Red Assassin(完結)

まさきち

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1章 時間の路

3話 揺れる心①

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ブルー「相変わらず時間ピッタリに来るのね。」
レッド「遅刻した訳じゃ無い。」
ブルー「はいはい。」


ターゲットはこの河川敷を護衛と共に歩いて、ハンター支部へ向かうらしい。護衛の分の報酬は出ないが、どう考えても殺るしか無いだろう。


レッド「なあブルー。バダグとハンター本部長ってどっちが強いだろうな?」
ブルー「いきなり何?ハンター本部長を見た事が無いから分からないわね。」
レッド「まあ、そりゃそうだな。」
ブルー「でもバダグが負けるなんて想像出来ないけど。」


バダグはアサシンの本部長。気さくに見えてかなりの実力者だ。バダグに勝てる可能性があるとするなら、引退した元本部長のブラックくらいだろうか?


レッド「アサシンのコードネーム、色とそうじゃない奴の違いってあるのか?」
ブルー「私が知る訳無いでしょ。」
レッド「まあそりゃそうだな。」



もうすぐ時間だ。時期にターゲットが現れるはず。




その時、後ろに殺気を感じる。


レッド「!?」
ブルー「しまったわね。」


ターゲットの護衛と思わしき二人組が、剣を構えて居た。レッド達は仕方無く河川敷へ降り立つ。護衛達も同じく河川敷へ降りて来た。


レッド「向こうに複数人の人影が見えた。きっとターゲットだ。」
ブルー「読まれてた?まさか情報が漏れていたの?」
レッド「分からない。単に用心深いだけかもよ。」


二人で護衛達に駆け寄る。こうなりゃ殲滅戦だ。


まずレッドが護衛の一人に斬り掛かる。その一撃は確実に喉元を切り裂いた。斬られた護衛は血飛沫を上げて倒れる。

ブルーはアイスの魔法で護衛の足元を凍らせる。動けない相手に容赦なくアサシンダガーを突き立てた。護衛は成す術も無く崩れ落ちる。



レッド「やっぱり、向こうも気付いているな。」
ブルー「そうでしょうね。油断しない様に。」
レッド「分かってるさ。」



奥から一人の女魔法使いと、3人の護衛が歩いてくる。どうやら向こうもアサシンの登場を待っていた様だ。


レッド「本命登場だな。」
ブルー「リュートね。覚悟して貰うわ。」


リュートと呼ばれた魔法使いは杖を振りかざす。


リュート「貴方たちがスウァム様を殺したアサシンかしら?」
レッド「さあ、どうだろうな。アサシンはいっぱい居る。俺達がお前のターゲットとは限らないぜ。」
リュート「まあどちらにしろ、アサシンは全員殺す。」
ブルー「あら、駄目ねぇ。女の子がそんな言葉遣いをしてちゃ。」


護衛が襲い掛かって来る。


レッド「はぁ…めんどい。」
ブルー「ため息吐かないの。ウィンドカッター!」


真空の刃が護衛の1人に襲い掛かり、その首を切り裂いた。護衛がそれに気を取られた瞬間に、レッドがもう一人を切り裂く。喉を切り裂かれた護衛は声も出せずに倒れ込む。


リュート「この!ファイア!」


リュートは火球を飛ばしてきたが、レッドがその火球を切り払った。その間にブルーがアイスの魔法で残った護衛の頭部を凍らせる。息が出来ずに護衛は倒れた。




レッド「さて、あと一人か。」
ブルー「油断しないの。その一人が今回のターゲットなのよ。」
レッド「ああ。」


リュートは再びファイアの魔法を撃ち出した。レッドは火球をかわし、リュートへ走り出す。


レッド「そんな魔法しか打てないのに、俺に勝てると思ったのか。」
ブルー「終わらせるわ。ウィンドカッター。」


ウィンドカッターがリュートの右腕を切断し、レッドのアサシンダガーがリュートの左腕を切断した。


リュート「ぐ…そ、そんな。」


リュートは力なく、その場に倒れる。ブルーはその背中へアサシンダガーを突き立てた。そしてそのまま横へ切り払う。リュートはじきに動かなくなった。



ブルー「ロック完了ね。」
レッド「そうだな。さて、冥福を祈るか。」
ブルー「またそうやって…まあ良いわ。私は先に戻るわ。アサシン本部で待ってるわね。」


ブルーは軽くため息を吐いて消えて行った。後には沢山の死体とレッドのみが残る。レッドは暫く祈っていた。



レッド「…いつになったら、この戦いは終わるんだろう。」


ボソッと呟いて、レッドもその場を離れた。






バダグ「おっ、戻って来たね。大変だった?」
レッド「別に、人数が多くて面倒だっただけだ。」
バダグ「流石だね。」


アサシン本部へ戻ると、バダグとブルーが待っていた。先にブルーから報告を受けていたようだ。


バダグ「はい、今回の報酬だ。」
ブルー「どうも。所で他に依頼は無いでしょうね?」
レッド「二日連続で依頼も珍しいからな。増えてんの?依頼。」
バダグ「いや、もう大丈夫。少しあったけど、他のアサシンに回ったから。」


レッド「さて、変に時間も余ったな。どうするか…」
バダグ「じゃあ近くの洞窟に訓練でもしに行ったらどう?」
レッド「ふむ…それも一つか。今回の依頼もそんなに疲れた訳じゃ無いし。ブルーはどうだ?」
ブルー「そうね…昼食が遅かったから夕食にも早いし、行きましょうか。」

レッド「バダグ、お前はどうするんだ?」
バダグ「え、面倒なのは嫌だな。」
レッド「分かった、連行しよう。」
ブルー「そうね、たまには運動しなさい。」
バダグ「えええ!?」





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