禁忌

月島れいわ

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①禁断の夜

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「に。兄さん!もうぅ。むりぃ。いたっ!いや」
自宅に置いてあるレッスンバーを両手で掴んで麗未の眼には涙が零れそうになっていた。

左足だけで立ち右足の腿とつま先を兄に掴まれギュッと撓んだ背中の方へ倒され、
もう180度以上開脚させられていた。
柔軟ストレッチを手伝ってくれるというからオッケーしたのに!


18なのにまだ157センチしかないのが麗未の悩みだった。
今どきのバレリーナは170あっても良い。161は無いとプロの団でコールドも踊れない。
「大丈夫。パパもママも背はあるだろ。二十歳前には伸びるから。筋トレはやり過ぎると逆効果だ。
僕が習ったストレッチ教えてあげるよ。
痛くないんだ。凄く気持ちいいよ」と兄に誘われ美麗は急いで着替えた。


加納家では兄妹でクラシックバレエを幼少期から習っていた。
兄の聖夜は高2でプロ団のアーチストの地位にのぼり二十二歳の大学生である現在、身長は187あり小顔で顔立ちは彫りの深い母親に似て出会った誰もがはっと息を飲むような魅力とナルシスト特有の存在感があった。
去年のくりみで王子役のアンダーに選ばれたほどの実力者である。

美麗は全く自分に自信が持てなかった。
名前負けしてると陰口を言われていると思い込むほどだった。
長い黒髪に大きな切れ長の眼をした美しい子が『森永バレエ研究所』にいる。
背はないけど撫肩で手足が大きいから大丈夫だろう。
プリマの風格がある等と噂されているとは知らなかった。
全くの落ちこぼれだと兄と自分を比較している毎日だった。


特別なストレッチで美麗が苦手のジャンプが変わるからと聖夜は力強く請け合った。
もうこれ以上は開かないというぎりぎりのところを、後ろから兄の片手は腿の下をホールドしたままもう片方の手で足首を掴み容赦なく妹の脚をもっと前へと押し倒し開かせようとする。
膝を曲げてつま先を両手で持つ「ビィルマン」のポーズなら簡単だ。
今、兄妹がやろうとしているのは膝を一切曲げず
腿の付け根からの開脚角度を広げようとしているのだ。
それは美麗も承知している。
でも。でも。

うううっ
小さく呻いた。
「痛い!無理なストレッチは意味ないわ。ちっとも気持ちよくないわ。嘘つき。もうイヤっ。離して!」

ビィィイイイイインイイイ

妙な音が背後でして麗未は振り返ろうとしたところ、シニヨンに結った頭を聖夜に掴まれ固定された。
「な。なに?あっ!あああっ!な、なに!?やめてええ」

最大限以上に開かされた麗美のレオタードの股間に何かがあてられた。

あああっ!おにいちゃまああっ!やめて!

ビビビと小さく振動するのはヘッドの小さな電動歯ブラシだった。
それを妹の割れ目に沿って奥へ手前へと兄は動かした。
何年ぶりかで兄を『おにいちゃま』と呼んでしまったことなどどうでもいい。美麗はなんとか逃れようと躰をよじった。
だが相手は男で体格に差があり過ぎた。
どんなに慌てふためいてみても押さえつけられる。
急いで支度したから美麗はレオタードの下にボディファンデーションの下着も何もつけていなかった。素肌にタイツを履いて白いお気に入りのレオタードを来てきたのだ。

「うん。いいぞ。出来るじゃないか。それに。ここ」

グッと電動歯ブラシの先を食い込ませ「いいじゃないか?濡れてきた。
染みになってるぞ。気持ちいいんだろ?やらしいな。
声をあげるな。ママ達が起きてきたらどうするんだ。
そうだ。いい子だ。もっと力を抜け。もっと気持ちよくしてやる。ほら」

あうっ!ううっ
美麗は唇を噛んで悲鳴に近い声を抑えた。今は真夜中の1時過ぎ。
でも両親が寝室で物音に気がついて起きてきたらと思うとぞっとした。
この光景をどう説明するというのだ?


ヨーロピアンピンクのタイツと白いポリエステルのレオタードの生地越しに歯ブラシのヘッドがクリトリスを攻め続ける。

うそ。うそ。うそよぉ。

ずっと続く振動の刺激で花芯が膨らんでゆく。
知らず知らず溢れる愛液を美麗自身はどうすることもできなかった。

き、気持ちいい―――


薄いピンクの桜色にネイルした両手両足の爪の先まで微弱な電流が走った。

「お、おにいちゃま、あ。ああ。ど、どうして。どうして」

「ガムザッティだろ?コンクール。はは。
腿にまで美麗のいやらしいのが伝って来てる。美麗。処女じゃないだろ」

唯一の支えである木製のバーに両手でしっかと捕まっている美麗はブンブン首を振ってそんなこと無いと否定した。
「いい歳した女が処女でも価値ないぜ。ハハハ。グラン・ジュテの度にこのレッスンを思い出せ。
高くジャンプしないガムザッティあり得ないだろ。
いつも白いバレエしか選ばないお前は生意気なんだよ。
この役を掴んでキャラクターダンサーを下に見るな!


言われてみれば海外の短期留学で兄は王子役のレッスンを受けさせてもらえなかったと電話で誰かに怒っていたのを思い出した。
東洋人だからと嫌な思いをしたのかも。
でもだからって。
日本では王子も散々踊ってるくせに。
しかしもうこれ以上兄を怒らせるのは得策ではない。

こくこくと美麗は頷いた。

お馬鹿なお嬢様だと兄が嗤っているのも知らなかった。

「わ。わかったわ。もう。もういいでしょ?もう許してっ」

聖夜は残酷な笑みを浮かべて「そうだなぁ。ま。仕上げに入るか。ほら!」
バシンと固い妹の尻を叩いていきなりレオタードの股間をぎゅっと絞った。
「なっ!」
薄いタイツも器用に破かれ美麗の花芯も襞も晒された。
「あああっ!あああっだめええぇええ!」
直に電動歯ブラシが責めた。すっかり濡れそぼった襞奥にまで入り込み前後に動かされた。
その間に兄の指が腹を滑って降りてきて妹の花芯を摘んだ。
ゆっくり捏ね回される。美麗の頭は真っ白になった。
歯ブラシを口に噛んで聖夜は大きな掌ですっと美麗の両胸をレオタードの上から包んで優しく揉んだ。
尖った乳首をギュッと掴まれたり軽く引っ張られる。
美麗の花襞に聖夜の怒張した肉茎が、ずぶずぶとあっけなく付け根まで侵入してしまった。

はあっあ。あああ

虚空を見つめ美麗は絶望した。

空気を求める溺れた人魚の様。

ヴィイイイイィィ
振動する歯ブラシのヘッドが膨らんだ花芯をしつこく責められると何もかも現実世界が崩壊した。
快感に痺れて己も初めて聞く嬌声がどんどん高くなる。


開脚されたまま片手は美麗の尻を掴んで聖夜は激しく腰を前後に動かす。

その間にも微妙な加減で濡れた襞の浅いとこを歯ブラシがななぞられると知らず知らず嬌声があがった。


はっ。あっああ。んんっ。う。あっあぅあっあああ

繋がった要からジュプジュプと泡立つ卑猥な音の耳鳴りがして眼の前で光が点滅する。

兄はどうしても妹の脚を降ろすのを許さず最後までそのままの態勢で犯した。
パン パン パンと肉がぶつかる音。
獣になった男の息が荒くなってゆく。

だめええええぇえ

このままやられてしまうのかと気づいた美麗は悲鳴をあげた。
「いやょ。ナカはやめてぇ!おにちゃまぁああ!お願いよ」
妹の哀願など最初から聞くつもりもない。

美麗は闇のどん底に落とされた。
兄と妹ーーーーーーヤッチャダメーーーなコト。ゼッタイ。ソウーーーダーー

混乱と迷走する思考の中で美麗は気が遠くなった。
それと同時に快感の絶頂を躰が知った。

もう。ダメ。
うっと男の呻きのあと漸く美麗は開放され、
ぐったりとチーク材のフローリングの床に倒れた。

頭にバスタオルを投げられ聖夜が部屋を出て遠ざかってゆく気配がした。
自分から溢れた愛液をタオルで拭いながら
美麗は泣いた。
鮮血が混じっていた。

もう自分に兄はいない。


それから一週間が経った。
美麗が通っている研究所でコンクールに向けた居残りレッスンがあった。
コンクール用のバリエーションの振り付けと指導をわざわざ名のある外国人ダンサーに依頼していた。
同じくダンサーである母親がすべて手配したのだ。
休むわけにいかない。
一回のレッスンで得るものが沢山ある。
それにとても高額なギャランティーでもあるのだ。
正直美麗はもうガムザッティを踊りたくなかった。
今が正念場だと周りは言う。でもどうしても兄にされたあれを思い出してしまう。
外人ダンサーはイギリス国籍の白人とハーフの黒人男性だった。
今は男性教師に指導でもされるのは嫌な気がした。しかし我儘は通らない。
普段は着ない黒で袖のあるレオタードにハーフパンツを履いて鏡の前に立った。

英語で足の甲が隠れるレッグウォーマーを脱ぐように言われた。
ぼーっとしていた美麗は英語が聞き取れなかったがピアノ教師の高崎先生が教えてくれた。

幾つか指導が入り、
生ピアノでひと通し踊った。

「ワンダフル!!スプリッツ!ミレイ。キミ。ドリョク!」ウィンクしてグッドのしるしの指をこちらにむけた。

グラン・ジュテーーー大きなジャンプーーーーが褒められたのだ。
高崎先生まで「凄いわ。ほんの数日でここまで違うのね!180度より開いて高さもあったわ。
美麗ちゃん素晴らしいわよ。先生もそういってるわ」

はあ。
どうしても空中でジャンプしてスプリッツするときにあの歯ブラシと兄の指で引き出された快感を思い出す。

その瞬間、
いや!!と心の中で大声をあげている自分。

それで自然と大きく開くのだ。

皮肉なことにあんな事が本当に実になってしまったのだった。
美麗が真っ赤になってうつむく様子は外国人教師の眼には謙虚でシャイな日本人と映った。

ハーフパンツも脱いで最後まで通しで踊るよう指示された時、
美麗は心から嫌だと思った。
それは嫌悪に近く。憎悪にも似ている。

「すみません。今日は調子悪くて。あの日です。すみません。高崎先生訳してください。失礼します!」
美麗はレッスン室を飛び出してロッカールームに駆け込むと泣いた。
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