私の好きなお兄様

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長い眠りの中で、何故か何時も優しいお兄様が、私を冷たい目で見ている…。

「お兄様！」いくら呼んでも振り向いてはくれない…。

何故ですの？

「お兄様…お兄様ぁー！」

どんどん離れて行ってしまう…。

気が付けば私は1人暗闇の中。

「誰か、誰か助けてっ！！お兄様ぁー」



「リリアナ！リリアナ！！起きて！リリアナ！！」

はっ！

…あっ、此処は…？

「リリアナ！良かった。凄く魘されていたんだ！怖い夢でも見ていたのかい？」

「…お、お兄…様？」

「どうしたの？もしかして…俺が分からない？」

お兄様は、不安そうな顔をして私を見詰めています。

…此処は…何処？

私の目の前に居るのは、いつも冷たい態度で話しもしてくれなかったお兄様よね？

キョロキョロと周りを見回すとマリーが見えた。

マリーの姿にホッして、もう1度、今の現状を把握しようと頭をフル回転させるが思い出せない。

確か…お兄様の婚約者のスーザン様と話をして…

「っ！！！」

そうだ！あの時、スーザン様は私は家族とは他人だと言った…。

リリアナは、青ざめ狼狽え震えだした。

その姿にアルベルトは、驚きリリアナを抱き締めた。

「リリアナ、大丈夫だ！俺が付いている」

「…お、お兄様…」

「んっ？どうした？」

どうなっているのだろう？
あの冷たかったお兄様が、元の優しいお兄様に戻っている。