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「ミシェル・モーリス。私は…君との婚約を…は、破棄…する…。き、君は…私を…ひ、必要と…してくぅ…わぁぁーん…私は…君が…好きだった…のにぃー」
突然、青い顔をして訪ねて来たと思えば、泣きながらの婚約破棄。
泣きたいのは婚約破棄された私なんですけれど?
「シャルル様、少し落ち着いて下さい。マリ、シャルル様にお茶をお出しして。さぁシャルル様もソファにお座りになって下さい」
侍女のマリがお茶を淹れてくれるのを私達は黙って待っていた。
ソファに座ったシャルル様は下を向いたまま泣いている。
私は、そっとハンカチを差し出すとシャルル様は受け取り「ありがとう」と言って涙を拭いていた。
お茶一口飲み、落ち着いた様だ。
「それで突然の婚約破棄とはどういう事かお伺いしても宜しいですか?」
シャルル様は、ハンカチをギュと握りしめている。
私は黙ってシャルル様の言葉を待っている。
「…アルベルトに言われたんだ。君が私を馬鹿にしていたと…。侯爵家だから仕方なく婚約していると聞いた。伯爵家は、ミシェルが自分で経営するから、私はお飾りの夫で良いと…。確かに私はミシェルよりも成績は悪いかもしれない。三男で兄が継げば爵位も無い。それでも君と共に伯爵家を繁栄させて行こうと勉強もしてきたのに…君は私をお飾りの夫で良いと思っていたなんて…うぅ…。わ、私は…君が好きだったし…君も、好いてくれて…い、居ると思って…いたんだ…」
「わたくしもシャルル様をお慕いしております。ダンク伯爵家子息様が、何故その様な事をシャルル様に言ったのか分かりませんが、わたくしはシャルル様を馬鹿にしておりませんし、貴方が伯爵家の為に領地経営の勉強をしてくださっているのも存じております。結婚してからも共に伯爵家を繁栄し一緒に歩んで行ければと…」
「本当に?」
私が頷くと、シャルル様は、また眼に涙を溜めている。
アルベルト・ダンク…彼はダンク伯爵家の二男だったはず。
彼はシャルル様に嘘を告げて、何がしたいのだろう?
次の日、学園でアルベルトを捜し、シャルル様に会う前に嘘を付いた理由を問い詰める。
「うわぁー本当にシャルルは、君に婚約破棄すると言ったんだ!」
「シャルル様に嘘を言うなんて、貴方の目的は何ですの?」
「目的?目的なんて無いよ。ただ三男なのに伯爵家に婿養子に入り高位貴族で居れる事に腹が立っただけだよ。僕なんて子爵家だよ。ねぇミシェル嬢、僕は伯爵家のスペアとして当主の勉強も学んできてんだ。シャルルなんかより僕を選びなよ!」
この人は、シャルルの友人の振りをして、彼を馬鹿にしていたの?
シャルルに告げた言葉は、この人が思っていた事なのだろう。
「貴方、最低ですわね!侯爵家と伯爵家を敵に回して、まさか無事で済むと思っていないわよね!?私のシャルルを泣かせた事を償って貰うわ!!」
私はシャルル様に気が付かれない様に、お父様と侯爵に頼んで、ダンク伯爵からアルベルトを追い出して貰った。
平民となった彼は学園を去り、もうシャルル様を陥れ様とする者はいない。
シャルル様の泣き顔は、とても可愛いかったけれど、私以外が泣かせるのは許せないわ。
何も知らずに、今日も一緒に経営に付いて学ぶシャルル様。
貴方が私から離れるなんて絶対に許しませんよ!!
END
*****
最後まで読んで頂き ありがとうございます。
突然、青い顔をして訪ねて来たと思えば、泣きながらの婚約破棄。
泣きたいのは婚約破棄された私なんですけれど?
「シャルル様、少し落ち着いて下さい。マリ、シャルル様にお茶をお出しして。さぁシャルル様もソファにお座りになって下さい」
侍女のマリがお茶を淹れてくれるのを私達は黙って待っていた。
ソファに座ったシャルル様は下を向いたまま泣いている。
私は、そっとハンカチを差し出すとシャルル様は受け取り「ありがとう」と言って涙を拭いていた。
お茶一口飲み、落ち着いた様だ。
「それで突然の婚約破棄とはどういう事かお伺いしても宜しいですか?」
シャルル様は、ハンカチをギュと握りしめている。
私は黙ってシャルル様の言葉を待っている。
「…アルベルトに言われたんだ。君が私を馬鹿にしていたと…。侯爵家だから仕方なく婚約していると聞いた。伯爵家は、ミシェルが自分で経営するから、私はお飾りの夫で良いと…。確かに私はミシェルよりも成績は悪いかもしれない。三男で兄が継げば爵位も無い。それでも君と共に伯爵家を繁栄させて行こうと勉強もしてきたのに…君は私をお飾りの夫で良いと思っていたなんて…うぅ…。わ、私は…君が好きだったし…君も、好いてくれて…い、居ると思って…いたんだ…」
「わたくしもシャルル様をお慕いしております。ダンク伯爵家子息様が、何故その様な事をシャルル様に言ったのか分かりませんが、わたくしはシャルル様を馬鹿にしておりませんし、貴方が伯爵家の為に領地経営の勉強をしてくださっているのも存じております。結婚してからも共に伯爵家を繁栄し一緒に歩んで行ければと…」
「本当に?」
私が頷くと、シャルル様は、また眼に涙を溜めている。
アルベルト・ダンク…彼はダンク伯爵家の二男だったはず。
彼はシャルル様に嘘を告げて、何がしたいのだろう?
次の日、学園でアルベルトを捜し、シャルル様に会う前に嘘を付いた理由を問い詰める。
「うわぁー本当にシャルルは、君に婚約破棄すると言ったんだ!」
「シャルル様に嘘を言うなんて、貴方の目的は何ですの?」
「目的?目的なんて無いよ。ただ三男なのに伯爵家に婿養子に入り高位貴族で居れる事に腹が立っただけだよ。僕なんて子爵家だよ。ねぇミシェル嬢、僕は伯爵家のスペアとして当主の勉強も学んできてんだ。シャルルなんかより僕を選びなよ!」
この人は、シャルルの友人の振りをして、彼を馬鹿にしていたの?
シャルルに告げた言葉は、この人が思っていた事なのだろう。
「貴方、最低ですわね!侯爵家と伯爵家を敵に回して、まさか無事で済むと思っていないわよね!?私のシャルルを泣かせた事を償って貰うわ!!」
私はシャルル様に気が付かれない様に、お父様と侯爵に頼んで、ダンク伯爵からアルベルトを追い出して貰った。
平民となった彼は学園を去り、もうシャルル様を陥れ様とする者はいない。
シャルル様の泣き顔は、とても可愛いかったけれど、私以外が泣かせるのは許せないわ。
何も知らずに、今日も一緒に経営に付いて学ぶシャルル様。
貴方が私から離れるなんて絶対に許しませんよ!!
END
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