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プロローグ
プロローグ~ 海の唄の物語 ~
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いつからか海沿いの町から広がる歌があった。
それはお伽話にもなっていた、名のない魔女の物語だった。
誰も確かめた事はなく、誰も聴いたことがないという物語。
それでもそれは、確かに語られた。
悲しい魔女の物語。
まあるい森の まあるい泉
知らずの森の 氷の泉
万年氷の魔女がいる
氷の中の 青の魔女
泉の魔女は いつ起きる
氷の中から 雫が落ちる
魔女の涙は 海になる
泉の水は 海になる
海に戻りし 魔女の魔法
眠りの魔法は夜の魔法
泉の魔女は 夜のモノ
眠りの魔女は 夜のモノ
さぁさぁ、帰りし
魔女の 声
誰かが言った。
その祈りのような唄は
月明かりの海岸に響き渡ると。
掟破りの物語、望んだ先はハッピーエンド。
誰が望んだ、この物語。
誰も望まずとも、演じてみせるは魔女の子ら。
『頼りにならない王子より、身近な魔女はいかが?』
いつだって物語を動かすのは魔女の役目。
さぁ、偽りのない願いを教えて頂戴?
いつだって嘘をつくのは人ばかり
人は真実を見誤る
それはお伽話にもなっていた、名のない魔女の物語だった。
誰も確かめた事はなく、誰も聴いたことがないという物語。
それでもそれは、確かに語られた。
悲しい魔女の物語。
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さぁさぁ、帰りし
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