CRポーカー物語~最弱と言われたドクズが負けん気だけで世界の頂点に~

河島アドミ

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二章:プリフロップ(preflop)

第十二話『フィッシュではなくスリーセブン(前半)』5/5

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ディーラー「ひぃ……!」
ディーラー「清水さん! 清水さん助けてください!」
正明「ッハ」
呆れるほど小物だな。

助けを求めた相手はやはり入り口に座っている大柄の男。
ディーラー「あ、あの! こ、こいつ、その、えっと……あ。い、いきなり、その、……そのっ!」
想定外の事態に追い詰められた高木は大男の拳で沈んだ。
ディーラー「ぐぎ……ひぃ、ひい……!」
大男は自分が殴った相手など興味を示さず、こちらを見据えた。

清水「証拠がなくなったなあ」
正明「……あ?」

会話。駆け引きをする前に、テーブルに置いていた10渋沢。こいつのを含め20渋沢を素早く回収する。
清水「おい。何やってんだ。窃盗する気かてめえ」
正明「博打経営してるカスが何言ってんだカス。オレが勝った金だろうが」
清水「殺されてえのかクソガキ。優しく言っているうちに聞けよ」
正明「おいおいおいおい。オレの事舐めすぎだろ清水ちゃん」
正明「まずオレにごめんなさいだろ? てめえがするか、このガキにさせるか」
清水「裏来い」
正明「行くわけねーだろタラコ唇。IQ40しかねーのかてめえは」
正明「こっちはてめえが換金している映像持ってるんだぜ?」
恭介が無言で携帯を取り出すが、それでも冷ややかな視線は変わらない。

清水「はー……」
面倒くさいと、伝わる。
清水「それやったら家族全部死ぬってわかるか?」
正明「――くだらねえ脅ししてんじゃねーよ」
正明「てめえ如きじゃ駆け引きになんねーつってんだよ」
ふう、と一呼吸を入れてから。

清水「ヤンチャな悪ガキで済むのは……小学生までなんだよ!」
巨漢な身体に似つかわしくないスピードで拳が迫ったが、
恭介「フッ……」
清水「ぐっ――ッ!」
それが届くことはなかった。

恭介「絶望の空に虚構の水を――」
大男は地面に伏せられた。
清水「ぐぅ、く……なんだこいつ……!」
恭介「無駄だ。オレの魔力が底をつかん限りは禁縛の印から逃れられん」
翻訳すると関節技です。

正明「そうカッカすんなよ。弱いもんいじめみてーで心が痛いじゃんか」

△【イベントCG021・勝利の一服】(椅子に座って見下す正明)
勝利のタバコに火をつけると、ゆっくりと煙を吐く。
正明「清水さん、だっけ? ボクはアナタ方を揺すって脅してタカって、なーんて悪どい事も良心が痛むんでしませんよ」
正明「もちろん本当はそんな理由じゃなくて、反社会勢力がとっても怖いだけなんです」
清水「何がしてえんだガキ!」
正明「フハハ! オレをぶっ殺したくてたまんねえだろ――いいぜ。乗ってやるよ!」

正明「WENSCASINOはどこだ?」
清水「……あ?」

正明「てめえらみてーなカス共虐めてイキるつもりなんてねーんだよ。もうちょい大物がいるんだろ?」
正明「ラシェル・オンドリィを連れてこい」
高木「ヒッ……」
その名を聞いて高木は怯えた。そのリアクションを見たからこそ、
正明「繰り返す。ラシェル・オンドリィってヤツをぶっ殺してやるっつってんだよ――」
この空間は完全に支配した。

正明「要求を飲まねーならてめえら詐欺った動画を六道組に届けて終わりだ」
正明「飲めよ。クソカス共が」
清水「WENS行きてえなら行けばいいだろうが……あ、待て。てめえ何故六道組だと……! おい、お前ただのガキじゃねーな」
正明「どうでもいんだよオレの正体が云々とか。中二病はもう間に合ってんだよ」
恭介「何故オレに視線を?」


△【イベントCG021・勝利の一服】(正明の後ろからビールをかけるラシェル)
???「躾がなっていない。変わらずね」
???「歓迎するよ。いつでも。そんな回りくどいこと言わなくてもいいのに」
???「きてくれたんでしょ。食べられに」
???「お魚さんが」
正明「……おいおいおい」
いきなりビールをかけられ全身びしょ濡れになる。

頭が真っ白になる。
情報過多。脳みその限界を感じる。

今起こった事実、予想した答え、現れた人物。舐めらた屈辱。
まず漏れた言葉が、

正明「冗談だろ?」

振り返っていない。
独特な言い回しと、人を下に見る傲慢な声。
人物を特定するには十分だった。

正明「てめえみてえなクソガキがぶいぶい言ってんのか?」
???「勉強になるなあ。底辺の言葉がいっぱい聞ける」
???「ははは。スラングだよね。キミの存在が」
正明「一応――聞いといてやるよ」
震えが止まらないのは、寒さか憎悪か。

正明「このオレに喧嘩売ってんのは――ラシェル・オンドリィさんでいいのか?」
???「団地の子供さん。ボクは名乗っているよ。既にね」
???「シャークさんだよ。ボクの名前。わかったかい――」
???「お魚君」

ああ――こいつ――!

清水「ラシェルッ! てめえの客か!」
高木「ラ、ラシェルさん……」
男性1「ラシェルさん、うわ、これどういう状況……す、スリーセブン!」
男性2「ラシェルさんこいつスリーセブンの竹原です!」
ディーラー「え、え? さ、斉藤じゃ……」
清水「ああっ!? てめえ坂口さんの弟か!」
段々と収集がつかなくなってきた。

ラシェル「へえ。人気者じゃないか」
ラシェル「ねえ。暴力団。出せるよね。あれ」
ラシェル「借用書。頭悪そうだから、こいつ。いっぱい絞っちゃおうよ」
正明「よく覚えとけよクソガキ」
人を殺したいと、心の底から願った。

正明「オレは竹原正明。正しく明るいと書いて正明と読む」
どの道ぐっちー先輩の弟だとバレれば偽名の意味は消える。
正明「オレは――オレを煽るヤツを絶対に許さない」
ラシェル「だから。覚えてるって。名前」
ラシェル「お魚君」
正明「ヒヒヒ――」
――殺す!
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