43歳のおっさん、魔法少女に転生する

茜カナコ

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16、おっさん家に帰る

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「百々花、本当にありがとう」
「いいよ、千草。私も楽しかった」
二泊三日の軽井沢別荘での特訓を終え、俺たちは帰路の電車に乗っていた。
二人で連携した魔法も使えるようになったので、少しは合宿の成果も有ったのだと思う。

「リリイちゃんも無事で良かった」
「そうだな」
俺たちが死に神のナナを倒さなければ、リリイがどうなっていたのか、ちょっと怖かった。

「それにしても、菜央、怒るだろうな」
「そうかな?」
百々花は首をかしげた。

「そうだよ。声もかけなかったじゃないか」
「だって、魔法少女の合宿だもん」
「百々花の別荘があんな豪邸だって知ったら行きたがるんじゃないか?」
「じゃあ、今度は3人で遊びに行こうよ」
百々花は悪びれずに言った。

店長と、菜央には、お土産にフロマージュタルトを買ってきた。
その他のバイトにもチョコレートを買っている。
支払いは俺のバイト代からだった。
けっこう痛い出費だが、これ以上百々花に甘えるわけにもいかなかった。

「ただいま」
家の最寄り駅に着くと、百々花が言った。
「百々花の家にお礼とか、しなくて良いのか?」
俺が百々花に聞くと、百々花は少し寂しそうな笑みを宇かげて首を振った。
「お母さんもお父さんも忙しくて、私に興味ないもの」
「そんなことないとおもうけどなあ」
俺がそう言っても、百々花は頷かなかった。

「じゃあ、ここでさよならだね」
「ああ」
「また、遊び行こうね」
「うん」
百々花は家に帰っていった。

「百々花の家、凄かったね」
クロがカバンから顔を出し話しかけてくる。
「ああ、凄かったな」
「今からどこか行くの?」
クロが俺に尋ねる。

「一応、休んでたから、バイト先に顔だけだそうと思って」
「そう」
クロはカバンから出て、家の方に歩き出した。
「僕はもう疲れちゃったから、帰るよ」
「お疲れ、クロ」

俺はバイト先に顔を出した。
今日は菜央のシフトではないらしい。
顔見知りのバイト仲間と店長に休みを取らせてくれたことのお礼を言い、お土産をおいてコンビニを後にした。

しばらく歩くと家に着く。
「ああ、疲れたな」
俺は風呂に湯を張り、体を沈めた。
「合宿、結構楽しかったな」

クロはもう先に眠りについていた。
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