異世界八険伝

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新たなる仲間たち

24.城塞都市チロル【挿絵】

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 夕闇が町を覆い始めた頃、ボクたちは冒険者ギルドのチロル支部を訪れていた。

 まず、ギルドカウンターで極悪行商人メロスの身柄を提供、盗賊討伐の報告を行う。その際、冒険者カードが大いに証拠として役立った。あまり知られてはいないが、カードにはレベル以外にも、生死判断や罪状把握機能まであるらしい。当該盗賊団は討伐依頼が出されていたらしく、賞金額は総額47500リル(4750万円)にもなった!

 次に、盗賊団に捕まっていた子どもたちの処遇を相談した。近隣の村は尽く全滅していて、アユナちゃんを除く3名は孤児となっていた。この子たちについては、ギルドが信頼できる孤児院を斡旋してくれることになった。

 アユナちゃんは、「リンネちゃん、これ読んで! 」と、ボクに1通の手紙を手渡してきた。
 手紙はアユナちゃんの両親がボクに宛てたもので、簡潔に言うと「アユナをよろしく」という内容。なにこれ、育児放棄ですか!?
 メルちゃんとも相談した結果、取り合えず冒険者登録をして様子を見ることにした。うーん、この小学生、迷宮に連れて行くのはどうなんだろう?

 ドロップアイテムや魔結晶、盗賊団の武器や宝も売却することになった。宝物のうち、持ち主に返還可能な物は、ギルドが買い取ってから持ち主に代金を請求するそうだ。買い取り総額は12500リル。

 賞金と買い取りの合計60000リル(6000万円)は、グスタフさん、アレルさん、メルちゃん、ボクの4人で等分することにした。1人15000リル。盗賊団討伐にグスタフさんは関わっていなかったため、彼は等分について猛烈に反対していたけど、ボクたちが居ない間も1人で馬車を警護していたのだから、当然の権利だよ。

 その後、グスタフさん、アレルさんと別れた。彼らはしばらくチロルで静養してから迷宮に挑むらしい。何かあればまた協力しあいましょうねということで。

 アレルさんは顔を真っ赤にして何か言いたげだったけど、グスタフさんが引き摺るようにして引っ張って連れて行った。



 ★☆★



 さて、アユナちゃんの冒険者登録だ!

 さすがに11歳で冒険者はちょっと心配だよね! まぁ、12歳のボクに言えることじゃないんだけど。ちなみに、この世界では10歳から冒険者登録が可能らしい。人材不足だからかな――。


「これが冒険者カード!? 」

 アユナちゃんが目をキラキラさせながらカードを頭上に掲げている。うわぁ、凄く可愛い。

 アユナちゃんは典型的なエルフっ娘だ。金髪サラサラの髪はまだ短く、長さはメルちゃんより短いくらい。馬車の中でたくさん食べさせたとは言え、長年の食生活のせいか、まだまだ身体の線が細い――それとも、これがエルフ体型なのかも?


↑アユナ(清水翔三様作)

「私、エルフを見るのは初めてです」

 と言いながら、メルちゃんは真顔でアユナちゃんをペタペタ触っている。耳や髪だけでなく、お腹や胸まで――もうべったり状態だ。この世界のエルフは、ほぼ人間界に出て来ないから貴重な萌え要員ではあるけどね。


 アユナちゃんに、ステータスを開示してもらった。

 あ、この子――魔力一辺倒だ。長寿と言うこともあるし、エルフが強いのも頷ける。それに才能が2もあるよ――両親が期待するのも分かる気がする。これなら装備で底上げすれば、迷宮に連れて行けるかな?

 ◆名前:アユナ
 年齢:11歳 性別:女性 レベル:2 職業:精霊魔法使い
 ◆ステータス
 攻撃:0.20
 魔力:17.30
 体力:0.65
 防御:0.25
 敏捷:1.85
 器用:2.10
 才能:2.00
 ◆先天スキル:精霊召喚/初級、光魔法/初級
 ◆後天スキル:風魔法/初級
 ◆称号:森に愛されし者

[森に愛されし者:精霊神の加護の1つ。森林の中では全てのステータスが2倍になる]


 ボクたちもステータスのチェックを行う。

 ボクはレベルが2つ上がって13に。ステータスは、攻撃と器用以外に満遍なく振り分ける。

 ◆名前:リンネ
 年齢:12歳 性別:女性 レベル:13 職業:見習い勇者
 ◆ステータス
 攻撃:5.35(+1.50)
 魔力:15.20(+3.00)
 体力:5.80
 防御:5.50(+4.80)
 敏捷:5.15
 器用:2.35
 才能:3.00(ステータスポイント0)


 メルちゃんはレベルが3つも上がっていた。攻撃の伸びが凄まじい。メイド服の防御0を補うためか、防御に全振りしたらしい。

 ◆名前:メル
 年齢:14歳 性別:女性 レベル:6 職業:メイド
 ◆ステータス
 攻撃:11.80(+4.50)
 魔力:9.50
 体力:7.05
 防御:8.35
 敏捷:8.25
 器用:6.90
 才能:2.00(ステータスポイント0)


 明日から北の大迷宮に籠るので、装備や魔法、食料、道具、情報も揃えなくっちゃ!
 と言うことで、ボクたちはギルド内の各お店を見て回り、メルちゃん先生指導のもと、こんなのを買いましたよ。


(リンネ用)

[ヒール/初級]
 12000リル。高いけど、歩くポーション目指します! 買ってすぐに習得しちゃいました!


(メル用)

[銀狼のコート:防御:2.80、特殊:敏捷+2.00]
 6500リル。フード付きで凄く可愛いコート。


(アユナ用)

[エルダートレントのスタッフ:攻撃:1.50 魔力:3.00]
 2500リル。ボクとお揃いがいいんだって。

[銀狼のローブ:防御:3.20 特殊:魔法防御+3.00]
 8500リル。華奢だから、とにかく防御を重視!


 防具も服も下着も、3人とも白系統で揃えました。ピュアなオーラに満ちています。こんな美少女3人組なら、どこに行ってもチヤホヤ対応確実だよね!!

 でも――食料や道具類を購入したら、所持金が800リル(80万円)になってしまった! かなりピンチです!

 ミルフェちゃんから何か連絡が入っていないか確認したところ、ギルド支部長さんに呼び出されちゃった――またこの流れか、迷宮に入るなと言われても入るからね?



 ★☆★



「ようこそチロルへ! 勇者リンネ様、お待ちしておりました! 私は冒険者ギルド、チロル支部長のメリンダと申します」

 2階の支部長室へ入るや否や、赤い髪の綺麗なお姉様が丁寧にお出迎えしてくれました。この人、胸が立派過ぎる! ボクたち3人分を足しても勝てそうにない! メロンを仕込んでるな? ダメだ、直視すると目に染みる!!

「初めまして、リンネです。ミルフェ王女から言われて明日から迷宮に入る予定です」
「初めまして。青の召喚者で、メルと申します」
「初めまして! アユナです! リンネちゃんの付き人です! 」

 付き人!?
 そういう認識なんだ――。

「あらあら、皆さん可愛いですね! 大変癒されますっ! 」

 メリンダさん、ほっこり笑顔で今にも抱きついてきそうな威圧感を感じる――。

「あ、いけませんいけません! まずは、盗賊討伐と人命救助ありがとうございます! 報告は伺っております。さっそくギルドランクを上げるよう手続きしました。リンネ様がB、メル様がC、アユナちゃんがEになります。ご確認下さいね!! 」

 ギルド登録してから10日も経たずにBランク冒険者になっちゃいましたよ。メルちゃんもFからCは凄く早い。まぁ、あれだけ倒したからね。何も倒していないアユナちゃんまでランクアップしてるのは謎なんだけど――。


「本題に入りますね」

 あれ……メリンダさんの顔付きが変わった。メルちゃんも気付いたようで、身体をビクッとさせてこっちを見てきた。アユナちゃんは終始ニコニコしている。なにこの天使なエルフっ娘。


「私は、貴女方の迷宮探索に反対だわ」

 またこのパターンですか!?

「どうしてですか! ギルドマスターは協力すると約束してくれましたよ!! 」

 ちょっと、カチンときて大声を上げてしまった。事情を知らないアユナちゃんが目を真ん丸にしてビックリしている。ごめんね。

「それはね、不可能だからよ」

 あっさりと、冷静に返された。

「実はね、結界がある最奥まで辿り着けたのは、歴代最強と謳われた勇者パーティしかいないのよ。勇者アルン、戦士ヴェルサス、魔法使いエリザベート、僧侶サーシャの4人。それも、もう30年以上も昔のこと」

 そうなのか。もう30年以上未踏の領域――ボクたちは勇者パーティに並べるのだろうか? さすがに厳しいよね。どうしよう? ミルフェちゃんの期待を裏切ってしまう。でも、諦めたくないよ。

「申し訳ないんだけど、貴女方のステータスは確認させてもらったわ。リンネ様、メル様は確かにお強い。Aランク――いや、条件次第ではSランク冒険者に匹敵するかもしれない。でも、2人だけでは無理よ、死んでしまうわ」

「あのぅ、私もいるんですが!? 」

「可愛いエルフさん。えっと、アユナちゃんだっけ? 正直に言うわ。今の貴女じゃ足手まといになる。遊びじゃないのよ? 世界の命運が懸かってるの。自重しなさいな」

「う……うぅぅ……うぇぇーん! 」

 あぁ、言っちゃった! アユナちゃんが泣いちゃった! けど、誰かが言わなきゃいけなかったんだ。仕方ない――。

「でも! ミルフェ王女から言われているし――自分の弱さを理由に、使命を諦めることはできません!! 」

「リンネちゃん! 私も、行きます! 」

 メルちゃん~! ありがとう! 心強いよ!!

「私が言っているのは、『今は』無理ということよ? 北の大迷宮は数ある迷宮の中でも最難関だと言われてる。しかも魔族の目撃証言もある。少なくとも、もう1人か2人の召喚者が居ないと――今の戦力だと、攻略に数年は掛かってしまいかねない」

「北の迷宮は後回しにすべきだと? 」

「メル様、その通りよ。先に大陸北方の島、ノースリンクへ向かうべきだと思うの。そこに赤の召喚石がある」

「そこは、遠いんですか? 」

「馬車で3日行った先に、竜神の角と呼ばれる2対の塔があるわ。塔は島との海峡を挟んで建てられてるの。塔の最上階にある転移石から島へ入るのが最短ルートね。順調なら10日後にはチロルに戻ってこられる、赤の召喚者を加えてね! その頃にはアユナちゃんも強くなってるはずよ」

 メリンダさんは、アユナちゃんに優しく微笑んでいる。アユナちゃんは、頬をプッくり膨らませてそっぽを向いているが、目が泳いでいる。自分がすべきことを考えてる顔だ。

「島へは船でいけないんですか? 」

「島への直行便は数年前から出ていないの。魔物と海流のせいで、
迂回しても3か月は掛かるわ」

「もし、ボクたちが頑張って強くなって――4人で挑めば、伝説の勇者パーティに並べますか? 迷宮を、攻略できますか? 」

「それは貴女方次第――としか言えないわ。でも、私は絶対に大丈夫だと信じてる! 」

 メリンダさんが、凄く真剣な眼差しで言い切ってくれた。信じてくれているのが伝わる。ボクもメリンダさんを、仲間たちみんなを、そして、自分自身を信じる!

 ボクは、メルちゃんとアユナちゃんの顔を見る。2人とも力強く頷いてくれた。よし、決めた。

「分かりました。明朝すぐに北へ、竜神の角へ向かいます」

「リンネ様、ありがとう。馬車や食事はこちらで手配しておくわ。今日はもう夜遅いから、ギルド内の来客室で寝てね。お風呂もベッドもあるわ」

「こちらこそ、お心遣いありがとうございます! では、失礼します」



 ★☆★



 ボクたちは今、メリンダさんのご厚意で、とても立派な部屋に居る。ここのベッド、凄くふっかふかだ! アユナちゃんがぴょんぴょん楽しそうに跳ねている。メルちゃんは、お風呂の準備を終え、食事の支度を始めたようだ。ボクは今のうちにアイテムボックス内を整理しておく。

 遅い晩ご飯を3人で美味しく食べ終わった後、3人仲良くお風呂に入った。アユナちゃんがメルちゃんの身体に大興奮だ。3つも歳上だからね。でも胸だけは一生勝てないと思う。身体をお互いに洗い合い、広い湯船に浸かって心身共に癒された!

 ボクがアユナちゃんとベッドでじゃれあってる間に、メルちゃんは装備や服を綺麗に洗ってくれた。ほんと凄いメイドさんだよ!

 そして、ボクを真ん中に挟んだ川の字のような感じで、手を繋ぎながら寝た。良い夢が見られますように――。
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