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第1章 民間伝承研究部編
転生少女と卒業試験0
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キナとの死闘から数ヶ月、回復術師さんに傷を治してもらったこともあって私は今日も元気に学園生活を謳歌しています!
「それじゃあ、いってきます!」
「おう、気をつけてな」
「道が凍ってるかもしれないわ。すb、転ばないように気をつけてね」
どうやらこの国も日本と同じような四季があるようで今は連日雪が降りしきっています。流石に伊達眼鏡が凍結したりはしませんが、やっぱり寒いのでマフラーに〈保温〉のスキルを付与しました。首元がポカポカしてると幸せです。
「お、リリィおはよう」
「おはようリリィちゃん。この前は手袋ありがとう。使いゆうきね」
「ワン!」
通学中にイデシメさんとカール君に会いました。以前は学校に着いてから顔を合わせることが多かったのですが、研修以来家の近くまで来てくれているようです。
ちなみに2人も寒そうにしていたのでイデシメさんには手袋を、カール君には耳当てを〈保温〉付きでプレゼントしました。コヨ君ですか?モフモフなので大丈夫らしいです(イデシメさん談)。
「なあリリィ、聞いてるか、卒業試験のこと」
おやおや、解説をしていたらカール君が真面目な話をしてきました。
「はい。確か現役の冒険者の方との対戦でしたよね?」
「相手はBからAランクながやって。こじゃんと強そうちや」
私たちの通うエウレアール冒険者学園は文字通り冒険者を育成するための機関です。勿論全員がなるわけでは無く、ここでの教育で得た知識は他の仕事でも十分活かせるものです。私たち庶民階級でも識字率が5割に達しているのは学園の影響のおかげでしょう。
さてそんな学園ですが、卒業認定を得るための試験があります。入学試験同様筆記と実技の2パターンから選べますが、冒険者になりたければ実技での突破はマストです。
「チームワークを見る目的もあって、団体での対戦が可能らしいぞ」
「うぅむ……チームワークですか」
「研修でゴブリン相手に圧勝したって言っても、とにかく武器や魔法を使いまくっただけだったしな」
ぐっ!あまり良くない思い出が蘇ってきます。
あれはリムノさん引率の研修での出来事。彼女のスキルで上位吸血鬼のキナが発見されると、私は後先考えずに突撃してしまったのです。
結果は惨敗。リムノさんが駆けつけてくれなければあのクエストでの唯一の死者になるところでした。
ゴブリンに食われたと思われた村人たちでさえ、全員何故か無傷で発見されたというのに。ちなみに治した人が誰かは覚えてませんでした。
「なあリリィ、またあの吸血鬼と戦った時のこと考えてねえか?」
「ぎく!」
「また暗い顔になっちょったで」
「え、ええと」
「私らぁはリリィちゃんが生きちょっただけでも嬉しいきね」
「イデシメさん……」
「アウ!」
「うわ!こ、コヨ君くすぐったいです!あはははは!」
コヨ君に顔面ペロペロされました。どさくさに紛れて首元のモフモフをモフモフできたので回復力は100倍です。
「あのなぁリリィ、俺たちはまだ足りないところがあるから学園で勉強してんだ。それが失敗ごときで落ち込むなんて、馬鹿みたいだろ?」
少し理屈っぽい慰め方も、カール君の照れ隠しのような無愛想な喋り方だと何故か頼もしくなります。
「そうですね。私たちはまだまだ伸びるんですから!」
「おう、その調子だぜ。ところで卒業試験なんだが、お前らはソロでいくか?それとも……」
おやおやカール君、随分な愚問をぶつけてきますね。
「もちろん!」
「決まっちゅう!」
「フフ、だよな!」
「アウ!」
雪に紛れて同じぐらい白い息が現れていました。理由は単純。これは私たちの心拍数の上昇、あまりに高い壁があるのに謎の待ち遠しさがあるからです。
私たちは友達ってだけじゃない。お互いを助け合える仲間です。この3人と1匹ならきっとできる。
だから私たちは
「「「一緒に勝つ!」」」
「それじゃあ、いってきます!」
「おう、気をつけてな」
「道が凍ってるかもしれないわ。すb、転ばないように気をつけてね」
どうやらこの国も日本と同じような四季があるようで今は連日雪が降りしきっています。流石に伊達眼鏡が凍結したりはしませんが、やっぱり寒いのでマフラーに〈保温〉のスキルを付与しました。首元がポカポカしてると幸せです。
「お、リリィおはよう」
「おはようリリィちゃん。この前は手袋ありがとう。使いゆうきね」
「ワン!」
通学中にイデシメさんとカール君に会いました。以前は学校に着いてから顔を合わせることが多かったのですが、研修以来家の近くまで来てくれているようです。
ちなみに2人も寒そうにしていたのでイデシメさんには手袋を、カール君には耳当てを〈保温〉付きでプレゼントしました。コヨ君ですか?モフモフなので大丈夫らしいです(イデシメさん談)。
「なあリリィ、聞いてるか、卒業試験のこと」
おやおや、解説をしていたらカール君が真面目な話をしてきました。
「はい。確か現役の冒険者の方との対戦でしたよね?」
「相手はBからAランクながやって。こじゃんと強そうちや」
私たちの通うエウレアール冒険者学園は文字通り冒険者を育成するための機関です。勿論全員がなるわけでは無く、ここでの教育で得た知識は他の仕事でも十分活かせるものです。私たち庶民階級でも識字率が5割に達しているのは学園の影響のおかげでしょう。
さてそんな学園ですが、卒業認定を得るための試験があります。入学試験同様筆記と実技の2パターンから選べますが、冒険者になりたければ実技での突破はマストです。
「チームワークを見る目的もあって、団体での対戦が可能らしいぞ」
「うぅむ……チームワークですか」
「研修でゴブリン相手に圧勝したって言っても、とにかく武器や魔法を使いまくっただけだったしな」
ぐっ!あまり良くない思い出が蘇ってきます。
あれはリムノさん引率の研修での出来事。彼女のスキルで上位吸血鬼のキナが発見されると、私は後先考えずに突撃してしまったのです。
結果は惨敗。リムノさんが駆けつけてくれなければあのクエストでの唯一の死者になるところでした。
ゴブリンに食われたと思われた村人たちでさえ、全員何故か無傷で発見されたというのに。ちなみに治した人が誰かは覚えてませんでした。
「なあリリィ、またあの吸血鬼と戦った時のこと考えてねえか?」
「ぎく!」
「また暗い顔になっちょったで」
「え、ええと」
「私らぁはリリィちゃんが生きちょっただけでも嬉しいきね」
「イデシメさん……」
「アウ!」
「うわ!こ、コヨ君くすぐったいです!あはははは!」
コヨ君に顔面ペロペロされました。どさくさに紛れて首元のモフモフをモフモフできたので回復力は100倍です。
「あのなぁリリィ、俺たちはまだ足りないところがあるから学園で勉強してんだ。それが失敗ごときで落ち込むなんて、馬鹿みたいだろ?」
少し理屈っぽい慰め方も、カール君の照れ隠しのような無愛想な喋り方だと何故か頼もしくなります。
「そうですね。私たちはまだまだ伸びるんですから!」
「おう、その調子だぜ。ところで卒業試験なんだが、お前らはソロでいくか?それとも……」
おやおやカール君、随分な愚問をぶつけてきますね。
「もちろん!」
「決まっちゅう!」
「フフ、だよな!」
「アウ!」
雪に紛れて同じぐらい白い息が現れていました。理由は単純。これは私たちの心拍数の上昇、あまりに高い壁があるのに謎の待ち遠しさがあるからです。
私たちは友達ってだけじゃない。お互いを助け合える仲間です。この3人と1匹ならきっとできる。
だから私たちは
「「「一緒に勝つ!」」」
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