Red Assassin(完結)

まさきち

文字の大きさ
15 / 76
2章 決別

15話 決断①

しおりを挟む
ブルー「レッド?何をボーっとしているの?」
レッド「…え?いや、何でも無い。」



気付くと河川敷に居た。何をしているんだっけ…


ブルー「もうすぐターゲットの来る時間よ。」
レッド「…そうか。」


段々と意識が鮮明になって来る。今はハンターの魔法使い・リュートのロックをする為に此処へ来ているんだ。




その時、後ろに殺気を感じる。


レッド「!?」
ブルー「しまったわね。」


ターゲットの護衛と思わしき二人組が、剣を構えて居た。レッド達は仕方無く河川敷へ降り立つ。護衛達も同じく河川敷へ降りて来た。


レッド「向こうに複数人の人影が見えた。きっとターゲットだ。」
ブルー「読まれてた?まさか情報が漏れていたの?」
レッド「分からない。単に用心深いだけかもよ。」


剣を構える。いつもと違う重さに違和感を感じる。いつの間にかダガーが長剣に変わっていた。


レッド「あれ?俺ってこんな剣を持ってたっけ?」
ブルー「知らないわ。いつもはダガーばかり使ってるけど。」
レッド「そうだよな。」



でも何故かこの剣を知っている。これはガンブレードだ。一瞬違和感があったけど、もう無い。何故か手に馴染んで言う感じすらある。


レッド「どっちみちこれしか無いんだ。これで殺るしかない。」



襲って来た護衛を一気に斬り裂く。やっぱり使用感に違和感が無い。横を見るとブルーも護衛を仕留めていた。



奥からターゲットが現れる。護衛3人を入れて4人だ。


リュート「貴方たちがスウァム様を殺したアサシンかしら?」
レッド「さあ、どうだろうな。アサシンはいっぱい居る。俺達がお前のターゲットとは限らないぜ。」
リュート「まあどちらにしろ、アサシンは全員殺す。」
ブルー「あら、駄目ねぇ。女の子がそんな言葉使いをしてちゃ。」


護衛が襲い掛かって来る。一呼吸で護衛の一人を斬り、その足でもう一人護衛を斬り裂いた。ブルーも護衛を仕留め、早くも残るはターゲットの一人を残すだけになった。


リュート「く、こんなに圧倒されるの!?」
レッド「よそ見する暇なんてあるのか?」



ブルーとの連携攻撃でリュートを仕留めた。




違和感。

デジャブと言えば良いのか?今までに同じ事を体験した様な感覚に陥る。


ブルー「…あら?どうしたの。いつもみたいに冥福は祈らないの?」
レッド「あ、ああ。そうだな。」


レッドは冥福を祈り始める。


ブルー「はあ…結局祈るのね。私は先に戻っているわよ。」


そう言ってブルーは消えていった。暫く祈った後、レッドは違和感について考えようとした。しかし考えて分かるものでもない。取り敢えずアサシン本部に戻る事になった。







レッド「さて、変に時間も余ったな。どうするか…」
バダグ「じゃあ近くの洞窟に訓練でもしに行ったらどう?」
レッド「…そうだな。いや、今日は止めておこう。何となくいつもと調子が違う気がする。」
ブルー「あら、風邪でも引いたの?」
レッド「そういう訳じゃ無いと思うんだが。」

ブルー「じゃあ今日は解散ね。私もゆっくりするわ。」
レッド「ああ、俺もそうするよ。」
バダグ「二人ともおやすみ。」



少し早い夕食を摂り、夜食を買い漁ってから家に帰る。しかし様子がおかしい。


レッド「電気が点いている?おかしい。」


明らかに人の気配がする。しかも1人2人ではない。こっそり覗くと、5人の何者かがレッドの家を物色していた。


レッド「…5人か、厄介だな。とは言え、放置する訳にもいかないか。パワーホールド。」




力を上げる魔法を使用し部屋へ潜り込んだ。気付かれていない内に一人目を斬る。それに気付いたもう一人を返す刀で一閃した。


泥棒「く、見付かったのか。」
レッド「お前ら、俺の家を漁るなんて良い度胸だ。覚悟して貰うぞ。」
泥棒「こうなったらやるしかない。」


斬り掛かってきた泥棒の攻撃をかわし、カウンターで首を跳ねた。たじろぐ泥棒に近付き、更に仕留める。残る泥棒はあっという間に1人になった。


レッド「おい、何が目的だ。誰の家を漁っているか分かっているのか?」
泥棒「く…まさかこんなに強いなんて。流石はレッド・アサシン。」
レッド「やっぱり俺の家と分かってて入っているらしいな。誰の差し金だ?言え。」


剣を泥棒の喉元に宛がう。


泥棒「ど、どっちにしろ俺を助ける気なんて無いくせに。」
レッド「苦しんで死ぬか苦しまず死ぬか、位は選ばせてやるぞ。」
泥棒「そんなんで言う訳無いだろう。」
レッド「そうか。」


一気に剣を滑らせて止めを刺す。


レッド「…しかしどうするか。部屋が大変な事になってしまった。バダグにでも頼んでみるか?」






アサシン御用達の掃除屋がレッドの部屋を清掃している間、レッドとバダグはアサシン本部に居た。


バダグ「しかし大変だったな。」
レッド「ああ、結局奴らの目的も分からないままだし。家を変えた方が良いのかもしれないな。」
バダグ「手頃な家を探してやろうか?」
レッド「頼む。特に要望は無い、適当な家で構わない。」


バダグ「あ、そうだ。ついさっき仕事が入ったんだ。暇潰しにやってみる?」
レッド「暇潰しに人殺しも無いだろう。でもまあ、今回の清掃代くらいにはなるかもな。」
バダグ「相手はハンター支部長のバラムってヤツだ。」
レッド「おい、暇潰しにやる内容じゃ無いだろうが。」

バダグ「しかもハンター長との定期の会議中のロックだ。」
レッド「敵陣のさ中じゃないのか?そんなん厳し過ぎるだろう。」
バダグ「大変だね。」
レッド「…ブルーに連絡を頼む。」




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから

渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。 朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。 「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」 「いや、理不尽!」 初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。 「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」 ※※※ 専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり) ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

処理中です...