転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

文字の大きさ
56 / 207
ダンジョン攻略 第一領

56.

しおりを挟む
今日はハナのお父さんと訓練だ。とりあえず中央ギルドに向かいマーサスに訓練場を借りたいとお願いする。
俺も仲間に入れてくれるならと条件付きで許可が貰えた。
「なんでお前まで参加なんだ」
アイザックか呆れていたが面白そうだからとひかない。
暫くするとお父さんと弟2人が現れた。
「おはようございます」
「おはようさん、貴方はギルドの方だな。冒険者のガラクだ。普段はパーティで活動してる。今日はククルの訓練に場所を提供してもらえるときいてやってきた。」
「ここのギルドのマスターでマーサスだ。俺も参加させてもらうからよろしくな」
「な、グラマスでしたか。アイザック殿の知り合いか?」
「ああ、まあな。とりあえず訓練場に行くか」
皆んなで移動し訓練場に入った途端、マーサスが結界を張った。
ガラクが一瞬びっくりしたのでマーサスが説明する。
「ククルの訓練だろ。結界張らなきゃどこを壊されるかわからん」
更にびっくりした顔をするので付け加える。
「なんだガラク殿はククルの訓練をしにきたのだろう。コイツの魔力量は凄まじいぞ。」
「そうなのか。見た目が小さな子供だったから危険がないか見てやろうと簡単に考えてた。浅はかだったな。申し訳ないククル殿」
「いえ、普通ならそうだと思うので気にしないでください」
「じゃあどうする?」
「折角だから久しぶりにハナと対人戦でもするか」
えっ、ハナそんなことできるの?びっくりして顔を見ると嫌そうに答える。
「父さんとやるのは面倒だわ」
「「俺がする」」
弟2人が声を揃えて手を挙げた。
「ここは子供の遊び場じゃないからダメだ」
「なんでククルは良くて俺はダメなんだよ」
クウが口を尖らせて拗ねてる。
「おい坊主、今から俺がククルと対戦するから同じ様に出来るなら後でやらしてやる。」
マーサスが嬉しそうに勝手な事を話している。
「えーマーサスとは面倒だよ」
「そう言うな。アイザック、坊主達に結界を張ってやってくれ。怪我をさせても気の毒だしな」
「そうだな、ハナとガラクも結界に入っとく方が良いぞ。」
四人が結界に包まれたのを確認してマーサスがこちらに向き直る。
「さぁ、ククル好きなとこからかかってきて良いぞ」
はぁ、面倒だ。
一方ガラクはハナに尋ねる。
「ハナ、ククル殿は大丈夫なのか。相手はグラマスだぞ」
「心配だけどアイザック様が許可されているから仕方がないわ」
弟達はもはやなんの事かわかっていない。
「じゃあ、始め」
アイザックの合図でとりあえず雷をお見舞いする。
「はん、これくらいどってことないさ」
マーサスの余裕にムカついたので風矢と水矢を細かく50本ほど落としてやった。
「うわぁ、こないだとは違うパターンだ。やるなククル」
「感心してるだけで全然堪えてないじゃん」
マーサスの足元に泥濘を作り上からは複数の多属性の矢を降らす。
バランスを一瞬崩したマーサスを矢の雨が襲う。
「ちっ」
避けれないと判断したのか剣で豪快に弾かれた。
此方にも流れ矢が飛んできたのでシールドで防ぐ。
「ファイアボール」
マーサスから大きさ複数の火の玉が飛んできた。
「ウォーターボール」
特大の水球で防ぐ。
ドォーン
魔法のぶつかった勢いで水蒸気爆発が起きた。
この隙にマーサスに近づいて肩に乗ってやった。
「なにぃ!」
「もうおしまい。区切らないといつまでも倒れないでしょ。」
「そこまで」
アイザックの止めの合図で終了となった。
「ははは、まさか肩にのられるとわな。参った」
アイザックも少々呆れてる。ハナ達の方を見ると弟二人は半泣きで父親にしがみつきガラクは口が開いたままだ。ハナは目をキラキラさせている。
「ククル様、凄いです」
マーサスに下ろしてもらいハナのところにいく。
「魔法は得意なの」
「得意なんてレベルではございませんよ。充分お強いです」
ハナが褒めてくれた。
「ククル殿、流石ですな。その魔法威力、数年後が恐ろしいな。かなり優秀な魔導士になりそうだ」
「ガラク、私テイマーだよ」
「そうなのか。それだけ魔法にたけてるなら魔導士でも良いんじゃないか」
「父さん、ククル様の従魔は凄いのよ」
「そうなのか?」
ガルとファルを影から出した。2匹とも元の大きさに戻り私の横に並ぶ。
「「「うわぁ」」」
親子三人が同じように驚いている。
「ホワイトパンサーのガルとドラゴンのファルだよ。この子の他にもバトルホースとスライムがいるの」
ニコニコ説明するとガラクが笑い出した。
「こりゃ凄いわ。」
「ねぇ、ハナの対人戦見たいな」
「あら、ククル様、私など大した事ございませんよ」
「えーでも見たいな」
「仕方がないですね。アイザック様、お相手お願いしてもよろしいでしょうか」
「構わないがハナの相手は骨が折れるな」
そこからは2人の対人戦を見学する。マーサスとガラクも対戦する様で二箇所に別れて始まった。
4人ともやっぱり凄い。うずうずしながら見学していると弟2人が話しかけてきた。
「おい、剣なら俺でもできるぞ」
「そうだそうだ」
さっきまで怖がってたのはどこにいったのか。
「貴方達とはやらないよ。」
そっけなく返事すると横で騒いでいる。
そこでマーサスとの勝負が終わったガラクが近づいてきた。
「ククル殿、一度お相手お願いできるか」
「はーい、あまり得意じゃないから加減してね」
「「ずるい」」
「アホかお前ら。遊びじゃないんだ。大人しくしとけ」
ガラクと向き合い試合に挑んだ。
身体強化でスピードを上げて対応するも中々一太刀が当たらない。
あっさり一本取られてしまった。
「ありがとうございました」
「こちらこそありがとう」
こうして今日の訓練は終了した。
しおりを挟む
感想 133

あなたにおすすめの小説

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~

結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』 『小さいな』 『…やっと…逢えた』 『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』 『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』 地球とは別の世界、異世界“パレス”。 ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。 しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。 神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。 その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。 しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。 原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。 その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。 生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。 初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。 阿鼻叫喚のパレスの神界。 次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。 これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。 家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待! *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈ 小説家になろう様でも連載中です。 第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます! よろしくお願い致します( . .)" *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい? とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。 犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

公爵令嬢やめて15年、噂の森でスローライフしてたら最強になりました!〜レベルカンストなので冒険に出る準備、なんて思ったけどハプニングだらけ〜

咲月ねむと
ファンタジー
息苦しい貴族社会から逃げ出して15年。 元公爵令嬢の私、リーナは「魔物の森」の奥で、相棒のもふもふフェンリルと気ままなスローライフを満喫していた。 そんなある日、ひょんなことから自分のレベルがカンストしていることに気づいてしまう。 ​「せっかくだし、冒険に出てみようかしら?」 ​軽い気持ちで始めた“冒険の準備”は、しかし、初日からハプニングの連続! 金策のために採った薬草は、国宝級の秘薬で鑑定士が気絶。 街でチンピラに絡まれれば、無自覚な威圧で撃退し、 初仕事では天災級の魔法でギルドの備品を物理的に破壊! 気づけばいきなり最高ランクの「Sランク冒険者」に認定され、 ボロボロの城壁を「日曜大工のノリ」で修理したら、神々しすぎる城塞が爆誕してしまった。 ​本人はいたって平和に、堅実に、お金を稼ぎたいだけなのに、規格外の生活魔法は今日も今日とて大暴走! ついには帝国の精鋭部隊に追われる亡国の王子様まで保護してしまい、私の「冒険の準備」は、いつの間にか世界の運命を左右する壮大な旅へと変わってしまって……!? ​これは、最強の力を持ってしまったおっとり元令嬢が、その力に全く気づかないまま、周囲に勘違いと畏怖と伝説を振りまいていく、勘違いスローライフ・コメディ! 本人はいつでも、至って真面目にお掃除とお料理をしたいだけなんです。信じてください!

何故か転生?したらしいので【この子】を幸せにしたい。

くらげ
ファンタジー
俺、 鷹中 結糸(たかなか ゆいと) は…36歳 独身のどこにでも居る普通のサラリーマンの筈だった。 しかし…ある日、会社終わりに事故に合ったらしく…目が覚めたら細く小さい少年に転生?憑依?していた! しかも…【この子】は、どうやら家族からも、国からも、嫌われているようで……!? よし!じゃあ!冒険者になって自由にスローライフ目指して生きようと思った矢先…何故か色々な事に巻き込まれてしまい……?! 「これ…スローライフ目指せるのか?」 この物語は、【この子】と俺が…この異世界で幸せスローライフを目指して奮闘する物語!

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

処理中です...