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今回のお茶会は、子供達が参加するとあって、大庭園で行われる。
周りを見渡せば、第一王子と同世代のご令嬢が、当主と共に参加している様だ。
どうやらこれは、お茶会という名の第一王子カルラス殿下とのお見合いなのだ。
公爵家から伯爵家までのご令嬢方が、とても綺羅びやかに着飾って、第一王子カルラス殿下の登場を今か今かと待ちわびてソワソワしている。
ただのお茶会だと言われ、まさか第一王子カルラス殿下の婚約者を決めるお見合いだと聞いていなかったシュリアーナは、お父様を恨めしそうな目で睨む。
お見合いだと言えば、私が嫌がると思い言わなかったのだろう。
一家臣である我が家が王家主催のお茶会に欠席する事など出来る訳もない。
そのくらいは、私でも分かるよ、お父様。
「シュリ、黙っていたのは悪かった。だから、そんな顔をしない。可愛いシュリの顔が台無しだぞ。大丈夫だよ、いくらシュリが可愛くとも、うちでは王家に何のメリットもないからね。今日は、美味しいお茶とお菓子を楽しんで帰ろう!」
確かに侯爵とは名ばかりの我が家だ。
私が選ばれる事などないだろう。
宰相の開催の合図の後に、皆が一斉に立ち上がり礼を取る。
国王陛下、王妃殿下と本日の主役である第一王子カルラス殿下が登場された。
侯爵家とはいえ末席の我が家は、伯爵家の席に近いテーブル。
この位置からでは、第一王子であるカルラス殿下のお姿は見えないだろうと思いながら、国王陛下より礼を解かれ顔を上げた。
運が良い事に、人々の隙間から少しだけだが、カルラス殿下の顔が見えた。
その瞬間に、頭に痛みが走り、見た事もない世界の女の人の姿が脳裏に浮かび、物凄い量の情報が頭の中に流れ込んできた。
うっ!気持ち悪い。一体何が起きてるの?
彼女の名前は光川あかり。
異世界恋愛小説をこよなく愛し、小説を読む時は、主人公のヒロインを自分に置き換え、準主役であるヒーローに恋する16歳の女子高生。
運が悪い事に、登校中に青信号を渡っていて、居眠り運転をしていたトラックに轢かれた。
…そうか、私は、あの事故で、死んだんだ。
光川ひかりが最後に読んでいた小説の情報が流れ込んできた。
えぇー!ちょっと待ってよ!!
インデグラス国のカルラス王子!?それって、前に見える第一王子の名前よね?
…た、確かヒロインは子爵令嬢で名前はライラ・モーラン。
……それを虐めるカルラス王子の婚約者で悪役令嬢の名は、シュリアーナ・リレッセロ、つまり私の事だっ!!
周りを見渡せば、第一王子と同世代のご令嬢が、当主と共に参加している様だ。
どうやらこれは、お茶会という名の第一王子カルラス殿下とのお見合いなのだ。
公爵家から伯爵家までのご令嬢方が、とても綺羅びやかに着飾って、第一王子カルラス殿下の登場を今か今かと待ちわびてソワソワしている。
ただのお茶会だと言われ、まさか第一王子カルラス殿下の婚約者を決めるお見合いだと聞いていなかったシュリアーナは、お父様を恨めしそうな目で睨む。
お見合いだと言えば、私が嫌がると思い言わなかったのだろう。
一家臣である我が家が王家主催のお茶会に欠席する事など出来る訳もない。
そのくらいは、私でも分かるよ、お父様。
「シュリ、黙っていたのは悪かった。だから、そんな顔をしない。可愛いシュリの顔が台無しだぞ。大丈夫だよ、いくらシュリが可愛くとも、うちでは王家に何のメリットもないからね。今日は、美味しいお茶とお菓子を楽しんで帰ろう!」
確かに侯爵とは名ばかりの我が家だ。
私が選ばれる事などないだろう。
宰相の開催の合図の後に、皆が一斉に立ち上がり礼を取る。
国王陛下、王妃殿下と本日の主役である第一王子カルラス殿下が登場された。
侯爵家とはいえ末席の我が家は、伯爵家の席に近いテーブル。
この位置からでは、第一王子であるカルラス殿下のお姿は見えないだろうと思いながら、国王陛下より礼を解かれ顔を上げた。
運が良い事に、人々の隙間から少しだけだが、カルラス殿下の顔が見えた。
その瞬間に、頭に痛みが走り、見た事もない世界の女の人の姿が脳裏に浮かび、物凄い量の情報が頭の中に流れ込んできた。
うっ!気持ち悪い。一体何が起きてるの?
彼女の名前は光川あかり。
異世界恋愛小説をこよなく愛し、小説を読む時は、主人公のヒロインを自分に置き換え、準主役であるヒーローに恋する16歳の女子高生。
運が悪い事に、登校中に青信号を渡っていて、居眠り運転をしていたトラックに轢かれた。
…そうか、私は、あの事故で、死んだんだ。
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えぇー!ちょっと待ってよ!!
インデグラス国のカルラス王子!?それって、前に見える第一王子の名前よね?
…た、確かヒロインは子爵令嬢で名前はライラ・モーラン。
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