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2 (過去)
しおりを挟む私の初恋は、父と母の友達であるワイス侯爵家の次男、エドワード様。
彼は、次男では有るけれど、母方の伯爵家にご子息が産まれなかったので、その爵位を受け継ぐ事が決まっている。
ワイス侯爵家とモルト伯爵家は父、母共に学園に通っている時から仲よくしており、今でも月1回は必ず食事会をしている。
子供達も産まれた時から当然の様に居る為、血は繋がっていないが、もう1組の両親であり、兄弟の様な存在だ。
長男のレオン兄様は、5歳上で13歳。
エドワード兄様は、お姉様と一緒の11歳。
サイモンとアルフレッドは5歳。
私達は6人兄弟の様に仲が良かった。
***
「お姉様、エド兄様待ってー!
きゃあー!痛い!!」
「大丈夫?シンシア」
「もうシンシアは走るの遅いのだから無理して一緒に付いて来なくても良いのに!」
「そんな事を言ったらシンシアが可哀想だよ。
アリシアと遊びたくて一生懸命に付いて来ているのだから。
あー血が出てしまったね。ちょっと待ってて…。」
そう言って、エド兄様はポケットから白いハンカチを取り出し 私の足に縛ってから両親の元に連れていってくれました。
姉とは違い、 いつも気に掛けてくれるエドワード様に、私は 、いつしか恋心を抱いていたのです。
「ねぇ~シンシア…貴方もしかしてエドワードの事が好きなの? そうなら私が協力してあげようか?」
姉のそんな言葉に、まだ8歳だった私は疑う事も、姉の他人の好きな人を好きになってしまう事も知りませんでした。
***
「シンシア 今日は、私がエドワードに、貴方の良い所を沢山話してきてあげるから、貴方は、付いてきちゃ駄目よ!サイモンとアルフレッドと遊んで居てね!」
と姉に言われて、私はエド兄様の弟のサイモンと弟のアルフレッドと一緒に居た。
ライス侯爵家の長男であるレオン兄様は、いつも1人静かに本を読んでいるので邪魔はしない様に少し離れた所で遊んでいた。
「あら?珍しいわね。シンシアは、 今日はアリシア達と一緒に遊ばないの?どこか具合でも悪いの?
まさか喧嘩でもした?」
「大丈夫です、お母様。
今日はアルフレッド達と遊びたいだけですわ!」
「なら良いけれど…。何か有るのなら お母様に ちゃんと言ってね!」
「そうよ!ソフィアに言いにくければリリア母様に相談してくれても良いわよ 。 例えばエドワードの事とか!?」
「えっ!?あ、ありがとうございます。リリアお母様、お母様!
本当に何もないのです。今日はアルフレッド達と遊びたいだけなのです!」
あれ?私の恋心は皆にバレてる?そんなに分かりやすかったのかしら???
赤面しながら下を向いてしまいましたわ。
これじゃあ余計にバレてしまいますよね?
「何ーシンシアはエドワードの事が好きなのか?
分かった!じゃあ2人は婚約させよう!!」
「ふざけるなっ!俺の可愛いシンシアは何処にもやらん!」
お酒の入ったお父様達は しっかり出来上がっていますわね…。
あ~本当に婚約が出来れば良いのに。
お姉様、上手くやってくれているかしら?
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注意)ほぼコメディです。
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