転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

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ふたたび王都へ3

98.

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王都に到着して数日はゆっくり過ごす事にした。
とりあえず、教会には行きたかったのでハナに連れて行って貰った。
ネル様に今回の妖精との出会いを報告すると朗らかに微笑んでいる。
「ククル、いつもありがとうございます。順調に石も集まってる様ですね。全て揃うのが楽しみです。頑張って妖精達を訪ねてください。」
「はい、後2つなんで頑張りますね。」

屋敷に帰りハナにお土産の布と私用の布を渡すと早速仕立に掛かってくれた。

ゴーレムズ達と庭の薬草も採取してポーションや薬に調合する。
次の旅の為に色々調合しているとアイザックが部屋を訪ねてきた。
「ククル、明日マリアント様が薬師ギルドにきて欲しいと今伝言が届いたぞ。いけそうかい?」
「そうなの。私は大丈夫。ハナは忙しそうだしアイザック付いてきてくれる?」
「あぁ、特に予定もないから朝から訪ねようか。」
マリアント様から呼ばれるなんて初めてだし、結構急な呼び出しだがとりあえず向かう事にした。

翌日、朝食を食べて直ぐにでかけた。
ギルドの受付でギルド長に呼ばれたと声をかけると二階に案内された。

「おはようございます」
「おはよう。ククル、ごめんなさいね急に呼び出して。アイザックも連れてきてくれてありがとう」
そこから用件を尋ねると近々、第一領と第七領との境の森で大規模な魔物討伐があるらしく、冒険者ギルドから大量のポーション発注がきたとかで作るのが納期に間に合わないから手伝って欲しいそうだ。
「納期まで後6日しか無いのにまだ半分も仕上がって無くて。Aランクポーション指定だからウチの薬師達が苦戦してるのよ。いつもならポーション作りのエキスパートがいるのだけとこんな時に限って偶々里帰りの休暇中で呼び戻すにも時間ぎ足りなくって。」
「わかりました。お手伝い出来る事なら協力します。」
「そお、助かるわ。貴女の調合はちょっと作業室でやって貰うには目立つからここの隣の調合室を使ってくれたら良いわ。」

結局帰りはマリアント様が家まで送ってくれる事になり、アイザックには先に帰宅してもらった。

そこからは作業着を借りて従魔達とひたすら作業に没頭した。

マリアント様は通常業務を他の職員の分まで引き取り、忙しそうに机に向かっている。

日が暮れ掛けた頃、大量に積み上がっていた薬草の調合が全て終了した。

「マリアント様、とりあえずここの分は終わりましたよ」
「まぁ、本当に。やっぱりククルは作業の手際が抜群ね。ギルドの薬師達だったら2日近くかかる上に全てAランクなんて無理だから。疲れたでしょ。此方でゆっくり休憩してて。もう少ししたら送っていくから」
「はい、ありがとうございます。」
ゆったりソファーに座らせて貰ってお茶を頂きながらマリアント様を見ていると私が調合したポーションを次々鑑定して行く。

「はあ、凄いわ。従魔の分まで全てAランクね。とりあえず送るわね。明日の朝、迎えも寄越すからまた、調合をお願いね」

それからビッチリ、ポーションを作り続けた。
5日目の昼過ぎ漸く納品分が作り終わった。
「はぁ、やっと終わったわ。ククル今回は本当にありがとうね。報酬が出てるから帰りにでも受け取って」
「マリアント様もお疲れ様です。間に合ってよかったですね」

5日間でどの位のポーションを作ったかわからない位作業に没頭した。

「ククルが居なかったら間に合わなかったわ。本当にありがとうね。明日マーサスが引き取りを寄越してくれるから渡せばお終いよ。貴女は討伐に参加するのかしら?」
「私は今回、参加しませんよ。アイザックはいくみたいです。」
「あら、そうなのね。じゃあアイザックが留守の間にお邪魔しても良いかしら。丁度3日後がお休みなの。」

明後日から3日間の予定で討伐が行われるので丁度アイザックも留守だしお招きする事にした。


今日はマリアント様が来られる日だ。
試した調合が有るとかでゴーレムズ達と一緒に来ると聞いている。

お昼過ぎ、マリアント様が到着した。
「こんにちは。マリアント様。ゴーレムズも久しぶりだね。こないだはありがとうね。」
「こんにちは。今日はお邪魔するわね」

ゴーレムズ達を庭に連れて行き、早速調合室に向かった。

「ククル、これをちょっと読んで見てくれる?」
渡された本の1ページを読むとどうやら古代の作成方法について書かれている様だ。
マリアント様はギルドマスターであり、調合の研究家でもある。
最近手に入れた本らしく最初は順調に再現できていたそうだが今読ませて貰った辺りから中々調合が上手く成功せず、行き詰まっているとか。
1人で作業していても結果が出辛く私に一度試して貰おうも今日に至ったとか。

早速試してみましょう
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