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「…シンシアお嬢様は…ご懐妊されました」
「なっ、聞いてないぞ!子供が出来たのか?!」
「エドワード黙れ!」
「とても…とても喜ばれ…直ぐに旦那様に知らせようとトレリス伯爵家に…そこでアリシア様と口付けをされている旦那様を見てしまったのです…」
エドワードとアリシアは、顔がどんどんと蒼白し震えている。
顔を真っ赤にして
「どういう事だエドワード!!お前と言う奴は!!」
「アリシア!お前は庭師を誑かしただけでなく義理の弟にまで!!」
「父上、ここで大声を出しては話が進みません」
「しかし…そ、そうだな。マリー続きを」
「はい。お嬢様は そのショックから よろめき階段を踏み外して…流産されてしまいました…」
「ああ何て事、私は知らずに孫の顔が見たいなどと…ごめんなさいシンシア」
「それでもお嬢様は旦那様の事を…うぅぅぅ」
「奥様は旦那様の事を心より愛しておりました。だから、最後まで信じたかったのだと…」
「何故お前は私に知らせなかった!?」
「奥様が言わないで欲しいと…。奥様は、大旦那様にバレてしまったら旦那様が大変な事になると分かっていらっしゃったのです。でも、まさか自害なさるとは…大旦那様、申し訳ありませんでした!私が、私が報告していれば…」
「えっ?自害……シンシアが死んだ?何を言っているんだ?嘘だろう?シンシアが死ぬ筈ないじゃないか?ねぇシンシア、起きて!!シンシアァァァー!」
止めようとする母上を押し退けシンシアを揺り起こそうと身体に触れるとシンシアの身体は冷たくなっている。
「嘘だー嘘だろう?冗談だろう?シンシア目を開けてくれー!お願いだ!シンシア!!俺を置いていかないでくれー!!」
「やめろ!シンシアを裏切ったのはお前だろう?」
「みっともないよエドワード兄さん!シンシアを裏切ってすがり付くなんて。だったら浮気なんてしなきゃ良かったんだ!」
「………アリシアお前のせいだ!お前が俺を脅すからっ!!」
「脅す?アリシアお姉様そんな事をしたの?」
「………………だって…」
「だって何?」
「私はサイードに捨てられたのに、シンシアはエドワードと幸せにしてて、憎たらしかったのよ!エドワードは、私がザイル国に行く前まで好きだと言ってくれてたのに…」
「どういう事だ?ザイル国に行く前ってエドワードはシンシアと婚約していたよな?」
「2人が仲良くしているのにムカついてエドワードを誘ったらホイホイ付いてきたのよ!一生、心は君の物だとか言っちゃってさぁ。だから、私が帰ってきたらエドワードは私の所に戻って来ると思ったのに シンシアを愛しているから裏切れないとか言うじゃない。じゃあシンシアに昔の事をバラすわよ!と言ったのよ!」
「はぁー。だからエドワード兄さんじゃあシンシアは幸せにはなれない!とレオン兄さんに言ったんだ。あの時、レオン兄さんが勇気を出してくれていれば…」
「俺は本当にシンシアを愛していたんだ!」
「それなのに泊まりに行ったんだろう?」
「もう止めてくれと頼みに言ったんだ…シンシアには、昔の事を話して許して貰おうと思っていた。まさかシンシアが誤解をしていたなんて…俺が愛しているのは君だけだ!もっと早く決断していれば…どうか、どうか許してくれー」
「「「………」」」
「エドワードの言っている事は本当よ!この人、私が裸で誘惑しても『止めてくれ!シンシアを愛しているんだ!』と手を出さないのよ!こんな男こっちから願い下げよ!!」
バシーン!!
「アリシア貴女って子はっ!!」
「アリシアお前は修道院に行きなさい!!レイモンド、アリシアが申し訳ない。まさか、こんな馬鹿な事をするとは…」
「だから僕は何か問題を起こす前に修道院に入れた方が良いと言ったんだ…こんな奴の為にシンシアお姉様は…」
「すまないアルフレッド…」
「エドワード…お前は結婚してからは、シンシアを裏切っていないかもしれない。だが誤解を招くような事をしたのは事実だ。その為に、お前の大事な2つの命が亡くなった。
トレリス伯爵の爵位はサイモンに渡す事にする。
お前は、シンシアの喪に服し、その後はレオンの補佐として領地で暮らせ。王都には、戻らんで良い」
「…分かりました…お願いが有ります…シンシアの墓を領地に建てても宜しいですか?どうか、どうかお願いします…」
「「許そう」」
「ありがとうございます!」
その後、アリシアはこの国で1番厳しいとされる修道院に自ら志願し入った。
シンシアの事を懺悔し、ザイル国に居る我が子の幸せを祈り続けた。
エドワードは領地に引きこもりレオンの代わりに領民を支え尽くした。
執事も、マリーもエドワードの泣き崩れる姿から、自分達も誤解をしてシンシアを追い詰めてしまったと後悔しエドワードと共に領地に付いて来ていた。
「シンシアお嬢様、今日も良いお天気ですよ!」
そう話し掛け墓に花を添える。
「そろそろいらっしゃいますね。では私はこれで」
エドワードは、後妻を貰う事もせず仕事が終わるとシンシアと名前もない我が子の墓に寄り、今日あった事を話す。
そして最後に必ず
「シンシア愛しているよ!また、明日ね!」
と言って屋敷へと帰って行くのだった。
End
******************
最後まで読んで頂き ありがとうございました。
「なっ、聞いてないぞ!子供が出来たのか?!」
「エドワード黙れ!」
「とても…とても喜ばれ…直ぐに旦那様に知らせようとトレリス伯爵家に…そこでアリシア様と口付けをされている旦那様を見てしまったのです…」
エドワードとアリシアは、顔がどんどんと蒼白し震えている。
顔を真っ赤にして
「どういう事だエドワード!!お前と言う奴は!!」
「アリシア!お前は庭師を誑かしただけでなく義理の弟にまで!!」
「父上、ここで大声を出しては話が進みません」
「しかし…そ、そうだな。マリー続きを」
「はい。お嬢様は そのショックから よろめき階段を踏み外して…流産されてしまいました…」
「ああ何て事、私は知らずに孫の顔が見たいなどと…ごめんなさいシンシア」
「それでもお嬢様は旦那様の事を…うぅぅぅ」
「奥様は旦那様の事を心より愛しておりました。だから、最後まで信じたかったのだと…」
「何故お前は私に知らせなかった!?」
「奥様が言わないで欲しいと…。奥様は、大旦那様にバレてしまったら旦那様が大変な事になると分かっていらっしゃったのです。でも、まさか自害なさるとは…大旦那様、申し訳ありませんでした!私が、私が報告していれば…」
「えっ?自害……シンシアが死んだ?何を言っているんだ?嘘だろう?シンシアが死ぬ筈ないじゃないか?ねぇシンシア、起きて!!シンシアァァァー!」
止めようとする母上を押し退けシンシアを揺り起こそうと身体に触れるとシンシアの身体は冷たくなっている。
「嘘だー嘘だろう?冗談だろう?シンシア目を開けてくれー!お願いだ!シンシア!!俺を置いていかないでくれー!!」
「やめろ!シンシアを裏切ったのはお前だろう?」
「みっともないよエドワード兄さん!シンシアを裏切ってすがり付くなんて。だったら浮気なんてしなきゃ良かったんだ!」
「………アリシアお前のせいだ!お前が俺を脅すからっ!!」
「脅す?アリシアお姉様そんな事をしたの?」
「………………だって…」
「だって何?」
「私はサイードに捨てられたのに、シンシアはエドワードと幸せにしてて、憎たらしかったのよ!エドワードは、私がザイル国に行く前まで好きだと言ってくれてたのに…」
「どういう事だ?ザイル国に行く前ってエドワードはシンシアと婚約していたよな?」
「2人が仲良くしているのにムカついてエドワードを誘ったらホイホイ付いてきたのよ!一生、心は君の物だとか言っちゃってさぁ。だから、私が帰ってきたらエドワードは私の所に戻って来ると思ったのに シンシアを愛しているから裏切れないとか言うじゃない。じゃあシンシアに昔の事をバラすわよ!と言ったのよ!」
「はぁー。だからエドワード兄さんじゃあシンシアは幸せにはなれない!とレオン兄さんに言ったんだ。あの時、レオン兄さんが勇気を出してくれていれば…」
「俺は本当にシンシアを愛していたんだ!」
「それなのに泊まりに行ったんだろう?」
「もう止めてくれと頼みに言ったんだ…シンシアには、昔の事を話して許して貰おうと思っていた。まさかシンシアが誤解をしていたなんて…俺が愛しているのは君だけだ!もっと早く決断していれば…どうか、どうか許してくれー」
「「「………」」」
「エドワードの言っている事は本当よ!この人、私が裸で誘惑しても『止めてくれ!シンシアを愛しているんだ!』と手を出さないのよ!こんな男こっちから願い下げよ!!」
バシーン!!
「アリシア貴女って子はっ!!」
「アリシアお前は修道院に行きなさい!!レイモンド、アリシアが申し訳ない。まさか、こんな馬鹿な事をするとは…」
「だから僕は何か問題を起こす前に修道院に入れた方が良いと言ったんだ…こんな奴の為にシンシアお姉様は…」
「すまないアルフレッド…」
「エドワード…お前は結婚してからは、シンシアを裏切っていないかもしれない。だが誤解を招くような事をしたのは事実だ。その為に、お前の大事な2つの命が亡くなった。
トレリス伯爵の爵位はサイモンに渡す事にする。
お前は、シンシアの喪に服し、その後はレオンの補佐として領地で暮らせ。王都には、戻らんで良い」
「…分かりました…お願いが有ります…シンシアの墓を領地に建てても宜しいですか?どうか、どうかお願いします…」
「「許そう」」
「ありがとうございます!」
その後、アリシアはこの国で1番厳しいとされる修道院に自ら志願し入った。
シンシアの事を懺悔し、ザイル国に居る我が子の幸せを祈り続けた。
エドワードは領地に引きこもりレオンの代わりに領民を支え尽くした。
執事も、マリーもエドワードの泣き崩れる姿から、自分達も誤解をしてシンシアを追い詰めてしまったと後悔しエドワードと共に領地に付いて来ていた。
「シンシアお嬢様、今日も良いお天気ですよ!」
そう話し掛け墓に花を添える。
「そろそろいらっしゃいますね。では私はこれで」
エドワードは、後妻を貰う事もせず仕事が終わるとシンシアと名前もない我が子の墓に寄り、今日あった事を話す。
そして最後に必ず
「シンシア愛しているよ!また、明日ね!」
と言って屋敷へと帰って行くのだった。
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