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横話
横話E 脱出
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※この横話Eは「46話 アサシン本部での決戦③」終了時点の状態でのお話です。46話まで読んでいない方は、先にそちらまで本編を読んで頂く事を強くお勧めします。
横話E
脱出
バダグが死に、あれからアサシンもハンターも断裂状態となっていた。レシアがブルーやバダグを討ってから1年の時間が経った頃の話。
レシア「今日は天気が悪いな…」
レシアはナーダと共にルーン村へ戻った。最低限必要な場所を確保し、狩りや田等で生活していた。今日は狩りの後に村の近くにある高台に来ていた。ここで海を眺めるのが好きなのだ。
レシア「…最近モンスターが増えて来た様な気がする。バダグの影響があるんだろうか?」
残った意志ある者がこの状況を打破すべく動いていた。しかし、反乱する者やモンスターの所為で成果を上げられずにいた。
更に、新たな組織も出現した。アサシンやハンターの生き残り、その他の有志で結成された【WWW(トリプルダブル)】という組織だ。ただし、この組織は厄介なものだった。
レシア「…あっ、何者かが村に向かって来ている!?急いで戻らないと。」
何者かが村へ向かっているのが見えた。レシアは急いで村へ戻り、家へ入る。
ナーダ「あ、おかえり。獲物取れた?」
レシア「取れたが、それどころでは無いかもしれない。ナーダ、逃げるぞ。」
ナーダ「えっ?」
レシア「何者かの軍団がこっちへ向かって来ている。」
問い合えず最低限の荷物だけ持って、2人で山の方へ走り出す。緊急避難用の持ち物だが、これがあれば暫くは隠れていられる。
レシア「はあはあ…ここら辺まで来れば大丈夫かな?」
ナーダ「ううう…久し振りに走ったよ。」
レシア「運動不足なんだよ。」
村の方を見ると微かに火の影が見えた。やっとここまで拡大してきたのに…
レシア「くそ、何なんだアイツらは。こんな所にまで攻めて来やがって。」
ナーダ「モンスターも増えてきて、人間で争っている場合じゃないのに…」
レシア「貯め込んでた食料も奪われるだろうな。」
ナーダ「もしかしてアレが噂のWWWなのかな?」
レシア「そうかもしれない…World With Warriors(ワールド・ウィズ・ウォーリアーズ)…略してWWWか。センスの無い名前しやがって。」
ナーダ「World With Warriors…戦士のいる世界?戦士と共にある世界?どういう意味なの?」
レシア「それは作った奴に聞くんだな。さあ、この先の小さな町へ向かおう。」
山を越えた先に小さな町があった…のだが、辿り着くと町は崩壊していた。
レシア「ひどいな…一体何があったって言うんだ?」
ナーダ「そんな。この前まで活気のある町だったのに…」
横の方から気配がした。これは…!?
レシア「危ない!」
ナーダ「えっ?」
何者かの攻撃を受け止める。視線の先には一匹の魔物が居た。
魔物「ほう?あの攻撃をかわすとはやるじゃないか。」
レシア「魔物だと?お前が町をこんなんにしたのか?」
魔物「まさか。こんな小さな町を破壊するなんて事をすると思うか?」
ナーダ「違うのか?」
魔物「やったのは私ではない。部下にやらせたのだ。」
レシア「!?」
魔物が雄叫びを上げると、周りに沢山の魔物が出現した。
ナーダ「え…転移魔法?」
レシア「く…こう囲まれては。」
ゴーレムが拳を振り下ろしてくる。レシアとナーダは左右に分かれて避けた。その間に違う魔物がレシアを襲う。攻撃をまともに食らってレシアは吹っ飛んだ。離れた所でルーンクラッシュの光が見える。
レシア「数の暴力ってこう言う事だよな。」
目の前に来た魔物を斬り付ける。ダメージはあるが倒せていない。魔物の反撃をかわすが、違う魔物の攻撃を食らってまた吹っ飛ぶ。遠くを見るがナーダの姿はもう見えなかった。
レシア「くそっ、こんなんどうしようも無いじゃないか。生き残れる確率0%だな…」
魔物「ティアマット様がこの世界に降臨なされて、半年が経った。これからどんどん人間を滅ぼしてやろう。」
レシア「ティアマットだと…?」
久し振りに聞いた名前だ。バダグを利用してこの世界に来ようとしていたのか?バダグを倒しても避けられなかった事なのか?それとも全く別のルートから来ているのだろうか?
それ以上考える時間は無さそうだった。魔物がレシアを囲む。レシアはもう足が動かないでいた。さっきの攻撃で足が折れてしまったらしい。緊張状態だからか痛みは無いが…痛みはこれから沢山やって来そうだった。
魔物が襲い掛かると同時に横話の間が閉じて行く。
時間の路に戻るのが先か、殺されるのが先か…
取り敢えず、モンスターが増えたのはティアマットの影響か。割とどうしようも無い…よな?
横話E
脱出
バダグが死に、あれからアサシンもハンターも断裂状態となっていた。レシアがブルーやバダグを討ってから1年の時間が経った頃の話。
レシア「今日は天気が悪いな…」
レシアはナーダと共にルーン村へ戻った。最低限必要な場所を確保し、狩りや田等で生活していた。今日は狩りの後に村の近くにある高台に来ていた。ここで海を眺めるのが好きなのだ。
レシア「…最近モンスターが増えて来た様な気がする。バダグの影響があるんだろうか?」
残った意志ある者がこの状況を打破すべく動いていた。しかし、反乱する者やモンスターの所為で成果を上げられずにいた。
更に、新たな組織も出現した。アサシンやハンターの生き残り、その他の有志で結成された【WWW(トリプルダブル)】という組織だ。ただし、この組織は厄介なものだった。
レシア「…あっ、何者かが村に向かって来ている!?急いで戻らないと。」
何者かが村へ向かっているのが見えた。レシアは急いで村へ戻り、家へ入る。
ナーダ「あ、おかえり。獲物取れた?」
レシア「取れたが、それどころでは無いかもしれない。ナーダ、逃げるぞ。」
ナーダ「えっ?」
レシア「何者かの軍団がこっちへ向かって来ている。」
問い合えず最低限の荷物だけ持って、2人で山の方へ走り出す。緊急避難用の持ち物だが、これがあれば暫くは隠れていられる。
レシア「はあはあ…ここら辺まで来れば大丈夫かな?」
ナーダ「ううう…久し振りに走ったよ。」
レシア「運動不足なんだよ。」
村の方を見ると微かに火の影が見えた。やっとここまで拡大してきたのに…
レシア「くそ、何なんだアイツらは。こんな所にまで攻めて来やがって。」
ナーダ「モンスターも増えてきて、人間で争っている場合じゃないのに…」
レシア「貯め込んでた食料も奪われるだろうな。」
ナーダ「もしかしてアレが噂のWWWなのかな?」
レシア「そうかもしれない…World With Warriors(ワールド・ウィズ・ウォーリアーズ)…略してWWWか。センスの無い名前しやがって。」
ナーダ「World With Warriors…戦士のいる世界?戦士と共にある世界?どういう意味なの?」
レシア「それは作った奴に聞くんだな。さあ、この先の小さな町へ向かおう。」
山を越えた先に小さな町があった…のだが、辿り着くと町は崩壊していた。
レシア「ひどいな…一体何があったって言うんだ?」
ナーダ「そんな。この前まで活気のある町だったのに…」
横の方から気配がした。これは…!?
レシア「危ない!」
ナーダ「えっ?」
何者かの攻撃を受け止める。視線の先には一匹の魔物が居た。
魔物「ほう?あの攻撃をかわすとはやるじゃないか。」
レシア「魔物だと?お前が町をこんなんにしたのか?」
魔物「まさか。こんな小さな町を破壊するなんて事をすると思うか?」
ナーダ「違うのか?」
魔物「やったのは私ではない。部下にやらせたのだ。」
レシア「!?」
魔物が雄叫びを上げると、周りに沢山の魔物が出現した。
ナーダ「え…転移魔法?」
レシア「く…こう囲まれては。」
ゴーレムが拳を振り下ろしてくる。レシアとナーダは左右に分かれて避けた。その間に違う魔物がレシアを襲う。攻撃をまともに食らってレシアは吹っ飛んだ。離れた所でルーンクラッシュの光が見える。
レシア「数の暴力ってこう言う事だよな。」
目の前に来た魔物を斬り付ける。ダメージはあるが倒せていない。魔物の反撃をかわすが、違う魔物の攻撃を食らってまた吹っ飛ぶ。遠くを見るがナーダの姿はもう見えなかった。
レシア「くそっ、こんなんどうしようも無いじゃないか。生き残れる確率0%だな…」
魔物「ティアマット様がこの世界に降臨なされて、半年が経った。これからどんどん人間を滅ぼしてやろう。」
レシア「ティアマットだと…?」
久し振りに聞いた名前だ。バダグを利用してこの世界に来ようとしていたのか?バダグを倒しても避けられなかった事なのか?それとも全く別のルートから来ているのだろうか?
それ以上考える時間は無さそうだった。魔物がレシアを囲む。レシアはもう足が動かないでいた。さっきの攻撃で足が折れてしまったらしい。緊張状態だからか痛みは無いが…痛みはこれから沢山やって来そうだった。
魔物が襲い掛かると同時に横話の間が閉じて行く。
時間の路に戻るのが先か、殺されるのが先か…
取り敢えず、モンスターが増えたのはティアマットの影響か。割とどうしようも無い…よな?
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