❖ 『愛をください』─ 叶わぬ想い ─

設楽理沙

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15 ▽正義のまほりの出会いから付き合い方など

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蒼馬正義が満島まほりと今のような付き合い方をするようになったのは
妻の由香にメールで気付かれ時から遡ること約7か月ほど前からだった。

それは部下の満島の仕事上のトラブルから始まる。
急なトラブルのミス対応のため、ふたりで残業をした日のこと。

「蒼馬さん、私のせいでこんな遅くまで突き合わせてしまい本当に申し訳
ありません」


何とか、事なきを得て帰宅する段になり、満島まほりが正義に気を遣い
そんな風に謝罪の言葉を口にした。

正義はどんなに遅くなってもいつも妻が食事の支度をしてくれるので
よほどのことがない限り、外食して帰るということはそれまではなかった。

だが、俯き唇を震わせ健気に謝罪の言葉を口にする満島のことが気の毒になり
気がつくとこう言っていた。
「お腹すいたろ?  何か食べて帰ろうか」

 「はい……」

この時の正義には、このことを切っ掛けに満島と親密になろうなどという
邪な気持ちは一切なかった。

仕事をフォローされたことがよほどうれしかったのか、思った以上に感謝されたよう
で食事を終えてからの帰りの電車の中、携帯が鳴った。

「蒼馬課長、今日は本当にありがとうございました。
ご迷惑おかけしたのに食事までごちそうになってしまい、申し訳ありません。
今後、迷惑をおかけしないよう頑張りたいと思います」


「仕事のことは気にしないでいいよ。
ミスなんて誰にでも有りうることだからね。
気をつけて帰りなさい。また明日……」

この日、正義は彼女のことを『律儀でいい子だな』と感じた。


だがそう思ったのはその一瞬だけに終わる。
一日の仕事を終えて疲れた身体を引きずりながら、正義の心はすでに、
愛妻の待つ我が家へと向かっていた。


しかしそんな正義に数日後、転機が訪れた。

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