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6、おっさん友達が増える
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朝が来た。
俺は大きく、のびをした。
今日はバイトが休みだ。
特にすることもないから、近所の大きな公園に出かけていった。
公園の中を散歩していると、ベンチに小学生が座っていた。
「おう、どうした坊主?」
俺は話しかけてみた。
少年は訝しげな目を向けたが、18才の女性ということで油断したらしい。
俺の話しかけに返事をした。
「学校、行きたくない」
「そっか、俺もそうだった」
「お姉さんも!?」
「ああ、あんな狭くて苦しいところ、大嫌いだったよ」
俺がそう言うと、少年はちょっと難しい顔をして答えた。
「で、お姉さんは今何してるの?」
「バイト休みで、暇してる」
「ふうん」
少年は俯いた。
「まあ、生きてりゃ色々あるし、大学は楽しかったよ」
「僕は今が苦しいんだよ?」
小学生とは思えない言葉だ。
俺は、可哀想に思った。
「学校を一日くらいサボったって、死んだりしないぜ」
「お姉さん、言葉使い悪いね」
そう言って少年は笑った。
とは言っても、このままこの少年を一人公園に置いておく訳にもいかない。
「ライン、やってるか?」
「うん」
俺は、少年とラインを交換した。
「千草って言うんだ。お姉さんの名前、シワシワだね」
「うっせーよ」
俺は早速少年にラインを送った。
<よろしく>
少年の名前は西川 正人にしかわ まさとと言った。
ラインの返信が来た。
<よろしくお願いします>
「なあ、今日は学校遅れて行かないか?」
俺は仕方なく、そう言った。
「そうだなあ」
正人が暗い表情で俯いた。
「行って、早退すれば良いじゃん」
「うん」
「愚痴くらいならいつでも聞くから、ラインくれよ」
正人は戸惑っていた。
「僕、知らない人と口聞いちゃ駄目ってお母さんに言われてたんだった」
「そっか、そりゃ悪かったな」
俺が、がははと笑うと正人も微笑んだ。
「大人って学校に行ってないと、怒るものだと思ってた」
「そりゃ、人それぞれで上手くいかないもんだってあるさ」
正人が急に真面目な顔になった。
「お姉さんは大人なんだから、ちゃんとしないと駄目だよ」
「はいはい」
正人はそう言って、立ち上がった。
「なんか、学校行けそうな気がしてきた」
「おう、凄いぞ! 嫌ならすぐ帰れ」
「分かった」
俺は正人に手を振りながら、微妙な気分になった。
「小学校か。しんどかったな、あれは」
俺は一人呟いた。
「正人は登校拒否か? 一人で公園にいるなんて、家にも居場所がないのか?」
俺はちょっと、寂しい気持ちになった。
気分転換にバイト先のコンビニに寄った。
すると店長が笑顔で出迎えてくれた。
「小野さん! 良いところに来てくれたよ! 暇ならシフト入ってくれないか?」
「いいですよ」
俺はすることもないので、結局働くことにした。
夜になって、バイトが終わるころ、正人からラインが来た。
<学校、いられた>
俺は慌てて返信した。
<偉いぞ、正人。俺には出来なかったことだ。胸張って良いぜ>
すぐに正人から返事が来た。
<うん>
一応、人助けになったんだろうか。
俺はすこしだけ、ホッとした気持ちになった。
正人からまたラインが来た。
<お姉さん、言葉使い気をつけた方が良いよ、女の子なんだから>
<わかったよ>
こうして、俺に友達が一人増えた。
俺は大きく、のびをした。
今日はバイトが休みだ。
特にすることもないから、近所の大きな公園に出かけていった。
公園の中を散歩していると、ベンチに小学生が座っていた。
「おう、どうした坊主?」
俺は話しかけてみた。
少年は訝しげな目を向けたが、18才の女性ということで油断したらしい。
俺の話しかけに返事をした。
「学校、行きたくない」
「そっか、俺もそうだった」
「お姉さんも!?」
「ああ、あんな狭くて苦しいところ、大嫌いだったよ」
俺がそう言うと、少年はちょっと難しい顔をして答えた。
「で、お姉さんは今何してるの?」
「バイト休みで、暇してる」
「ふうん」
少年は俯いた。
「まあ、生きてりゃ色々あるし、大学は楽しかったよ」
「僕は今が苦しいんだよ?」
小学生とは思えない言葉だ。
俺は、可哀想に思った。
「学校を一日くらいサボったって、死んだりしないぜ」
「お姉さん、言葉使い悪いね」
そう言って少年は笑った。
とは言っても、このままこの少年を一人公園に置いておく訳にもいかない。
「ライン、やってるか?」
「うん」
俺は、少年とラインを交換した。
「千草って言うんだ。お姉さんの名前、シワシワだね」
「うっせーよ」
俺は早速少年にラインを送った。
<よろしく>
少年の名前は西川 正人にしかわ まさとと言った。
ラインの返信が来た。
<よろしくお願いします>
「なあ、今日は学校遅れて行かないか?」
俺は仕方なく、そう言った。
「そうだなあ」
正人が暗い表情で俯いた。
「行って、早退すれば良いじゃん」
「うん」
「愚痴くらいならいつでも聞くから、ラインくれよ」
正人は戸惑っていた。
「僕、知らない人と口聞いちゃ駄目ってお母さんに言われてたんだった」
「そっか、そりゃ悪かったな」
俺が、がははと笑うと正人も微笑んだ。
「大人って学校に行ってないと、怒るものだと思ってた」
「そりゃ、人それぞれで上手くいかないもんだってあるさ」
正人が急に真面目な顔になった。
「お姉さんは大人なんだから、ちゃんとしないと駄目だよ」
「はいはい」
正人はそう言って、立ち上がった。
「なんか、学校行けそうな気がしてきた」
「おう、凄いぞ! 嫌ならすぐ帰れ」
「分かった」
俺は正人に手を振りながら、微妙な気分になった。
「小学校か。しんどかったな、あれは」
俺は一人呟いた。
「正人は登校拒否か? 一人で公園にいるなんて、家にも居場所がないのか?」
俺はちょっと、寂しい気持ちになった。
気分転換にバイト先のコンビニに寄った。
すると店長が笑顔で出迎えてくれた。
「小野さん! 良いところに来てくれたよ! 暇ならシフト入ってくれないか?」
「いいですよ」
俺はすることもないので、結局働くことにした。
夜になって、バイトが終わるころ、正人からラインが来た。
<学校、いられた>
俺は慌てて返信した。
<偉いぞ、正人。俺には出来なかったことだ。胸張って良いぜ>
すぐに正人から返事が来た。
<うん>
一応、人助けになったんだろうか。
俺はすこしだけ、ホッとした気持ちになった。
正人からまたラインが来た。
<お姉さん、言葉使い気をつけた方が良いよ、女の子なんだから>
<わかったよ>
こうして、俺に友達が一人増えた。
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