🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。

設楽理沙

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 子供はなく瑛士にとって家族といえば、元妻だけだった。

 それでも元妻ひとりだが会社に居ても外を歩いていても……家に帰っても
今までどこにいても心の中心には必ず元妻がいたのだ。

 俺の心はいつも春爛漫で、幸せだった。

 
 俺は幸せを──
いっぱいの幸せを眞奈から貰っていたのだなぁと離婚から3か月目頃に
改めて悟ったアホな男だった。

          ◇ ◇ ◇ ◇


 離婚から1年が過ぎてすぐの頃、俺は元妻の義従妹と量販店の
紳士売り場で偶然バッタリと遭遇してしまった。


 彼女とは……俺が眞奈と夫婦だった頃仲良くしていた。


 微妙な関係になってしまったが、ちゃんと俺に挨拶してくれたので
ほっとした。

 ご主人の洋服を見に、どうも1人で来ているようだった。



-

 

 何を話そうとか考えてのことではなく、俺は元妻と繋がりのある義従妹
だからその場を去りがたく、ついお茶に誘ってしまった。


        ◇ ◇ ◇ ◇


「久しぶりだね」



「はい、お義兄さんお元気でしたか?」


「何とかやってるけど、寂しいよ」
 つい、俺は本音をこぼしてしまった。


「……ですよね、って言いたいところだけど、それって本当かなぁ~?」


 俺は元義妹の加奈の台詞に驚いた。

 だってこんな嫌味を言うような子じゃなかったから。
 だとすると、どういう意味なんだろうって思った。


「ね、今のどういう意味なのかなぁ?
 ジョークか何かなのかい?」


「お義兄さん……」


「?」


「まず胸によぉ~く手を当てて自分の過去の行いを振り返ってみて!
 嘘は駄目ですよ。よぉ~く振り返ったら私の言葉に違和感は
感じないと思いますけど」



 確かに脛に傷持つ身だがまさか妻だって知らないことを元義従妹が?
ないない……それはないよなぁ~。

 いろいろ思いを巡らせていたら、元義従妹から爆弾発言が落とされた。




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