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無垢なるサイコパス メアリー・フローラ・ベル
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1968年5月5日、遊んでいた3人の少年が、空き家の2階に転がっている幼児の遺体を発見した。
驚いた少年たちは近くにいた大人に大急ぎで知らせた。
その後の調べで、遺体は近くに住むマーティン・ブラウン(3歳)のものであることが判明した。
遺体の口からは血が流れた跡があり、頬やアゴには大量の唾液が付着していた。首を締められた痕や目立った外傷はなく、そばにアスピリンの空瓶が落ちていたことから、警察は、マーティンが誤って大量の薬を服用した事故死と断定した。
これが一大センセーションを巻き起こす連続殺人事件の発端だとは気づかずに。
そして翌週の1968年5月11日、酒場近くの物置の中で、3歳の少年が頭から血を流しているところを近くに住む少女が通報したが、警察はすぐに幼児の転落事故として処理した。
1968年5月27日、『DAY NURSERY』という託児所内が荒らされた。
出勤してきた職員が警察に通報した。備品が壊され、掃除用具が床にぶちまけられるといった程度で、大した被害はなかったが、数々のおかしな落書きが残されていた。
「We did murder Martin brown Fuck of you Bastard」
(マーティン・ブラウンを殺した犯人はここだよ このうすらバカ)
警察はこれらをたちの悪いイタズラとして処理した。
これらの事件に因果関係を感じなかったためであった。
およそ二か月後の1968年7月31日 ブライアン・ハウ(3歳)が殺害された。遺体は廃屋で雑草をかけられた状態で発見された。
つい先ごろ幼児の死が会ったので、ブライアンの姉パットが心配していると、二人の少女がニヤニヤと笑いながら近づいてくるとこう言った。
「ブライアンはあそこのコンクリートブロックにいるかもしれないわ」
「あの子はあそこでは絶対に遊ばないわ」
パットには確信があった。しかし結果的にブライアンの死体はそのコンクリートブロックの隙間から発見された。
死因は手で首を絞められたと見られる窒息死であった。遺体の太ももと性器には損傷が見られた。
そばには凶器と見られる折れたハサミが落ちていた。ブライアンの髪の一部はと切り取られており、頭部には鈍器のようなもので殴られた痕跡があった。
そして首の圧痕はとても薄く、子供の手によって絞殺されたのではないかという疑いが浮上した。
捜査を担当したドブスン警部は、二か月前のマーティン・ブラウンの事件を思い出す。もしかしてあの事件も、子供の弱い力で首を絞められたものではなかったのか?
さっそく警察は地域住民約1000軒を訪ね、そこにいた3歳から15歳までの子供にアンケート用紙を配布する。
分析の結果、非常に怪しい人物がピックアップされた。もちろんブライアンの死体発見現場を指摘した二人の少女、メアリー・ベルとノーマ・ベルであった。
8月2日、警察がメアリーを改めて尋問すると、彼女は思い出したことがあると云い出した。ブライアンが殺された日の午後、体中に草や紫の花をいっぱいつけた少年が「片方の刃が折れるか曲がるかしたハサミ」で遊んでいた。彼はそのハサミで猫の尻尾を切ろうとしていたというのである。
実は現場に残されていたハサミについては一般に公表されていなかった。警察はメアリーの証言を重く見て、早速該当する少年を尋問したが、彼には確固たるアリバイがあった。そこでメアリーが捜査線上に浮上した。彼女ははっきりと凶器のハサミの存在を知っていたのだから。
捜査の途上、恐るべき情報が次々と明らかになっていく。
なんとメアリーは、死んだマーティンの家を指さし、「私があの家のマーティンを殺したの!」と近所の子供たちに打ち明けていた。それでも犯行を疑われなかったのは、メアリーが有名な嘘つきであるせいであった。
またメアリーはマーティンの葬儀に際し、「マーティンに会わせて」といい、「マーティンは死んだのよ」と返されると「知ってるわ。私は棺の中に入っている彼に会いたいの」と答えたという。
そしてついに8月7日午後4時30分、11歳の殺人者は逮捕された。
勾留後メアリーは饒舌に犯行の経緯を語った。
取り調べに付き添った看護婦は、メアリーが大人のように多彩な語彙で犯行を語ったとし、さらにそこにいかなる反省や後悔の情も含まれていなかったと語る。
その後裁判が開始されると、傍聴席にいた女性がメアリーに微笑みかけたことがあった。しかし、彼女は微笑み返さなかった。なぜかと問うと「だって、もし笑ったりしたら、陪審はいい印象を受けないと思うわ」
これがメアリーの云い分だった。とても11歳とは思えない利発さである。しかし、聞かれてそう答えてしまうあたりが正常な人間と明らかにずれていた。
裁判の期間中も彼女は様々な言葉を残す
「私が裁判官だったら、こんな小さい少女は1年半ほど閉じこめておくわ」
「殺人はそんなに悪いことじゃないでしょう? だって人はいつか死ぬんですもの」
結局判決は12月17日に下された。大方の予想の通り、ノーマには無罪、メアリーには2件の殺人で有罪が下された。メアリーの数々の言動から察するに、彼女に真に必要なのは精神的な治療であったが、メアリーを受け入れてくれる精神病院はついに見つからず通常の矯正施設に送られることとなった。
1980年5月、22歳になったメアリーは仮釈放された。
1984年には娘を出産、その後「魂の叫び」という自伝を出版し多額の印税を手に入れた。
個人情報保護に守られ2011年までその生存が確認されているが、その後メアリーがどうなったかは管理人も知らない。
もし情報があればぜひ管理人までお知らせいただきたい。
驚いた少年たちは近くにいた大人に大急ぎで知らせた。
その後の調べで、遺体は近くに住むマーティン・ブラウン(3歳)のものであることが判明した。
遺体の口からは血が流れた跡があり、頬やアゴには大量の唾液が付着していた。首を締められた痕や目立った外傷はなく、そばにアスピリンの空瓶が落ちていたことから、警察は、マーティンが誤って大量の薬を服用した事故死と断定した。
これが一大センセーションを巻き起こす連続殺人事件の発端だとは気づかずに。
そして翌週の1968年5月11日、酒場近くの物置の中で、3歳の少年が頭から血を流しているところを近くに住む少女が通報したが、警察はすぐに幼児の転落事故として処理した。
1968年5月27日、『DAY NURSERY』という託児所内が荒らされた。
出勤してきた職員が警察に通報した。備品が壊され、掃除用具が床にぶちまけられるといった程度で、大した被害はなかったが、数々のおかしな落書きが残されていた。
「We did murder Martin brown Fuck of you Bastard」
(マーティン・ブラウンを殺した犯人はここだよ このうすらバカ)
警察はこれらをたちの悪いイタズラとして処理した。
これらの事件に因果関係を感じなかったためであった。
およそ二か月後の1968年7月31日 ブライアン・ハウ(3歳)が殺害された。遺体は廃屋で雑草をかけられた状態で発見された。
つい先ごろ幼児の死が会ったので、ブライアンの姉パットが心配していると、二人の少女がニヤニヤと笑いながら近づいてくるとこう言った。
「ブライアンはあそこのコンクリートブロックにいるかもしれないわ」
「あの子はあそこでは絶対に遊ばないわ」
パットには確信があった。しかし結果的にブライアンの死体はそのコンクリートブロックの隙間から発見された。
死因は手で首を絞められたと見られる窒息死であった。遺体の太ももと性器には損傷が見られた。
そばには凶器と見られる折れたハサミが落ちていた。ブライアンの髪の一部はと切り取られており、頭部には鈍器のようなもので殴られた痕跡があった。
そして首の圧痕はとても薄く、子供の手によって絞殺されたのではないかという疑いが浮上した。
捜査を担当したドブスン警部は、二か月前のマーティン・ブラウンの事件を思い出す。もしかしてあの事件も、子供の弱い力で首を絞められたものではなかったのか?
さっそく警察は地域住民約1000軒を訪ね、そこにいた3歳から15歳までの子供にアンケート用紙を配布する。
分析の結果、非常に怪しい人物がピックアップされた。もちろんブライアンの死体発見現場を指摘した二人の少女、メアリー・ベルとノーマ・ベルであった。
8月2日、警察がメアリーを改めて尋問すると、彼女は思い出したことがあると云い出した。ブライアンが殺された日の午後、体中に草や紫の花をいっぱいつけた少年が「片方の刃が折れるか曲がるかしたハサミ」で遊んでいた。彼はそのハサミで猫の尻尾を切ろうとしていたというのである。
実は現場に残されていたハサミについては一般に公表されていなかった。警察はメアリーの証言を重く見て、早速該当する少年を尋問したが、彼には確固たるアリバイがあった。そこでメアリーが捜査線上に浮上した。彼女ははっきりと凶器のハサミの存在を知っていたのだから。
捜査の途上、恐るべき情報が次々と明らかになっていく。
なんとメアリーは、死んだマーティンの家を指さし、「私があの家のマーティンを殺したの!」と近所の子供たちに打ち明けていた。それでも犯行を疑われなかったのは、メアリーが有名な嘘つきであるせいであった。
またメアリーはマーティンの葬儀に際し、「マーティンに会わせて」といい、「マーティンは死んだのよ」と返されると「知ってるわ。私は棺の中に入っている彼に会いたいの」と答えたという。
そしてついに8月7日午後4時30分、11歳の殺人者は逮捕された。
勾留後メアリーは饒舌に犯行の経緯を語った。
取り調べに付き添った看護婦は、メアリーが大人のように多彩な語彙で犯行を語ったとし、さらにそこにいかなる反省や後悔の情も含まれていなかったと語る。
その後裁判が開始されると、傍聴席にいた女性がメアリーに微笑みかけたことがあった。しかし、彼女は微笑み返さなかった。なぜかと問うと「だって、もし笑ったりしたら、陪審はいい印象を受けないと思うわ」
これがメアリーの云い分だった。とても11歳とは思えない利発さである。しかし、聞かれてそう答えてしまうあたりが正常な人間と明らかにずれていた。
裁判の期間中も彼女は様々な言葉を残す
「私が裁判官だったら、こんな小さい少女は1年半ほど閉じこめておくわ」
「殺人はそんなに悪いことじゃないでしょう? だって人はいつか死ぬんですもの」
結局判決は12月17日に下された。大方の予想の通り、ノーマには無罪、メアリーには2件の殺人で有罪が下された。メアリーの数々の言動から察するに、彼女に真に必要なのは精神的な治療であったが、メアリーを受け入れてくれる精神病院はついに見つからず通常の矯正施設に送られることとなった。
1980年5月、22歳になったメアリーは仮釈放された。
1984年には娘を出産、その後「魂の叫び」という自伝を出版し多額の印税を手に入れた。
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