恐怖体験や殺人事件都市伝説ほかの駄文

高見 梁川

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催眠術で人を殺した男ハリー・ヘイワード

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 最近ではMC(マインドコントロール)という小説のジャンルが成立するほど身近なものとなった催眠術だが、都市伝説はともかく催眠術での殺人事件など日本ではいまだに例がない。
 しかし19世紀のアメリカで、本当に催眠術による殺人として裁判で判決が出た事例があるのである。
 もし本当なら「くっ殺」も可能か? 可能なのか? お目目ぐるぐる~~



「弟が催眠術で人を殺そうとしています」
 ハリー・ヘイワドーの兄であるアドリー・ヘイワードから突然そんな相談された弁護士も当初は全く信じなかった。
 ところが1894年12月3日、ミネアポリスでキャサリン・キングが頭を撃たれて殺害されると信じざるを得なくなった。
 まさにアドリーの弟、ハリーが殺そうとしていると相談されていたのが彼女だったからだ。
 弁護士は直ちに検事に報告した。当初は半信半疑だった検事もやがて信じざるを得なくなる。
 キティには5000ドルの生命保険が2つもかけられていたからである。受取人はもちろん「ハリー・ヘイワード」だった。

 ハリー・ヘイワードは1865年イリノイ州マクーピン郡に生まれその後ミネソタへ移り住んだ。
 幼いころから洞察力に優れ、頭脳明晰で将来を期待されていたが、精神的に浮き沈みが激しく残酷な面も持ち合わせていたという。
 高校を卒業後、販売員として就職したハリーだが、すぐに働くのを辞めギャンブラーとして生活するようになった。
 もちろん勝つよりも負けが多く、資産家の父から譲られた不動産を売却してその金も底をつくと詐欺や通貨偽造を働いて資金を得た。
 その後キャサリン・キングと交際しヒモとなったハリーは、彼女から金を引き出せなくなると保険金殺人を思いついた。
 完全犯罪を目論んだ彼の手段が催眠術というわけである。

 ハリー・ヘイワードが催眠術を何処で学んだのかは判らない。
 兄アドリーを「傀儡」にして殺させようとしたが、彼は催眠術にはかからなかった。
 それが当たり前だと思うのだが、ハリーはそこで諦めなかった。
 仕方がないのでランクを落として、単細胞でアル中のクラウス・ブリクストに催眠術をかけた。

 「ハリーが私の目を見たとき、ノーということができなかった」とクラウスは後に証言する。
 不幸なことに催眠は成功してしまったのだ。
 そして、クラウスに殺させている間、ハリーは地元のオペラハウスで観劇してアリバイを作ったのである。
 まさに完全犯罪となったはずだが、先に書いたように催眠に失敗した兄に対する口止めを全く行っていなかったところがハリーのサイコパスたるゆえんではないだろうか。

 かくしてお縄になったハリーは割とあっさりすべてを自供し、絞首刑に処された。
 (最後まで容疑を否認したという説もある)
 処刑の際、目立ちたがりの彼は赤い服を来て処刑されることを望んだが、その願いは叶えられず、代わりに赤く塗られた処刑台で、赤い紐で吊るされたとの逸話が残っている。

 ケネディ大統領を暗殺したオズワルドはCIAに洗脳されていた、などという都市伝説もあるが実際に裁判で認定されたのは、管理人の知るかぎりこのハリー・ヘイワードの事件のみである。
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