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3章 決着
29話 1人VSバダグ③
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今は多くを語りたくは無い。
ハッと気付いた時は河川敷で、リュートというハンターのロックを始める時だった。
そして、その後にハンター支部襲撃の際に幼馴染のナーダと再会する。
更にその後、アサシンがナーダのロックをしようとした事を切っ掛けに俺…レッド・アサシンはアサシンを抜けてレシアとしての人生を再開させる。
ハンター長のシヴァに匿われ、ナーダと2人になった俺。
自分の村を襲ったアサシンを発見する依頼をシヴァにしたが、居ても居られない。
自分達でも情報を見付けようとルーンの村に戻った。手掛かりは何も得られなかったが、その帰り道にナーダを追って来たブルーと出会ってしまう。
そして…俺の力が足りず、ナーダを殺されてしまう。
レシア「どういう事だ?俺の事を知らされていないのか?」
レシアはアサシン本部に居た。ナーダのロックを依頼したバダグに復讐する為に、アサシン本部に忍び込んだ。しかし本部で出会ったアサシン達はレシアがアサシンを抜けた事を知らされていない様子で、レシアを変わらずにレッドとして接して来ていた。
そのまま何事も無く、本部長室まで来てしまった。
レシア「…気配は無い。もしかして外出中なのか?」
静かにドアを開ける。やはり誰の気配も感じない。程よい広さの待合室みたいな空間があり、奥はバダグの部屋。手前の床に設置されたドアはゴミ箱だ。ただのゴミではなく、襲撃者を落とす為のドアだが。
レシア「地下迷宮へ落とす為の場所だったっけ?俺も行った事は無いけど、誰も出られた事は無いらしいからな。」
バダグの部屋に入る。普段から誰でも入れる場所だ。中には誰も居ない。
レシア「…やはり無人か。どうしたもんか…」
唐突に後ろに感じる殺気。
レシア「!」
バダグ「よお、レッドじゃないか。」
振り向くとバダグが戻って来た所だった。
バダグ「勇気があると言うか、不用心だぞ。道すがら、お前の目撃情報が沢山出てきたぜ。レッドが本部長室へ入っていったってな。」
レシア「俺が何で来たか分かるな?」
バダグ「予想は着くよ。」
レシア「何処に行ってた?」
バダグ「お前には関係の無い事だ。」
レシア「まあそうか。このまま留守だったらどうしようかと思ったぞ。」
バダグ「ブルーを殺したのか?」
レシア「正当防衛ってヤツだ。お前だって本気でブルーが俺に勝てるとは思っていないだろう。」
バダグ「…レッド、お前!」
レシア「ああ、分かるよ。仲間を殺された怒りや恨みってのは。こっちだってナーダを殺されたんだ。」
バダグ「ならばお前も殺されても文句は無いんだな。」
レシア「そもそも殺されたら文句すら言えんだろう。まあお前にも言える事だがな。」
レシアは剣を構える。バダグも拳を構えた。セスタスはもう装着されている。
バダグ「もはや語る事も無いだろう。地獄へ落ちるんだな、レッド。」
レシア「お前がな、バダグ。」
違和感はあった。河川敷から何度か感じていた違和感。バダグとはまともに戦った事は少ない。せいぜいがこの前のハンター本部での手合わせレベルの物だ。
しかし、何回か戦って来た様な既視感がレシアを襲う。恐らくだが、このまま戦っても勝てないかもしれない。
レシア「とは言え、戦わない訳にはいかないよな。」
バダグ「何を言っている?」
レシア「ああ、すまん。気にするな。」
バダグの攻撃は早く重い。何とか凌ぎながら隙を窺うが、慣れていない格闘攻撃に手こずって剣を飛ばされてしまう。その流れで、たまたまであったが攻撃を受けた際に地下迷宮への扉が壊れてレシアは地下迷宮へ落ちてしまった。
バダグ「…落ちたか。ダメージもある。もう助かるまい。」
長い距離を滑り落ち、地価のフロアに身体を打ち付ける。レシアの意識はそのまま薄れて行った。
気が付いて、地下迷宮に落ちた事に気付く。身体はあちこち痛むが、捻挫や骨折などの大きく支障のあるダメージは無さそうだった。
レシア「いや、間違って落ちたり物を落としたりしてしまった時用に出入り口はあるはずだ。セキュリティーはあるだろうが、そんなモンぶっ壊してやる。」
そこでまた違和感。大したセキュリティーは無い気がしてきた。せいぜい鍵が掛かっている程度かもしれない。
レシア「…まあ良いか。どっちにしても俺は先に進むしか無いんだ。どんな困難が待っていようが行くしかない。」
長い迷宮を歩き出す。途中では魔物が襲い掛かって来た。
頭を下げながら襲い掛かって来る魔物は目を見ると、こっちの動きが重くなってしまう。一気に頭を落とす。一つ目の鬼は力馬鹿なので、攻撃をさせる。動きが遅い攻撃をかわしたらカウンターで仕留める。
道中は魔物や人間の死体が転がっている。もしかしたらハンターなのかもしれないし、バダグに反乱して落とされたアサシンかもしれない。どちらにしろ、腐乱した匂いが鼻に付いた。
何となくだが、道が分かる。どうやら今日は勘が冴えている様だ。
レシア「…あ、行き止まりだ。勘が…」
暫く行くと、少し大きなフロアに2人の人間が居た。
ハッと気付いた時は河川敷で、リュートというハンターのロックを始める時だった。
そして、その後にハンター支部襲撃の際に幼馴染のナーダと再会する。
更にその後、アサシンがナーダのロックをしようとした事を切っ掛けに俺…レッド・アサシンはアサシンを抜けてレシアとしての人生を再開させる。
ハンター長のシヴァに匿われ、ナーダと2人になった俺。
自分の村を襲ったアサシンを発見する依頼をシヴァにしたが、居ても居られない。
自分達でも情報を見付けようとルーンの村に戻った。手掛かりは何も得られなかったが、その帰り道にナーダを追って来たブルーと出会ってしまう。
そして…俺の力が足りず、ナーダを殺されてしまう。
レシア「どういう事だ?俺の事を知らされていないのか?」
レシアはアサシン本部に居た。ナーダのロックを依頼したバダグに復讐する為に、アサシン本部に忍び込んだ。しかし本部で出会ったアサシン達はレシアがアサシンを抜けた事を知らされていない様子で、レシアを変わらずにレッドとして接して来ていた。
そのまま何事も無く、本部長室まで来てしまった。
レシア「…気配は無い。もしかして外出中なのか?」
静かにドアを開ける。やはり誰の気配も感じない。程よい広さの待合室みたいな空間があり、奥はバダグの部屋。手前の床に設置されたドアはゴミ箱だ。ただのゴミではなく、襲撃者を落とす為のドアだが。
レシア「地下迷宮へ落とす為の場所だったっけ?俺も行った事は無いけど、誰も出られた事は無いらしいからな。」
バダグの部屋に入る。普段から誰でも入れる場所だ。中には誰も居ない。
レシア「…やはり無人か。どうしたもんか…」
唐突に後ろに感じる殺気。
レシア「!」
バダグ「よお、レッドじゃないか。」
振り向くとバダグが戻って来た所だった。
バダグ「勇気があると言うか、不用心だぞ。道すがら、お前の目撃情報が沢山出てきたぜ。レッドが本部長室へ入っていったってな。」
レシア「俺が何で来たか分かるな?」
バダグ「予想は着くよ。」
レシア「何処に行ってた?」
バダグ「お前には関係の無い事だ。」
レシア「まあそうか。このまま留守だったらどうしようかと思ったぞ。」
バダグ「ブルーを殺したのか?」
レシア「正当防衛ってヤツだ。お前だって本気でブルーが俺に勝てるとは思っていないだろう。」
バダグ「…レッド、お前!」
レシア「ああ、分かるよ。仲間を殺された怒りや恨みってのは。こっちだってナーダを殺されたんだ。」
バダグ「ならばお前も殺されても文句は無いんだな。」
レシア「そもそも殺されたら文句すら言えんだろう。まあお前にも言える事だがな。」
レシアは剣を構える。バダグも拳を構えた。セスタスはもう装着されている。
バダグ「もはや語る事も無いだろう。地獄へ落ちるんだな、レッド。」
レシア「お前がな、バダグ。」
違和感はあった。河川敷から何度か感じていた違和感。バダグとはまともに戦った事は少ない。せいぜいがこの前のハンター本部での手合わせレベルの物だ。
しかし、何回か戦って来た様な既視感がレシアを襲う。恐らくだが、このまま戦っても勝てないかもしれない。
レシア「とは言え、戦わない訳にはいかないよな。」
バダグ「何を言っている?」
レシア「ああ、すまん。気にするな。」
バダグの攻撃は早く重い。何とか凌ぎながら隙を窺うが、慣れていない格闘攻撃に手こずって剣を飛ばされてしまう。その流れで、たまたまであったが攻撃を受けた際に地下迷宮への扉が壊れてレシアは地下迷宮へ落ちてしまった。
バダグ「…落ちたか。ダメージもある。もう助かるまい。」
長い距離を滑り落ち、地価のフロアに身体を打ち付ける。レシアの意識はそのまま薄れて行った。
気が付いて、地下迷宮に落ちた事に気付く。身体はあちこち痛むが、捻挫や骨折などの大きく支障のあるダメージは無さそうだった。
レシア「いや、間違って落ちたり物を落としたりしてしまった時用に出入り口はあるはずだ。セキュリティーはあるだろうが、そんなモンぶっ壊してやる。」
そこでまた違和感。大したセキュリティーは無い気がしてきた。せいぜい鍵が掛かっている程度かもしれない。
レシア「…まあ良いか。どっちにしても俺は先に進むしか無いんだ。どんな困難が待っていようが行くしかない。」
長い迷宮を歩き出す。途中では魔物が襲い掛かって来た。
頭を下げながら襲い掛かって来る魔物は目を見ると、こっちの動きが重くなってしまう。一気に頭を落とす。一つ目の鬼は力馬鹿なので、攻撃をさせる。動きが遅い攻撃をかわしたらカウンターで仕留める。
道中は魔物や人間の死体が転がっている。もしかしたらハンターなのかもしれないし、バダグに反乱して落とされたアサシンかもしれない。どちらにしろ、腐乱した匂いが鼻に付いた。
何となくだが、道が分かる。どうやら今日は勘が冴えている様だ。
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