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147 私の喧嘩
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あれだけ陰口で喧嘩をふっかけておいて自分が無事で済むなんて思わないで欲しい。私は平民で孤児院育ちだから喧嘩のやり方も貴族と違う事を知ってもらわなければ困る。幸いにも子爵令嬢と組むのは同格の家の騎士。油断しなければ私も1発以上殴れるだろう。
「フィル子爵???相手は学生とはいえ男性で騎士ですよ???」
「えぇ。問題ありません。これでも人生経験だけは豊富ですから。」
騎士たるもの。の、ルールは適応されない。私は騎士の家でも無ければ騎士課程でもない。領主候補過程の平民出身の子爵だ。ならば私のルールが適応される。相手に参ったと言わせたらいい。武器は刃を潰した物。
先生達の忖度をしてもらい、一人vs騎士と後衛のペアでの戦闘訓練。ご令嬢達はぼんやり眺めている。応援しているだけだ。名を呼ばれて私は髪を結び直しながら前に出る。
「フィル子爵????」
「宜しく。」
「あら、結局おひとり???可哀想ですわね。」
「…」
魔導具を装備する。武器はナイフ。勿論刃を潰してある規定のものだが、本物同様の威力にするなんて簡単だ。さてと。彼女の護衛の騎士には悪いけれど…騎士として最低の評価を受けてもらう。
「はじめ!!!」
号令と共に魔導具を起動させて身体強化をする。ぐっと踏み込んで騎士を抜く。足が折れても筋肉を痛めても回復を同時に行う。騎士に向き合うのではなく後衛で片手扇をしているアンバース子爵令嬢に向かう。余裕ぶっこいているから抜いたことも気付いていない。
ふっ。
視界に入った頃には顔に激痛が走って気付いた時には地面に倒れているのだから。ドサッ。と、倒れ、後衛を抜いて私が立って殴る蹴るを行う。
「後衛が油断しているなら真っ先に潰すに決まっているでしょう?」
「痛っ…」
「フッ舐めてんじゃねぇよ。クソガキ様。」
ドスの低い声で耳元で囁き蹴り飛ばし場外に転がす。そして騎士課程の学生には唖然としている中関節技で締め上げつつ、股間の大事な所を潰す勢いで蹴りあげて悶絶させ、黙らせた。
あースッキリした。その一試合だけして私は勝ち抜き戦だったのを棄権した。後始末は先生方に押し付けた。ルールに抵触してないのだから学校が油断したそっちが悪いと言うしかない。というよりもやり過ぎた???確かに股間の蹴りあげはやり過ぎた気がしなくもなく…あの場にいたであろう騎士課程がとても礼儀正しい。気持ち悪いくらいに。
金蹴りは男との喧嘩では必須だろう…そう思いながらその日は気分よく学校生活を終えることが出来た。
報告義務はあるだろうけれど…
「…というわけで、後悔もないのですが、やってしまったかな?ということがありました。」
家でお茶を飲みながら報告すると真面目な顔で手を動かしていた。報告書でも作成しているのだろうか。覗き込むとずいっと見ないように押し退けられた。珍しいが返事もないのでゴロンと膝を借りて横になる。
「拗ねてるのですか?」
「拗ねてない。」
「私の仕事ですよ。ミカエラは関係ないだけです。仕事と私どっちが大事とか聞いてくれないのですか?」
「ユーリ様の仕事が第一なのだから聞く意味あります?」
最近凄く胸の奥というか、内臓でない部分が変だ。いつもベッタリしている人が少ししないだけで不思議な感じだ。認めたくない。個人的に売られた喧嘩を返したはずなんだけどな。クッションを傍に置かれて頭の位置を改める。親の愛情不足だからこういうのを求めてしまうのか…自分なりの仕返しをルールに則りしたのだから褒めて欲しいだけなのか…
こういうのも嫌だったはずなんだけどな。枕はこの高さになっている当たり確実にパーソナルスペースの外堀は埋められている…呪いが原因で1人にしか欲情しない。ならこの関係は呪いによる関係で歪なものだ。呪いが解けたらどうなるのだろう。本人は解けない。神殿お手上げと言っていたけれど…
「終わりましたよ。」
「お疲れ様です。」
うつ伏せになっていたので身体を起こす。顔を撫でられた。ゴツゴツした騎士の手だ。少しは評価してくれと言う方が良かったのだろうか。呪いが解けたらこんな面倒事とは別のものが起きるのだろう。解けなくても解けても面倒事には変わりない。新規面倒事受付するよりかは今の面倒事対応の方が楽なのか…左右で色の違う瞳に凝視されているが、熱を帯びているのもいつもの事で、私は鬱陶しいようになるべく目を合わせないようにする。そうしないと…ダメな気がするからだ。
「???拗ねてます???」
楽しそうに尋ねられたので雑に返答をする。癪に障る。というか、面白くない。
「拗ねてると見えるならまだまだですが・・・それでいいですよ。」
「きちんと意思疎通は必要ですから何でも言うものですよ。」
本人なりに納得したのかニコニコしている。楽しそうなのが解せぬ。
「言うほどの事じゃないですよ。やらかした後ですけど非難轟々になったら嫌だなぁくらいのことで…」
「貴方は騎士でもなければ魔導師でもない。領主候補過程としての後衛なら間違ってはいませんよ。何をしても領民を護るつもりで動いた。という姿勢なら城でふんぞり返って何もしない後衛より好感が持てますし。それで文句言われてもそう言えばいいですよ?領主候補として領民を何をしても守る姿勢を見せただけだと。」
参考意見で通じるかどうかだけれど…意見として聞いておこう。
「フィル子爵???相手は学生とはいえ男性で騎士ですよ???」
「えぇ。問題ありません。これでも人生経験だけは豊富ですから。」
騎士たるもの。の、ルールは適応されない。私は騎士の家でも無ければ騎士課程でもない。領主候補過程の平民出身の子爵だ。ならば私のルールが適応される。相手に参ったと言わせたらいい。武器は刃を潰した物。
先生達の忖度をしてもらい、一人vs騎士と後衛のペアでの戦闘訓練。ご令嬢達はぼんやり眺めている。応援しているだけだ。名を呼ばれて私は髪を結び直しながら前に出る。
「フィル子爵????」
「宜しく。」
「あら、結局おひとり???可哀想ですわね。」
「…」
魔導具を装備する。武器はナイフ。勿論刃を潰してある規定のものだが、本物同様の威力にするなんて簡単だ。さてと。彼女の護衛の騎士には悪いけれど…騎士として最低の評価を受けてもらう。
「はじめ!!!」
号令と共に魔導具を起動させて身体強化をする。ぐっと踏み込んで騎士を抜く。足が折れても筋肉を痛めても回復を同時に行う。騎士に向き合うのではなく後衛で片手扇をしているアンバース子爵令嬢に向かう。余裕ぶっこいているから抜いたことも気付いていない。
ふっ。
視界に入った頃には顔に激痛が走って気付いた時には地面に倒れているのだから。ドサッ。と、倒れ、後衛を抜いて私が立って殴る蹴るを行う。
「後衛が油断しているなら真っ先に潰すに決まっているでしょう?」
「痛っ…」
「フッ舐めてんじゃねぇよ。クソガキ様。」
ドスの低い声で耳元で囁き蹴り飛ばし場外に転がす。そして騎士課程の学生には唖然としている中関節技で締め上げつつ、股間の大事な所を潰す勢いで蹴りあげて悶絶させ、黙らせた。
あースッキリした。その一試合だけして私は勝ち抜き戦だったのを棄権した。後始末は先生方に押し付けた。ルールに抵触してないのだから学校が油断したそっちが悪いと言うしかない。というよりもやり過ぎた???確かに股間の蹴りあげはやり過ぎた気がしなくもなく…あの場にいたであろう騎士課程がとても礼儀正しい。気持ち悪いくらいに。
金蹴りは男との喧嘩では必須だろう…そう思いながらその日は気分よく学校生活を終えることが出来た。
報告義務はあるだろうけれど…
「…というわけで、後悔もないのですが、やってしまったかな?ということがありました。」
家でお茶を飲みながら報告すると真面目な顔で手を動かしていた。報告書でも作成しているのだろうか。覗き込むとずいっと見ないように押し退けられた。珍しいが返事もないのでゴロンと膝を借りて横になる。
「拗ねてるのですか?」
「拗ねてない。」
「私の仕事ですよ。ミカエラは関係ないだけです。仕事と私どっちが大事とか聞いてくれないのですか?」
「ユーリ様の仕事が第一なのだから聞く意味あります?」
最近凄く胸の奥というか、内臓でない部分が変だ。いつもベッタリしている人が少ししないだけで不思議な感じだ。認めたくない。個人的に売られた喧嘩を返したはずなんだけどな。クッションを傍に置かれて頭の位置を改める。親の愛情不足だからこういうのを求めてしまうのか…自分なりの仕返しをルールに則りしたのだから褒めて欲しいだけなのか…
こういうのも嫌だったはずなんだけどな。枕はこの高さになっている当たり確実にパーソナルスペースの外堀は埋められている…呪いが原因で1人にしか欲情しない。ならこの関係は呪いによる関係で歪なものだ。呪いが解けたらどうなるのだろう。本人は解けない。神殿お手上げと言っていたけれど…
「終わりましたよ。」
「お疲れ様です。」
うつ伏せになっていたので身体を起こす。顔を撫でられた。ゴツゴツした騎士の手だ。少しは評価してくれと言う方が良かったのだろうか。呪いが解けたらこんな面倒事とは別のものが起きるのだろう。解けなくても解けても面倒事には変わりない。新規面倒事受付するよりかは今の面倒事対応の方が楽なのか…左右で色の違う瞳に凝視されているが、熱を帯びているのもいつもの事で、私は鬱陶しいようになるべく目を合わせないようにする。そうしないと…ダメな気がするからだ。
「???拗ねてます???」
楽しそうに尋ねられたので雑に返答をする。癪に障る。というか、面白くない。
「拗ねてると見えるならまだまだですが・・・それでいいですよ。」
「きちんと意思疎通は必要ですから何でも言うものですよ。」
本人なりに納得したのかニコニコしている。楽しそうなのが解せぬ。
「言うほどの事じゃないですよ。やらかした後ですけど非難轟々になったら嫌だなぁくらいのことで…」
「貴方は騎士でもなければ魔導師でもない。領主候補過程としての後衛なら間違ってはいませんよ。何をしても領民を護るつもりで動いた。という姿勢なら城でふんぞり返って何もしない後衛より好感が持てますし。それで文句言われてもそう言えばいいですよ?領主候補として領民を何をしても守る姿勢を見せただけだと。」
参考意見で通じるかどうかだけれど…意見として聞いておこう。
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