【R-18】喪女ですが、魔王の息子×2の花嫁になるため異世界に召喚されました

indi子/金色魚々子

文字の大きさ
7 / 51
1 異世界トリップは突然に

1 異世界トリップは突然に ③

しおりを挟む
「この世界では、魔王の血が繋がっているのであれば王位継承者です。たとえそれがそこら辺の雑草でも」

「雑草でも……それはすごいですね」

「ええ。しかし、問題は、次期魔王の決め方です」

「そ、それで、私の体を使おうと……」

「そうですよ。ミサキ様、召喚された花嫁と先に子ども作った方が次の魔王。それが、魔王様が決めた今回のルールです」

「うわぁ……」

「まあ、ミサキ様はされるがままにしていたらいいのですよ」

「でも、私、そういうことしたことないですし……されるがままって言っても」

 体をあちこち触られて……未だかつて。自分でも他の男にも触れられたことのないトコロに、親しくもない男が踏み込んでくるのだ。怖くないわけがない。

「何かあったら、私にご相談くださいね」

「え?」

 この不毛な争いをやめ、穏便に元の世界に帰る手段をシャルロッテが知っているのかもしれない。ミサキが瞳を輝かせると、シャルロッテはにっこり笑う。

「殿方を悦ばせる手練手管に困ったら、いつでも私を頼ってください」

「……は?」

「私、そういうコト大好きなので。ベッドの中でのテクニックなら自信ありますよ。殿方を悦ばせることができたなら、すぐにお子は出来ますわ!」

「……ははは」

 ミサキが乾いた笑いをあげる。その虚しい気持ちを知ってか知らずか、シャルロッテは胸を張った。

「さて、ミサキ様……到着いたしましたよ」

 目の前に、大きな扉が現れる。それがゴゴゴ……と重たい音を立てながらゆっくりと開いていく。ミサキは一歩後ずさりをして、ぎゅっと唇を噛んだ。

「お待ちしておりました、ミサキ様」

 その扉の内側に、セルゲイが立っていた。初めて出会った召喚儀式のときと同じマントを着ていた。

 ミサキは大きく深呼吸して、室内に入っていく……だが、シャルロッテの脚はそこで止まったままだった。

「それでは、私はこれで失礼いたします」

「え? シャルロッテさん、もう行っちゃうんですか?」

「ええ、私が抱かれるわけじゃありませんから。それでは、ミサキ様、ごゆっくり」

シャルロッテはにっこり笑って、深々と環球を下げた。セルゲイはそれを尻目に、再びゆっくりドアを閉めてしまう。この世界に来てから、わずかだが気を許していた相手がいなくなり、言いようのない不安に駆られていた。

「ミサキ様、マントを」

「え? あ、あの」

 マントの下には、生地の薄く肌が透けて見えるネグリジェしか着ていない。その衣装を用意したのは、他でもないセルゲイだった。セルゲイは「仕方がない」と言わんばかりに大きくため息をついた。

「それなら、私は目をつぶってますから。マントを脱いだらあちらに」

 セルゲイが「あちら」と指した方向には……紅の厚いカーテンがかかった天蓋付きの大きなベッドがあった。

「セルゲイさん、あの、約束……」

「大丈夫です、反故には致しません。ミサキ様も、その代わり……」

「……がんばります」

 セルゲイが目をつぶったのを確認したミサキは、はらりとマントを脱ぎ落す。室温は少し肌寒いが、緊張のせいかミサキの体が熱い。一歩足を踏み出すたびに、体がぶるぶると震える。寒さではなく……恐怖のせいだ。

「……うわっ」

 あと数歩、というところでミサキの足がもつれ……体がふらっと傾く。危ない! とミサキは目をぎゅっと閉じた。

 しかし、固い石畳の衝撃はいつまで経っても襲ってこない。その代わり、誰かがミサキの体に触れる感触があった。

「あれ……?」

「こんなところで転ぶなんて、ずいぶん注意力散漫な女だ」

「え……」

 顔をあげると……あの爬虫類みたいな目がミサキを見下ろしていた。

「あの……あ、ありがとうございます」

「礼はいい」

「え、あ……きゃっ!」

 ドラゴンとのハーフの王子、アレクセイはミサキの肩を抱き膝の裏に腕を差し込む。そのまま、ひょいっと簡単に抱き上げた。お姫様抱っこだ。

「……ずいぶん軽いな」

「あ、あの、あの……」

 アレクセイはミサキを抱いたまま、カーテンの中に潜り込んだ。ミサキはぎゅっと目を閉じた。初めての相手はシャルロッテが話していた「優しい方」の王子ではなく、「強引な方」の王子だったようだ。覚悟だって大して固まっていないのに……今の自分にできること以上を求められたらどうしよう……とミサキは鬱々と考えていた。

 しかし、現実はミサキの想像をはるかに高い所を越えて行く

 キングサイズよりも大きなベッドの中心に、アレクセイはミサキをそっと置いた。恐る恐る目を開けると……枕もとにはもう一人の王子、ミハイルが姿勢を正して座っていた。

「ご機嫌いかがですか、私たちの花嫁さん」

「え……」

「緊張してますか?」

「そ、そうなんですけど、あの……!」

「突然のことで戸惑っているのでしょう? 申し訳ございません、こちらの都合で振り回してしまって」

 ミハイルは柔和な笑みを見せる。それを見たミサキも、つられてぎこちなく笑顔を作る。そんなやり取りを見たアレクセイは、大きくため息を吐いた。

「兄上、何を悠長なことを言っているのやら。俺たちの勝負が始まるというのに」

「だとしても、可愛そうじゃないですか? こんなに震えて……」

「そうですか。それなら、兄上はそこから指をくわえてただ見ていたらいい、背に腹をかえられないのは兄上も同じでしょう? この女に先に孕ませた方が次の王、その座を虎視眈々と狙っているのは周知であるのに、わざとらしく余裕ぶって」

「そういう訳ではありません。……このように緊張されていたら、スムーズに行為が進まない。彼女の緊張をほぐすのも、大切だと言いたいのです」

「あの!!」

 

 この世界に来てから、初めて声を荒げた。ミハイルとアレクセイは、目を丸くさせてミサキを見つめる。

「どうして、二人ともいるんですか!?」

「……どうして、と言われましても」

「こ、こういう事って、普通は一対一でするものじゃないんですか?! ど、どうして二人ともする気満々なんですか!」

「何馬鹿馬鹿しい事を」

「な……っ! 私だって、真剣に言ってるんです!」

 緊張のせいか、大きな声を出すといつも以上に体力を消耗してしまう。ミサキが肩を上下して呼吸をしていると、アレクセイは少しため息を吐いた。

「どうやら、セルゲイの説明不足のようだな」

「セルゲイから、どのような話を聞いていましたか? 花嫁」

「……セルゲイさんからは、この国のために子どもを作ったら元の世界に返してくれるって……」

「その話は、私たちも聞いていてすでに了承しております。しかし、花嫁との初夜については、何も聞いていないのでしょう?」

 初夜。

 その言葉に秘められた淫靡な香りに、ミサキは頬を染める。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

蝋梅
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

処理中です...