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15 アリシア視点
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「奥様、ユリア様がご懐妊されたそうです」
ユリアが妊娠したのなら、当分は、ユリアの元に行くことはないわね!あとは、カミラだけか…。
などと安心していたのだが、サイードは、市井に視察に行った際、立ち寄った食堂の娘リンドを気に入り無理矢理、公妾として宮廷に入れた。
「はぁ!?何なのっ!信じられない!!」
「サイード、一体どういう事かしら?私を愛していると言ったでは有りませんか?それなのに公妾とは…説明して頂けるかしら?」
「すまないアリシア。私は真実の愛に目覚めてしまったんだ!リンドこそ私の運命の相手なのだ!!」
何を言っちゃってるの?真実の愛???
笑わせるんじゃないわよ!!
うっとりとした顔をしちゃって、キモーい!!
これはもう今は何を言っても無駄ねっ!
「はぁー…真実の愛ですか?本気なんですね…でも、これからも夫としての務めは果して頂けるのですよね?」
「いや…これからは私はリンドしか欲しくない!
王子妃には、もう皆、子供がいるから、十分に夫としての務めは果たした。これからは、リンドだけが私の相手をしてくれれば他は必要ない。君達には、これからも不自由がない生活はさせる。」
「はぁぁ?何言っちゃってるわけ?何が運命の相手よ!馬鹿じゃないの!?あんたは、運命の相手だと言っているけれど、向こうは逆らえないから嫌なのに泣く泣く宮廷に連れてこられたと聞いているわよ!それで、真実の愛?運命の相手?あんたの独り善がりじゃない!あんたが愛していると言うからザイルまで来た私は、どうなるのよっ!!」
「なっ…!!」
「アリシア様、言葉が過ぎます!」
ダリルに窘められたがアリシアは止まらない。
「サイードが好きなようにするなら、私も好きにして良いのよね?!私も運命の相手やらを探そうかしら?」
「…第3夫人としての務めを果てしてくれれば、自由にして構わない。但し、他に男を作るのは駄目だ。
子供を作られては困るからなっ!」
「はぁ?自分は好きな女と乳くりあうのに、こっちは駄目っておかしいでしょう?」
「兎に角、男は駄目だ!!それ以外は好きにしろっ!」
許さないっ!私を馬鹿にしてっ!冗談じゃないわ!
***
「奥様…聞きました…その…殿下の事」
「あぁ公妾の事?…もういいのよ、サイードは私なんか本当は愛してなかったのよ…愛されていると信じていたのに…。真実の愛なんですって…私、馬鹿みたいよね?サイードに愛していると言われて、信じてザイル国まで来ちゃって…」
「奥様…」
「ありがとう、カイド。あーこれからは、愛される事がないのに、此処に居るしかないのね…」
「・・・俺が…俺が奥様の側に居ます!
あっ!変な意味じゃなくて…話し相手として…」
「ふふふ、ありがとう。これからも私の話し相手になってくれるの?嬉しいわ~」
「はいっ!喜んで!!」
***
此処は何処かしら?宮廷は広すぎて迷ってしまったわ!
リンドの侍女は、自分より身分の低い平民上がりの主人に不満があり、侍女長に分からないように仕事に手を抜き、リンドを放置する。
「うわぁ~綺麗!何て美しい庭なの!!」
「誰?」
「あっ!勝手に入って、ごめんなさい。
迷ってしまって…」
「新しい侍女?それにしては服が…」
「えっと、私はリンド。最近、此処に来たの」
「俺はカイド。庭の手入れを任されてる。」
「じゃあ貴方が、この庭を?凄い綺麗!」
「ありがとう、そう言って貰えると嬉しいよ!」
「また見に来ても良い?」
「勿論いつでも来てくれ」
「ありがとう。もう行かないと…またね!」
「あぁまた!」
何だったの(んだ)?胸がドキドキして、こんなの初めて(だ)。
この2人の出会いがアリシアの運命をも変えてしまうなど、誰も思わなかった…。
ユリアが妊娠したのなら、当分は、ユリアの元に行くことはないわね!あとは、カミラだけか…。
などと安心していたのだが、サイードは、市井に視察に行った際、立ち寄った食堂の娘リンドを気に入り無理矢理、公妾として宮廷に入れた。
「はぁ!?何なのっ!信じられない!!」
「サイード、一体どういう事かしら?私を愛していると言ったでは有りませんか?それなのに公妾とは…説明して頂けるかしら?」
「すまないアリシア。私は真実の愛に目覚めてしまったんだ!リンドこそ私の運命の相手なのだ!!」
何を言っちゃってるの?真実の愛???
笑わせるんじゃないわよ!!
うっとりとした顔をしちゃって、キモーい!!
これはもう今は何を言っても無駄ねっ!
「はぁー…真実の愛ですか?本気なんですね…でも、これからも夫としての務めは果して頂けるのですよね?」
「いや…これからは私はリンドしか欲しくない!
王子妃には、もう皆、子供がいるから、十分に夫としての務めは果たした。これからは、リンドだけが私の相手をしてくれれば他は必要ない。君達には、これからも不自由がない生活はさせる。」
「はぁぁ?何言っちゃってるわけ?何が運命の相手よ!馬鹿じゃないの!?あんたは、運命の相手だと言っているけれど、向こうは逆らえないから嫌なのに泣く泣く宮廷に連れてこられたと聞いているわよ!それで、真実の愛?運命の相手?あんたの独り善がりじゃない!あんたが愛していると言うからザイルまで来た私は、どうなるのよっ!!」
「なっ…!!」
「アリシア様、言葉が過ぎます!」
ダリルに窘められたがアリシアは止まらない。
「サイードが好きなようにするなら、私も好きにして良いのよね?!私も運命の相手やらを探そうかしら?」
「…第3夫人としての務めを果てしてくれれば、自由にして構わない。但し、他に男を作るのは駄目だ。
子供を作られては困るからなっ!」
「はぁ?自分は好きな女と乳くりあうのに、こっちは駄目っておかしいでしょう?」
「兎に角、男は駄目だ!!それ以外は好きにしろっ!」
許さないっ!私を馬鹿にしてっ!冗談じゃないわ!
***
「奥様…聞きました…その…殿下の事」
「あぁ公妾の事?…もういいのよ、サイードは私なんか本当は愛してなかったのよ…愛されていると信じていたのに…。真実の愛なんですって…私、馬鹿みたいよね?サイードに愛していると言われて、信じてザイル国まで来ちゃって…」
「奥様…」
「ありがとう、カイド。あーこれからは、愛される事がないのに、此処に居るしかないのね…」
「・・・俺が…俺が奥様の側に居ます!
あっ!変な意味じゃなくて…話し相手として…」
「ふふふ、ありがとう。これからも私の話し相手になってくれるの?嬉しいわ~」
「はいっ!喜んで!!」
***
此処は何処かしら?宮廷は広すぎて迷ってしまったわ!
リンドの侍女は、自分より身分の低い平民上がりの主人に不満があり、侍女長に分からないように仕事に手を抜き、リンドを放置する。
「うわぁ~綺麗!何て美しい庭なの!!」
「誰?」
「あっ!勝手に入って、ごめんなさい。
迷ってしまって…」
「新しい侍女?それにしては服が…」
「えっと、私はリンド。最近、此処に来たの」
「俺はカイド。庭の手入れを任されてる。」
「じゃあ貴方が、この庭を?凄い綺麗!」
「ありがとう、そう言って貰えると嬉しいよ!」
「また見に来ても良い?」
「勿論いつでも来てくれ」
「ありがとう。もう行かないと…またね!」
「あぁまた!」
何だったの(んだ)?胸がドキドキして、こんなの初めて(だ)。
この2人の出会いがアリシアの運命をも変えてしまうなど、誰も思わなかった…。
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