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「ありがとうマリー。…エドワードは、お姉様と…泊まりに行くのかしら…」
「お嬢様…言いづらいのですが…そのー…離縁もお考えになっては…」
「…そうね…でも…まだ……」
私は、まだエドワードを愛しているのだ。
このまま結婚生活を送っていても幸せになれないかもしれない…。
エドワードの方からお姉様と一緒になりたいからと離縁されるかもしれない…。
……お姉様とエドワードが一緒になる事は無いわね…。
お父様達や、お母様達、兄弟が激怒して反対するでしょうし…
「シンシア?着替えは終わったかい?」
エドワードが待ちくたびれた様にドア越しに声を掛けてきた。
「もう少しお待ち下さい!」
マリーが叫ぶ!
マリー…侍女なのに叫んでは…
「ええーっ!まだなのかぁ?」
「何をしているのですか?奥様は、今日 退院したばかりなのですよ。無理をさせては行けません!」
「うぅ分かってる…シンシア居間でまっているからね♪」
執事に叱咤され、ドアの前から居なくなったようですね…。
「旦那様は何をお考えなのでしょうか?今のを見る限り お嬢様の事を愛しているのは間違いないようですのに…」
「……」
「さぁさぁお嬢様、また旦那様が痺れを切らして来られる前に着替えを済ませてしまいましょう」
***
居間でソワソワとしながら、シンシアを待つエドワードの姿を見ている執事は不思議だった。
何故うちの旦那様は、奥様をこんなに愛しているのに あんな女と浮気しているんだ?
大体にして屋敷で逢い引きしていて、奥様にバレてないと思っているのか?
私には理解しかねる…さて、この事を大旦那様に報告しなくて良いものか…。
「お待たせ致しました。遅くなって申し訳ありません」
「大丈夫だよ!シンシア身体は もう大丈夫か?頭を打ったんだよね?!そうだ!玄関の階段をスロープににしよう!!」
「エドワード落ち着いて。私がボッーとしていたから踏み外しただけなの。スロープの必要はないわ」
「そうか?シンシアがボッーとするなんて珍しいね」
「奥様は、アリシア様がお戻りになってから心労で体調を崩されておりました。モルト伯爵夫人も体調を崩されております。皆様、アリシア様がお戻りになってから…「マリー!」
鼻息を荒くして発言しているマリーを執事が止める。
「「旦那様 申し訳ございません」」
「そ、そうか…アリシアか…」
「エドワードお願いがあるのだけれど、明日に実家に行ってきても良いかしら?」
「明日?あ、ああ構わないよ……実は、シンシアが退院するとは思わなくて学友のボリビア侯爵家のレーモンドに遊びに誘われて明日 泊まりで行くと約束してしまったんだ…。ごめん」
「…………そうですか…」
…お姉様と泊まりに行くのね…。
マリーが、顔を真っ赤にして何かを言おうとしたのを執事に押さえられている。
「ごめんなさい。頭が痛くなって来たので、部屋に下がりますね」
「えっ!先生を呼ぼうか?」
「横になれば治ると思います。失礼致します」
「あっ!シンシアー」
腕を掴まれそうになり、スッーと避けて早歩きで部屋を出る。
もう駄目ね…。
自室まで姿勢を崩さず耐えた。
1歩 部屋に入ると、シンシアは、泣き崩れた。
「お嬢様…言いづらいのですが…そのー…離縁もお考えになっては…」
「…そうね…でも…まだ……」
私は、まだエドワードを愛しているのだ。
このまま結婚生活を送っていても幸せになれないかもしれない…。
エドワードの方からお姉様と一緒になりたいからと離縁されるかもしれない…。
……お姉様とエドワードが一緒になる事は無いわね…。
お父様達や、お母様達、兄弟が激怒して反対するでしょうし…
「シンシア?着替えは終わったかい?」
エドワードが待ちくたびれた様にドア越しに声を掛けてきた。
「もう少しお待ち下さい!」
マリーが叫ぶ!
マリー…侍女なのに叫んでは…
「ええーっ!まだなのかぁ?」
「何をしているのですか?奥様は、今日 退院したばかりなのですよ。無理をさせては行けません!」
「うぅ分かってる…シンシア居間でまっているからね♪」
執事に叱咤され、ドアの前から居なくなったようですね…。
「旦那様は何をお考えなのでしょうか?今のを見る限り お嬢様の事を愛しているのは間違いないようですのに…」
「……」
「さぁさぁお嬢様、また旦那様が痺れを切らして来られる前に着替えを済ませてしまいましょう」
***
居間でソワソワとしながら、シンシアを待つエドワードの姿を見ている執事は不思議だった。
何故うちの旦那様は、奥様をこんなに愛しているのに あんな女と浮気しているんだ?
大体にして屋敷で逢い引きしていて、奥様にバレてないと思っているのか?
私には理解しかねる…さて、この事を大旦那様に報告しなくて良いものか…。
「お待たせ致しました。遅くなって申し訳ありません」
「大丈夫だよ!シンシア身体は もう大丈夫か?頭を打ったんだよね?!そうだ!玄関の階段をスロープににしよう!!」
「エドワード落ち着いて。私がボッーとしていたから踏み外しただけなの。スロープの必要はないわ」
「そうか?シンシアがボッーとするなんて珍しいね」
「奥様は、アリシア様がお戻りになってから心労で体調を崩されておりました。モルト伯爵夫人も体調を崩されております。皆様、アリシア様がお戻りになってから…「マリー!」
鼻息を荒くして発言しているマリーを執事が止める。
「「旦那様 申し訳ございません」」
「そ、そうか…アリシアか…」
「エドワードお願いがあるのだけれど、明日に実家に行ってきても良いかしら?」
「明日?あ、ああ構わないよ……実は、シンシアが退院するとは思わなくて学友のボリビア侯爵家のレーモンドに遊びに誘われて明日 泊まりで行くと約束してしまったんだ…。ごめん」
「…………そうですか…」
…お姉様と泊まりに行くのね…。
マリーが、顔を真っ赤にして何かを言おうとしたのを執事に押さえられている。
「ごめんなさい。頭が痛くなって来たので、部屋に下がりますね」
「えっ!先生を呼ぼうか?」
「横になれば治ると思います。失礼致します」
「あっ!シンシアー」
腕を掴まれそうになり、スッーと避けて早歩きで部屋を出る。
もう駄目ね…。
自室まで姿勢を崩さず耐えた。
1歩 部屋に入ると、シンシアは、泣き崩れた。
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