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第1章 民間伝承研究部編
転生少女と卒業試験1
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ぶっちゃけ冒険者になるためだけなら学園に通う必要はありません。ギルドで普通に登録手続きをしてもらえます。
では何故わざわざ学費(国がかなりの分を負担してますが)を払ってまで学園に通うのか?答えは簡単。冒険者としての格が違うからです。
まず学園卒となると冒険者としてステータスがつきます。これは以前に父さんが教えてくれました。それに加え、6年間にわたってこの世界では高等教育に相当するものを受けられるというのは卒業後どのような進路に進んでも強みになります。
例えば冒険者になった場合、魔物の知識、クエスト先の地理環境や野営の方法などを予め知れているというのは大きいのです。
ただし知識というのは卒業認定とは関係ありません。それなのにみんながこの試験に躍起になるのは何故か。それは最初に挙げた理由に通ずるものがあります。そのうち分かるでしょう。
そして何故私がこんな話をしているか。まさに今日、この日が私たちの卒業試験だからです!
「リリィ、イデシメ、準備はいいか?」
「はい!」
「ばっちりやき!」
カール君がリーダーなこの感じ、いつの間にか当たり前になってますね。彼、意外と面倒見もいいんですよ?
「イデシメ、コヨの体調はどうだ?」
「うん、大丈夫。緊張してるだけ」
「クゥン……」
もしかして私たちのことも心配してくれてるのでしょうか。本当にお利口なフェンリルです。フェンリルです(2回目)。
「ああもうそんな弱気になんな。お前は魔法は使えねえけどそれ以外ではスキル大量生産人間の次に強いんだから」
「クゥ?」
「そうだよ、できるって。なんなら今リリィに〈鑑定〉してもらうか?絶対昔より強くなってるから」
カール君、いつの間にコヨ君と話せるように⁉︎このままではイデシメさんのポジションが……あ、銀髪方言糸使いなら簡単には失業しませんね。
「でも私もコヨのステータス気になるちや。リリィちゃん、ちょっと〈鑑定〉しちゃって」
おやおや、イデシメさんもそう言うなら。
「分かりました。〈鑑定〉」
伊達眼鏡に付与したスキルでコヨ君の現在のステータスを確認してみます。
コヨ(フェンリル)
状態:使役 (イデシメ) 成獣
スキル:筋力増強
身体能力を強化する。
望月之神獣
????????????
身体能力:S
魔力量:A
魔法:未取得
……………………ちょぉっと待ったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いやいやいや状態に「成獣」ってついて身体能力がAからSに変わってるのはまだ分かりますよ。そりゃコヨ君だって生き物なんだから成長ぐらいするでしょう。だがスキル〈望月之神獣〉ってのどういうことですかー!効果見れないんですけど?めっちゃ強そうな名前なんですけどぉ?
「おいリリィ、どうした?」
「リリィちゃん?」
「……イデシメさん、カール君」
恐る恐るコヨ君の変化を伝えました。
「〈望月之神獣〉か。聞いたことねえな」
「コヨ、そんな強そうなスキル持っちゅうがやったら何で言わんかったがぁ⁉︎」
「ワゥ?」
「まあ上位種の魔物だからな。これぐらいで驚くのも何かもしれねえ。それに強くなることはあっても弱体化するスキルではないだろう。よっぽど危なければイデシメが何とかしろ。そのための〈魔物主〉でもあるんだ」
「う、うん。分かった」
終始冷静なカール君のおかげで私たちも落ち着きを取り戻していきました。
「ほら、ボサッとしてたら遅刻するぞ」
「わ、待ってくださーい!」
「コヨ、行こ」
「バゥ!」
まだ寒さが支配する街の中を私たちは試験会場に向けて駆けて行きました。
試験会場の見た目は古代ローマのコロッセオをイメージしてもらうと分かりやすいですね。私たちと試験官の冒険者の方々との戦いを他の生徒や先生方、そして現役の冒険者の皆さんが見る形です。そう、現役の冒険者の皆さんが!
これこそ卒業試験が行われる最大の理由の1つ。めっちゃアピールになるんです。この試験でいい所を見せたら有名なパーティーからスカウトされる可能性もあります。前世で例えると、甲子園で活躍した球児がドラフトで指名されやすくなるようなものです。
「すごい人数ですね」
「学園の卒業試験は有名だからな。いい人材はいつの時代だって欲しいもんだよ」
「カール君何歳ながぁ?」
「るっせえ!」
私たちの番はまだなので客席でこんな風に軽口を交わしています。闘技場では他のクラスの方々のパーティーが戦っています。相手はBランクパーティーだとか。
「ぐはぁ!」
「やられた!」
状況が1秒で分かるセリフ!戦いに負けたとはいえ他のクラスの方も侮れません。
「なあリリィ、どうでもいいところを分析してねえか?」
「な、何故そんな風に⁉︎」
「そういう顔だった」
「ガーン!」
「あ、あの人らぁ合格したで」
「おお、すげえな」
まあ負けたからといって不合格とは限りませんからね。そんなことになったら合格のレヴェルが違いすぎちゃいます。
そんな風に私たちが試験の様子を見ていた時でした。彼女と再会したのは。
「あら~、リリィちゃん久しぶり!」
「り、リムノさん⁉︎」
では何故わざわざ学費(国がかなりの分を負担してますが)を払ってまで学園に通うのか?答えは簡単。冒険者としての格が違うからです。
まず学園卒となると冒険者としてステータスがつきます。これは以前に父さんが教えてくれました。それに加え、6年間にわたってこの世界では高等教育に相当するものを受けられるというのは卒業後どのような進路に進んでも強みになります。
例えば冒険者になった場合、魔物の知識、クエスト先の地理環境や野営の方法などを予め知れているというのは大きいのです。
ただし知識というのは卒業認定とは関係ありません。それなのにみんながこの試験に躍起になるのは何故か。それは最初に挙げた理由に通ずるものがあります。そのうち分かるでしょう。
そして何故私がこんな話をしているか。まさに今日、この日が私たちの卒業試験だからです!
「リリィ、イデシメ、準備はいいか?」
「はい!」
「ばっちりやき!」
カール君がリーダーなこの感じ、いつの間にか当たり前になってますね。彼、意外と面倒見もいいんですよ?
「イデシメ、コヨの体調はどうだ?」
「うん、大丈夫。緊張してるだけ」
「クゥン……」
もしかして私たちのことも心配してくれてるのでしょうか。本当にお利口なフェンリルです。フェンリルです(2回目)。
「ああもうそんな弱気になんな。お前は魔法は使えねえけどそれ以外ではスキル大量生産人間の次に強いんだから」
「クゥ?」
「そうだよ、できるって。なんなら今リリィに〈鑑定〉してもらうか?絶対昔より強くなってるから」
カール君、いつの間にコヨ君と話せるように⁉︎このままではイデシメさんのポジションが……あ、銀髪方言糸使いなら簡単には失業しませんね。
「でも私もコヨのステータス気になるちや。リリィちゃん、ちょっと〈鑑定〉しちゃって」
おやおや、イデシメさんもそう言うなら。
「分かりました。〈鑑定〉」
伊達眼鏡に付与したスキルでコヨ君の現在のステータスを確認してみます。
コヨ(フェンリル)
状態:使役 (イデシメ) 成獣
スキル:筋力増強
身体能力を強化する。
望月之神獣
????????????
身体能力:S
魔力量:A
魔法:未取得
……………………ちょぉっと待ったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いやいやいや状態に「成獣」ってついて身体能力がAからSに変わってるのはまだ分かりますよ。そりゃコヨ君だって生き物なんだから成長ぐらいするでしょう。だがスキル〈望月之神獣〉ってのどういうことですかー!効果見れないんですけど?めっちゃ強そうな名前なんですけどぉ?
「おいリリィ、どうした?」
「リリィちゃん?」
「……イデシメさん、カール君」
恐る恐るコヨ君の変化を伝えました。
「〈望月之神獣〉か。聞いたことねえな」
「コヨ、そんな強そうなスキル持っちゅうがやったら何で言わんかったがぁ⁉︎」
「ワゥ?」
「まあ上位種の魔物だからな。これぐらいで驚くのも何かもしれねえ。それに強くなることはあっても弱体化するスキルではないだろう。よっぽど危なければイデシメが何とかしろ。そのための〈魔物主〉でもあるんだ」
「う、うん。分かった」
終始冷静なカール君のおかげで私たちも落ち着きを取り戻していきました。
「ほら、ボサッとしてたら遅刻するぞ」
「わ、待ってくださーい!」
「コヨ、行こ」
「バゥ!」
まだ寒さが支配する街の中を私たちは試験会場に向けて駆けて行きました。
試験会場の見た目は古代ローマのコロッセオをイメージしてもらうと分かりやすいですね。私たちと試験官の冒険者の方々との戦いを他の生徒や先生方、そして現役の冒険者の皆さんが見る形です。そう、現役の冒険者の皆さんが!
これこそ卒業試験が行われる最大の理由の1つ。めっちゃアピールになるんです。この試験でいい所を見せたら有名なパーティーからスカウトされる可能性もあります。前世で例えると、甲子園で活躍した球児がドラフトで指名されやすくなるようなものです。
「すごい人数ですね」
「学園の卒業試験は有名だからな。いい人材はいつの時代だって欲しいもんだよ」
「カール君何歳ながぁ?」
「るっせえ!」
私たちの番はまだなので客席でこんな風に軽口を交わしています。闘技場では他のクラスの方々のパーティーが戦っています。相手はBランクパーティーだとか。
「ぐはぁ!」
「やられた!」
状況が1秒で分かるセリフ!戦いに負けたとはいえ他のクラスの方も侮れません。
「なあリリィ、どうでもいいところを分析してねえか?」
「な、何故そんな風に⁉︎」
「そういう顔だった」
「ガーン!」
「あ、あの人らぁ合格したで」
「おお、すげえな」
まあ負けたからといって不合格とは限りませんからね。そんなことになったら合格のレヴェルが違いすぎちゃいます。
そんな風に私たちが試験の様子を見ていた時でした。彼女と再会したのは。
「あら~、リリィちゃん久しぶり!」
「り、リムノさん⁉︎」
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