祭囃子

冬真

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1、隣町

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友人が「お祭りがあるから一緒に行こうと」言うので僕たちは隣町まで電車に乗って向かうことにした。

街の間近まで山あい迫る隣町は、なんとなく田舎とも都会とも言えないちょうど間のような所だった。
 
僕たちは駅から目的地を目指してしばらく歩いた。
電柱が規則的に並び同じような形の新興住宅地がつづく。

少し先に丘があるのが見えた。
雑木林だろうか、こんもりと木々が茂っている。
だんだん近くになるにつれ意外と大きいことに気が付く。丘というより小さな山と言いたくなる。

振り返れば緑の柵に囲われたグラウンドで野球をしている人たちの影がちらちらと見えた。

(あれ? ここさっきも通った? )

グラウンドは特徴的なので覚えていた。
かれこれ数回ほど見ている気がする。
どうやら同じ道を何度も行き来しているらしい。

「どうした? 迷ったんじゃないか」と、声をかければ友人は振り返りもせずに地図が書かれているだろう白い紙とにらめっこしつつ「こっちで合ってる」と言う。
 
やっぱり迷ったんだ、と不安になった僕は「一回駅に戻ってみようよ」と来た方向に踵を返す。

ふ、と空気の色が変わった気がした。

「あれ? 」
 
いない。
 
さっきまでグランドで野球していたはずの人たちがいない。
一瞬で消えてしまった。
じっとりと汗が流れた。

友人を振り返ると先ほどまでは自分と同じくらいの背丈の少年だったはずの彼が背の高い青年に姿を変えていた。

ニコニコ笑って「やっと入れた」と言う。
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