祭囃子

冬真

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4、祭囃子

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洞穴のようなところに出た。

いつの間にか駅に向かう地下道のようなところを歩いていた。
お面をつけた人たちが行き交う。
ザワザワとした雑踏。

僕たちとは逆方向に向かって行く人が多い。お祭りに行くのだろうか。
ぶつからないように息を潜めながら男の大きな背について行く。
 

赤、黒、白の狐…。動物のお面。大人もいれば子供もいる。

友人はなんと言うでもなしにフラフラと後をついてくる。
やがてトンネルの先に光が見えてきた。


 


結局、僕は元の世界に戻ることが出来た。

一人だ。
友人はいない。
青い空。
普通の町並み。駅の地下道を出たところだった。
 
遠くにグラウンドで野球をしている人たちの声が聞こえた。




それからどれくらい経ったのか、僕は坂道を友人と歩いていた。
今度は女の子だ。あのことは夢だと思うようになっていた。
 
彼女が「なんだか不思議な夢を見た」という。

「お祭りがあるからと誘われて」と、前方の山を指さす。
「狐に掠われしまいそうになるの…。気にならない? 」

僕は、ぎょっとした。

果たして彼女がまた狐になってしまうのか。

それともいつの間にか狐になってしまった僕が、今度は彼女を連れて行ってしまうのか。
分からない。



 遠くで祭り囃子が聞こえる気がした。






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