら声を掛けてやってくれ。奴の名はブルーザーだ。」
「わかった。私に気付いてくれるかな」
ニヤリと笑うとアイザックの顔が若干引きつっている。
「まあ、楽しんでいけや」
レオン団長はまた後でと去っていった。
「アイザック、お腹空いたよ」
「はいはい、まだまだ色気より食気だな」
「当たり前だよ。この体燃費悪いんだから。」
そう言いつつ、料理の方に足を運ぶ。
目新しい物が多く、目移りしてしょうがない。
結局、アイザックが食べるのを分けてもらう事にした。
暫くするとおじいちゃんの入場となり本格的にパーティーが始まった。
私達も改めて挨拶にむかう。
「ルーズベルト公爵様、おめでとうございます」
「あぁ、、、」
「どうしたの」
おじいちゃんの様子がおかしいので小声で聞いて見ると
「そっくりなんだ」
その一言で理解した。どうやら私は母親に似ているようだ。
「アイザック殿、ククルわざわざありがとう、、ゆっくりしていってくれ」
挨拶を済ませてアイザックと目立たないところに行く。
料理を楽しんでいるとブルーザーが前を通った。
「ブルーザー殿、こんにちは」
「え?アイザック殿ではないですか。こんにちは、今日はお一人ですか」
私が視界に入らないみたいなので挨拶する。
「こんにちは」
「おや、こんにちは。また随分可愛らしいお嬢様だね。お名前は?」
「えへ、ククルだよ。わかんなかった?」
ブルーザーはびっくりした様で固まってしまった。
「ねぇ、どおしたのぉ?」
「おま、マジかよ。俺ってもしかして」
何やら呟いたあとその場に座りこんでしまった。
「ブルーザー殿、大丈夫ですか」
中々立ち上がらないのでアイザックが声を掛けるとそのタイミングでレオン団長が現れた。
「ブルーザー、何やったんだ。それよりククル、アイザック殿紹介するよ、俺の妻のイリアと息子のトータスだ。」
「はじめまして、ククルさん、アイザック様」
「はじめまして」
どうやら子供はわたしの2つ上でこないだ7歳になったとか。
「ブルーザーのにいちゃん何やってんの?そんな事よりそこのお前、俺が遊んでやるからあっちにいくぞ」
げっ、やだ。勘弁して欲しい。そもそも私のことは構わないで。
「要らない」
アイザックの影に隠れた。
「なんでだよ。父様良いだろ。ちゃんと俺が守るから、なあ駄目か」
「トータス、やめとけ。お前では無理だ。」
「えー、なんで。女の一人や二人、大丈夫だよ。」
「ダメだ。本人も嫌がってるし無理に連れて行くな。」
「なんでだよ。俺大丈夫だって」
無理矢理手を取ろうとしてきたので避ける。
「なんだよ、お前生意気だ。」
つかみ掛かろうとしてきたのでさっと避けてブルーザーを盾にする。
「ブルーザーさん、助けて、ね」
「お前、はぁ、トーマス止めとけ。コイツはな、守ってやる様な子じゃないし。万が一なんかあったら守られるのは間違いなくお前だ。」
「女になんか負けないやい。じゃあどっちか強いか勝負だ」
「止めとけって。俺でも完敗なのにお前なんか相手にならん。はぁ、最後まで言わすな」
ブルーザーに怒られて、言われた意味がちょっと理解出来たからか「ちえっ」とか言ってどこかに遊びに行った。
「ありがとうね、ブルーザー」
「ほんと、今一番気にしてる事を、、、」
「ブルーザー、鍛練のみだな」
団長にトドメを刺されて項垂れている。
そんな会話をしつつも明日旅立つのでお世話になったお礼を言うといつでもまた遊びにおいでと誘ってもらった。
「ありがとうございます。また、街に来た時は顔だしますね」
その後、暫くするとお開きの時間となり来客も次々に帰宅していく。
私達は一度お屋敷で着替えさせて貰って宿に戻る為、おじいちゃんのところへ挨拶にいった。
「おじいちゃん、そろそろ行くね。また遊びに来るからね」
「ルーズベルト公爵様、色々お世話になりました。また、立ち寄ります」
「こちらこそ、アイザック殿には大変お世話になった身だ。困ったことが有ればいつでも力になるから言いなさい。ククルも気をつけて旅を続けるんだよ。また、顔を見せておくれ」
「うん、わかった。じゃあまたね」
別れを告げて屋敷に入り着替えて宿に戻る。
明日からは旅の再開だ。それに備えて早く就寝する事にしたのだった。
レオン団長の声がしたので振り向くと正装姿が見えた。
「レオン団長、こんにちは」
「おおっ、会場に入るのが見えたからとりあえず挨拶でもな。ところでククル、お前女の子だったんだな。流石に一瞬分からんかったわ。てことはアイツら5歳の女の子に負けたのか。俺、傍観者でよかった。こないだの魔導士も招待されてるから見かけたら声を掛けてやってくれ。奴の名はブルーザーだ。」
「わかった。私に気付いてくれるかな」
ニヤリと笑うとアイザックの顔が若干引きつっている。
「まあ、楽しんでいけや」
レオン団長はまた後でと去っていった。
「アイザック、お腹空いたよ」
「はいはい、まだまだ色気より食気だな」
「当たり前だよ。この体燃費悪いんだから。」
そう言いつつ、料理の方に足を運ぶ。
目新しい物が多く、目移りしてしょうがない。
結局、アイザックが食べるのを分けてもらう事にした。
暫くするとおじいちゃんの入場となり本格的にパーティーが始まった。
私達も改めて挨拶にむかう。
「ルーズベルト公爵様、おめでとうございます」
「あぁ、、、」
「どうしたの」
おじいちゃんの様子がおかしいので小声で聞いて見ると
「そっくりなんだ」
その一言で理解した。どうやら私は母親に似ているようだ。
「アイザック殿、ククルわざわざありがとう、、ゆっくりしていってくれ」
挨拶を済ませてアイザックと目立たないところに行く。
料理を楽しんでいるとブルーザーが前を通った。
「ブルーザー殿、こんにちは」
「え?アイザック殿ではないですか。こんにちは、今日はお一人ですか」
私が視界に入らないみたいなので挨拶する。
「こんにちは」
「おや、こんにちは。また随分可愛らしいお嬢様だね。お名前は?」
「えへ、ククルだよ。わかんなかった?」
ブルーザーはびっくりした様で固まってしまった。
「ねぇ、どおしたのぉ?」
「おま、マジかよ。俺ってもしかして」
何やら呟いたあとその場に座りこんでしまった。
「ブルーザー殿、大丈夫ですか」
中々立ち上がらないのでアイザックが声を掛けるとそのタイミングでレオン団長が現れた。
「ブルーザー、何やったんだ。それよりククル、アイザック殿紹介するよ、俺の妻のイリアと息子のトータスだ。」
「はじめまして、ククルさん、アイザック様」
「はじめまして」
どうやら子供はわたしの2つ上でこないだ7歳になったとか。
「ブルーザーのにいちゃん何やってんの?そんな事よりそこのお前、俺が遊んでやるからあっちにいくぞ」
げっ、やだ。勘弁して欲しい。そもそも私のことは構わないで。
「要らない」
アイザックの影に隠れた。
「なんでだよ。父様良いだろ。ちゃんと俺が守るから、なあ駄目か」
「トータス、やめとけ。お前では無理だ。」
「えー、なんで。女の一人や二人、大丈夫だよ。」
「ダメだ。本人も嫌がってるし無理に連れて行くな。」
「なんでだよ。俺大丈夫だって」
無理矢理手を取ろうとしてきたので避ける。
「なんだよ、お前生意気だ。」
つかみ掛かろうとしてきたのでさっと避けてブルーザーを盾にする。
「ブルーザーさん、助けて、ね」
「お前、はぁ、トーマス止めとけ。コイツはな、守ってやる様な子じゃないし。万が一なんかあったら守られるのは間違いなくお前だ。」
「女になんか負けないやい。じゃあどっちか強いか勝負だ」
「止めとけって。俺でも完敗なのにお前なんか相手にならん。はぁ、最後まで言わすな」
ブルーザーに怒られて、言われた意味がちょっと理解出来たからか「ちえっ」とか言ってどこかに遊びに行った。
「ありがとうね、ブルーザー」
「ほんと、今一番気にしてる事を、、、」
「ブルーザー、鍛練のみだな」
団長にトドメを刺されて項垂れている。
そんな会話をしつつも明日旅立つのでお世話になったお礼を言うといつでもまた遊びにおいでと誘ってもらった。
「ありがとうございます。また、街に来た時は顔だしますね」
その後、暫くするとお開きの時間となり来客も次々に帰宅していく。
私達は一度お屋敷で着替えさせて貰って宿に戻る為、おじいちゃんのところへ挨拶にいった。
「おじいちゃん、そろそろ行くね。また遊びに来るからね」
「ルーズベルト公爵様、色々お世話になりました。また、立ち寄ります」
「こちらこそ、アイザック殿には大変お世話になった身だ。困ったことが有ればいつでも力になるから言いなさい。ククルも気をつけて旅を続けるんだよ。また、顔を見せておくれ」
「うん、わかった。じゃあまたね」
別れを告げて屋敷に入り着替えて宿に戻る。
明日からは旅の再開だ。それに備えて早く就寝する事にしたのだった。
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