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第1章
〈EpisodeⅣ. 始まり始まり〉
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Episode.Ⅲ 反射 ⅱ
御伽の国が交差した世界にある、一番大きな町の中心の学園。
周りを木々に囲まれた森の奥の、白い大きなお城のような校舎を正面からそして、こんなにも間近で見たのは初めてだった。
ここが今日から私が通う事になってしまった学園だ。
そう、
「一つききたいんですが、どういうつもりでこんな書き換えを?」
「どうせなら、仕返しもついでにして差し上げようかと思いまして。これなら、姫も見やすい、貴女の嫌がる顔も間近で見れるで一石二鳥でしょう?」
この悪びれない様子の、銀色の悪魔によって書き換えられた物語のために。
「ろくでも無いことしてくれて、どうもありがとうございます。」
「礼には及びませんわ、さぁそれでは姫の元へ参りましょうカルディナさん。」
名称はそれが何かを表す、だからこそ名のない魔女には時代ごとに異なるモノで呼ばれる。
その魔女が時代にとって何であったかを。
そんなものを名として使うことになるとは思いもしなかった。
「何度も書き換えるのも姫に不信がられてしまいますし、仕方ないか・・・。 名ありが何たるかを見極めに行きましょう、シルヴィアさん。」
ちょっとした嫌がらせを少々させて頂きはする。
「あら? 確かにそちらの方が溶けやすいですわね、折角ですし使わせて頂きますわ。」
名称にこだわりなどないこの魔女に、なんのダメージともならなかった。
物語に溶け込むに都合が良いのは、やはり名だからか名称よりは名らしいものを逆に喜ばれてしまった。
「姫は今どこにいるのか分かってるんだよね? こんな堂々と正門ルートなど通らず、通路で行けないの?」
「わかってはいますが、人に紛れて生活なんて久々ですし少しくらい楽しみが欲しいんですの。」
どうか姫を守る目的を見失いませんように、この魔女の楽しみほど恐ろしいものはない。
「任せるわ・・・書き換えてくれたのは貴女だし、目的の為を忘れさえしなければいいのよ。」
「さぁ学園生活とやらを充実させましょう!」
「馬鹿じゃないの?」
この魔女に任せた、私が。
御伽の国が交差した世界にある、一番大きな町の中心の学園。
周りを木々に囲まれた森の奥の、白い大きなお城のような校舎を正面からそして、こんなにも間近で見たのは初めてだった。
ここが今日から私が通う事になってしまった学園だ。
そう、
「一つききたいんですが、どういうつもりでこんな書き換えを?」
「どうせなら、仕返しもついでにして差し上げようかと思いまして。これなら、姫も見やすい、貴女の嫌がる顔も間近で見れるで一石二鳥でしょう?」
この悪びれない様子の、銀色の悪魔によって書き換えられた物語のために。
「ろくでも無いことしてくれて、どうもありがとうございます。」
「礼には及びませんわ、さぁそれでは姫の元へ参りましょうカルディナさん。」
名称はそれが何かを表す、だからこそ名のない魔女には時代ごとに異なるモノで呼ばれる。
その魔女が時代にとって何であったかを。
そんなものを名として使うことになるとは思いもしなかった。
「何度も書き換えるのも姫に不信がられてしまいますし、仕方ないか・・・。 名ありが何たるかを見極めに行きましょう、シルヴィアさん。」
ちょっとした嫌がらせを少々させて頂きはする。
「あら? 確かにそちらの方が溶けやすいですわね、折角ですし使わせて頂きますわ。」
名称にこだわりなどないこの魔女に、なんのダメージともならなかった。
物語に溶け込むに都合が良いのは、やはり名だからか名称よりは名らしいものを逆に喜ばれてしまった。
「姫は今どこにいるのか分かってるんだよね? こんな堂々と正門ルートなど通らず、通路で行けないの?」
「わかってはいますが、人に紛れて生活なんて久々ですし少しくらい楽しみが欲しいんですの。」
どうか姫を守る目的を見失いませんように、この魔女の楽しみほど恐ろしいものはない。
「任せるわ・・・書き換えてくれたのは貴女だし、目的の為を忘れさえしなければいいのよ。」
「さぁ学園生活とやらを充実させましょう!」
「馬鹿じゃないの?」
この魔女に任せた、私が。
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