聖剣の光Ⅰ（完結）

魔王復活

第66話

じじい「今なら使える…ホーリーメテオ！」
魔王「ダークフレイム！」


じじいは光属性の弾を撃ち出す。魔王は闇属性の炎を撃ち出あう。互いがぶつかり、辺りの地面や岩が破壊されていく。


じじい「くっ、押し負けるか。」


ダークフレイムがホーリーメテオを押しのけて突き進む。じじいは前へ走り出し、ダークフレイムを避けて斬り掛かる。


魔王「うぐっ！」


魔王の腹部を切り裂いた。


じじい「ちっ、浅いか。」


どうやら表面だけを斬った様だ。魔王は勢いを止めずに大剣で斬り掛かる。じじいは先読みでかわす。


魔王「何なんだ、こいつの回避能力は。」



お互いに距離を取る。


じじい「簡単には勝たせて貰えないか。」
魔王「その凄まじい回避を防ぐには、広範囲による攻撃が必要なようだな。」


魔王は炎を薙ぎ払う様に横に吐き出した。流石にこれは先読みでは対応できない。


じじい「やり難い、流石魔王。」


じじいはライト斬りで炎を切り払う。そのまま奥義を繰り出した。


じじい「光の一撃！」


ギィン！


光の一撃は魔王の大剣によって防がれてしまう。勢いでやや後ろへ下がる魔王。


魔王「前回私を倒した奥義は使わないのか？」
じじい「あれはとっておきなんだ。そうそう簡単には出せないな。」
魔王「そうか、もしや出したくても出せないのかと思っていたぞ。」


魔王の予想通りだった。前回の魔王戦で出した光の波は、じじいの最強の奥義。宝石の力でパワーアップしているとは言え、あれを出すにはまだ魔力が足りていないのだ。



魔王「ダークニードル！」


剣を合わせた近距離で魔王は魔法を撃ち出した。闇属性の小さい針のような刃が、幾つもじじいを襲う。


ピシピシピシッ


聖剣でガードするが、幾つかが肌を掠める。そのまま魔王は大剣で突きを繰り出す。


ガキィン！


聖剣でガードしたじじいはそのまま後ろへ押し出される。


じじい「やっぱり力が凄い。魔力も凄い。」
魔王「魔族の王なのでな。そこ等の魔物には負けぬよ。」


じじい「このままだとジリ貧になるか。」


恐らく魔王はMPも桁外れだろう。どう考えても削られるのはこっちだ。


じじい「結局、どうにかして光の一撃を直撃させないといけない。その為にどうやっていくか、だな。」


パワーアップのお陰で奥義でもまだ複数回出せる。かと言って無駄撃ちは出来ない。




魔王は大剣を振り回してきた。


ギィン！ギイィン！


連続でガードし、威力で後ろにずらされる。三発目を先読みでかわして、クロス斬りを放つ。…バランスが崩れてしまっていたせいで、思ったように振れなかった。一発目を空振りして、二発目は軽くガードされる。


じじい「くっ、一発一発の威力が高すぎる。」


これではメンタル的にも宜しくない。


魔王「どうした、そんな事で私を倒せるのか。」


魔王は大剣での突きでじじいをまた吹っ飛ばす。ガードしても単純なパワーの差で距離を開けられてしまう。更にそこへ炎を吐き出す。


じじい「ぐ…これはキツイ。」


聖剣でガードするも炎の余波はじじいに届く。



じじいが魔王を見ると、魔王は魔力を溜めていた。ダークフレイムなんか比にはならない魔力だ。


じじい「またあの魔王ビームとかいう、ふざけた名前の魔法を撃つつもりか。…もう迷っている暇も無い、か。」


じじいは聖剣を目の前に立てて魔力を込めた。


じじい「奥義・光の風！」


光がじじいを包み込み、そして吸収されていく。じじいの四つ目の奥義は、光の加護を最大限に発揮させる技。これでじじいの基礎能力値が一時的に上がる。弱点は、発動に多大なMPを消費する事。発動中は少しづつMPが消費されていく事だ。

あの変な名前の魔法から逃れる方法は他に無かった。そもそも、確実に逃れられる確証も無かった。発動中に魔王を倒し切れなければ後が無いのだ。



魔王「食らえ、魔王ビーム！」


魔王は魔力を天に放った。