消防士の義兄との秘密

熊次郎

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義兄と俺

カチャッ。
部屋のドアを開けるとゴリマッチョの男が布団の上で大の字で寝ている。
5歳年上の姉の旦那の大輔だ。

ポロシャツの上から分かるゴツい筋肉。褐色の肌色。太い眉と形のいい鼻、シャープなあごのラインは、寝てても男前だと分かる。
実年齢の31歳より若く見えるが大人の色気がある。
俺よりも少し背は低く173cmくらいだが、80kg後半はありそうだ。

大輔を初めて見たのは、俺が高校の時、姉に連れて行かれた大学野球の大会だった。
真っ黒に日に焼け、ガッチリ体型で目が釘付けになった。活躍する度に女性陣がキャーキャー言っている。カッコいいなと思っていたら姉が言った。
『翔、あの選手、私の彼氏。まだお母さんにも話してないけど、あんたにだけ教えてあげる。』
『あ、そ。』
その時俺はそっけなく答えたが、目は大輔をずっと追っていた気がする。

その後、姉と大輔が結婚すると聞いたが、大学から家を出た俺はあまり実家に帰らず、大輔と次に会ったのは結婚式当日だった。

結婚式で大輔の同僚達の余興が始まった。パンツ一丁で消防の制服を着たマッチョの男達がゾロゾロと出てきた。
女性達がキャーキャー言いながら見ている。
俺は筋肉を品定めするようにその男達を見ていた。

同僚達の小芝居が始まった。
『要救助者はっけん!!』
『大変です!早急に人工呼吸をしないと危険な状態です。そこの呑気そうな色黒マッチョさん、お願いします!』

同僚達は、大輔を無理矢理上半身裸にして、新婦の姉に人工呼吸ならぬキスをするよう促した。
大輔が姉をお姫様抱っこしてキスをする。

『人工呼吸により新婦は意識を取り戻しました!』
『火事の炎は消せても、ふたりの愛の炎は一生消えません!』
皆が笑いながら2人の写真を撮っている。

俺は笑いながら大輔を撮っていた。
大輔の肉体は緊張からか汗ばみ、筋肉にテカりを見せていた。
パンパンに張った肩、谷間のある逞しい胸筋、割れた腹筋。額に汗をかきながら笑っている大輔はセクシーに見えた。

あれから6年間、いつかもっと話してみたいなとは思っていたが、大輔と話す機会はなかった。
しかし、久々に実家に帰ると大輔がリビングに1人座っていた。

白ポロシャツの袖からはち切れそうな腕を出し敬礼をして、大輔は笑いながら言った。
『よ!翔くん、久しぶり!お邪魔してます。』

『義兄(にい)さん、俺のこと、覚えてます?お久しぶりです。姉さんは?』
『あまり話せてないけど、美咲のイケメンな弟くんは忘れないよ。』

覚えてもらいて、俺は嬉しくなって聞いた。姉は子供達を連れ、両親と買い物に出かけたらしい。

『ぢゃ、帰ってくるまで飲みましょ!』
俺はビールの缶を開けて大輔に勧めた。
大輔は一瞬戸惑いの顔を見せたが、次の瞬間、笑顔で乾杯をした。

初めはお互い緊張したが、酒も手伝い、話すうちに2人は一気に距離が縮まった。
元々体育会出身の野球好き同士は1時間もすると数年来の先輩後輩のような関係になっていた。

姉が帰ると、開口一番に言った。
『大ちゃん、ダメじゃない飲んだら!夜勤明けであんまり寝てないんだから、飲んだらすぐ寝ちゃうでしょ!』

姉の言う通り、大輔は飯を食う前に寝落ちし、ピクリとも動かなくなった。
リビングと同じ階の俺の部屋になんとか運びこんだ。
姉は『起きたら叱っておいて』と一言残し、子供達と帰っていった。
そして、今、俺の前で大輔が寝ている、、、。
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