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第一章 龍の料理人
第83話
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ノノに声が戻ったところで、私は厨房へと向かい早速今日作る料理の下拵えを始めることにした。
「さて……じゃあノノ、今日は魚を使った料理を作っていくぞ。作るのはお刺身って言ってこの魚を生のまま切り身にする料理と……この葉っぱみたいな魚を煮付けって料理にするからな。」
この葉っぱみたいな魚ってのはまさに日本で言うカレイみたいな魚のことだ。ボルドの魚屋にいっぱいあったからたくさん買ってきてしまった。
「はいです、お師しゃま!!」
「良い返事だ。じゃあ先ず水洗いって言う処理から始めていくから……そこで見ててくれ。」
私は一本刺身用の魚を手に取り手早く鱗と内蔵を取り除き頭を落とした。そして血合いを綺麗に洗い落としたそれをノノに見せた。
「これが水洗いっていう魚の下処理の流れだ。今はぱっぱと終わらせちゃったけど……次は何をしてるか解説しながらやって見せるぞ。先ずはこうやって、魚についている鱗をしっかりと落として……。」
一匹目とは違い、二匹目は何をどうしているのか……ノノに説明しながら私は水洗いをした。
そして二匹目の水洗いを終えた私はノノに問いかける。
「どうだった?一重に水洗いと言ってもやることが幾つかあっただろ?まぁ私が説明しながらやってもらうのが一番覚えるのが早いんだろうが……まだちょっと包丁を握らせるのは怖いからな。」
包丁の扱いをわからないのに包丁を持たせてしまったら、怪我のもとになってしまう。だから、包丁の扱い方をちゃんと教えてからノノには包丁を持たせてあげよう。
少し過保護かもしれないが……基礎がしっかりできていないと、本当に大変だからな。
「あぅ……わかりましたお師しゃま。」
まだ何もできないからと落ち込んでしまったのか、ノノは耳をペタンとさせ、尻尾をしゅん……と垂らしてしまった。
「まぁ、後でしっかりと包丁の事については教えてあげるから。今は見て覚えることに専念するんだ。今見たことを覚えていれば次……いざ包丁を持って魚に触れるとき自然と手が動くはずだからな。」
「……っ!わかりました!!」
耳と尻尾をピン……と立てながらノノは言った。
「その意気だ。それじゃ、残ってるのをどんどんやってくからな。しっかり見てるんだぞ?」
そして私はノノの前で次々と魚の水洗いを終わらせていく。魚によって鱗の落とし方が違うからそこもも見てくれているといいが……。
そんなことを思いながらノノの方にチラリと視線を向けてみると、私の手元をじっと眺め微動だにしていない。余計な心配だったかもな。
「これで良し。それじゃあ次に移るぞ。」
「はいっ!!」
「次は三枚おろしっていう工程だ。多分ノノがぶつかる一番最初の関門だな。」
三枚下ろしは基本中の基本ではあるが、料理を始めたばかりの人にとっては最初にぶち当たる大きな関門だろう。包丁を入れる角度を間違えると大きく身が削れてしまったり、力を入れすぎると、骨までも断ち切ってしまい身を傷つけてしまう。
「まぁ、まずは一回見ててくれ。」
私は一本の刺身用に買った魚をノノの前で三枚に下ろして見せた。すると、ノノは不思議そうにそれを眺めていた。
「お師しゃま!!これ……。」
「これが三枚下ろしだ。簡単に説明するとだな……。」
さらりとノノに三枚下ろしが、いったいどうなってこういう風になっているのかっていうことを説明したが……いまいちピンと来てないみたいだ。
「あう~……」
「ちょっと難しかったな。これは実際一回やってみないとわかんないこともあるし……まぁ今はどんな手順で三枚下ろしを進めるのかとか軽く理解してくれてればいいぞ?」
「わかりましたお師しゃま。」
三枚下ろしを練習させるときはこんなに大きな魚じゃなく、少し小さめの魚を買ってきた方がいいな。
その前にノノの包丁を打ってもらわないとな。魚を下ろすのは出刃包丁が一番やり易いから……ってかまず、この世界でこいつを打てる鍛冶師っているのか?後で探してみるとしよう。
そんなことを思いながら刺身用の魚をどんどん三枚に下ろしていく。
「よし、これで最後……。」
「あ!!お師しゃま!!ちょっと止めてくだしゃい!!」
最後の魚を下ろそうと包丁を当てたときだった。突然ノノが私に制止するように言ってきた。そして、ノノは本当に間近に近寄ってくる。
「ん?」
「あぅ……ごめんなしゃい。もう続けて大丈夫でしゅ。」
「あぁ、わかった。近くで見るのは構わないが……それ以上近付くと危ないから気を付けるんだぞ?」
「はい!!」
積極的に学ぼうとするノノの姿勢を見せられてしまったので、私もそれに答えるとしよう。こういう積極的な姿勢は大好きだ。
私はノノによく見えるように少し工夫しながら最後の一匹を三枚下ろしにする。
「……ふぅ。どうだった?」
「ちょっとだけ……ちょっとだけ、わかった気がしました!!」
「そうか、なら良かった。」
とても嬉しそうにしながらノノは答えた。どうやら今ので何かを掴めたらしい。
「さて、それじゃあこの下ろした身を刺身にしていくからな。」
骨と皮を取り、下ろした身を切りつけ皿に盛り付けていく。
「これで良し……ノノ、これをあそこの中に入れてきてくれるか?」
「わかりました!!」
切りつけ終えた刺し身をノノに冷蔵庫の中に入れてきてもらう。これで後は煮付けを作って……魚のアラでアラ汁を作って……。
「っと!!米を炊かないといけないな。えっと……たしかインベントリに土鍋があったはず。」
私はインベントリから土鍋を取り出す。炊飯器もあったが……この世界にはコンセントなんて無いからな使い物にならない。
「先ずは米をといで水を吸わせておくか。」
米をといだ後に水に浸けて吸水させてあげると、炊き上がりがより美味しく、ふっくらと炊き上がる。ただ、水を吸わせ過ぎると米が割れたりして炊き上がりが悪くなるから……加減が必要だ。
「10分位これで吸水させておこう。」
米をとぎ終えると、ノノが冷蔵庫から戻ってきた。
「お師しゃま!!入れてきました。」
「あぁ、ありがとう。後は特に……これと言って見所も無いから皆と一緒に座っててもいいぞ?」
「わかりました!!」
ノノは私に向かって一つ深くお辞儀をすると皆の元へと戻っていった。
味付けなんかは実際に食べてみた方が覚えが早いし……それに、魚を煮付ける方法だって後で教えれば良い。今はさっき見て感じたことを忘れないようにしてもらうことの方が大事だ。
さて……私が作る料理は、ノノにとって美味しいという味の基準になるものだからな。いつもよりも慎重に味をつけるとしようか。
「さて……じゃあノノ、今日は魚を使った料理を作っていくぞ。作るのはお刺身って言ってこの魚を生のまま切り身にする料理と……この葉っぱみたいな魚を煮付けって料理にするからな。」
この葉っぱみたいな魚ってのはまさに日本で言うカレイみたいな魚のことだ。ボルドの魚屋にいっぱいあったからたくさん買ってきてしまった。
「はいです、お師しゃま!!」
「良い返事だ。じゃあ先ず水洗いって言う処理から始めていくから……そこで見ててくれ。」
私は一本刺身用の魚を手に取り手早く鱗と内蔵を取り除き頭を落とした。そして血合いを綺麗に洗い落としたそれをノノに見せた。
「これが水洗いっていう魚の下処理の流れだ。今はぱっぱと終わらせちゃったけど……次は何をしてるか解説しながらやって見せるぞ。先ずはこうやって、魚についている鱗をしっかりと落として……。」
一匹目とは違い、二匹目は何をどうしているのか……ノノに説明しながら私は水洗いをした。
そして二匹目の水洗いを終えた私はノノに問いかける。
「どうだった?一重に水洗いと言ってもやることが幾つかあっただろ?まぁ私が説明しながらやってもらうのが一番覚えるのが早いんだろうが……まだちょっと包丁を握らせるのは怖いからな。」
包丁の扱いをわからないのに包丁を持たせてしまったら、怪我のもとになってしまう。だから、包丁の扱い方をちゃんと教えてからノノには包丁を持たせてあげよう。
少し過保護かもしれないが……基礎がしっかりできていないと、本当に大変だからな。
「あぅ……わかりましたお師しゃま。」
まだ何もできないからと落ち込んでしまったのか、ノノは耳をペタンとさせ、尻尾をしゅん……と垂らしてしまった。
「まぁ、後でしっかりと包丁の事については教えてあげるから。今は見て覚えることに専念するんだ。今見たことを覚えていれば次……いざ包丁を持って魚に触れるとき自然と手が動くはずだからな。」
「……っ!わかりました!!」
耳と尻尾をピン……と立てながらノノは言った。
「その意気だ。それじゃ、残ってるのをどんどんやってくからな。しっかり見てるんだぞ?」
そして私はノノの前で次々と魚の水洗いを終わらせていく。魚によって鱗の落とし方が違うからそこもも見てくれているといいが……。
そんなことを思いながらノノの方にチラリと視線を向けてみると、私の手元をじっと眺め微動だにしていない。余計な心配だったかもな。
「これで良し。それじゃあ次に移るぞ。」
「はいっ!!」
「次は三枚おろしっていう工程だ。多分ノノがぶつかる一番最初の関門だな。」
三枚下ろしは基本中の基本ではあるが、料理を始めたばかりの人にとっては最初にぶち当たる大きな関門だろう。包丁を入れる角度を間違えると大きく身が削れてしまったり、力を入れすぎると、骨までも断ち切ってしまい身を傷つけてしまう。
「まぁ、まずは一回見ててくれ。」
私は一本の刺身用に買った魚をノノの前で三枚に下ろして見せた。すると、ノノは不思議そうにそれを眺めていた。
「お師しゃま!!これ……。」
「これが三枚下ろしだ。簡単に説明するとだな……。」
さらりとノノに三枚下ろしが、いったいどうなってこういう風になっているのかっていうことを説明したが……いまいちピンと来てないみたいだ。
「あう~……」
「ちょっと難しかったな。これは実際一回やってみないとわかんないこともあるし……まぁ今はどんな手順で三枚下ろしを進めるのかとか軽く理解してくれてればいいぞ?」
「わかりましたお師しゃま。」
三枚下ろしを練習させるときはこんなに大きな魚じゃなく、少し小さめの魚を買ってきた方がいいな。
その前にノノの包丁を打ってもらわないとな。魚を下ろすのは出刃包丁が一番やり易いから……ってかまず、この世界でこいつを打てる鍛冶師っているのか?後で探してみるとしよう。
そんなことを思いながら刺身用の魚をどんどん三枚に下ろしていく。
「よし、これで最後……。」
「あ!!お師しゃま!!ちょっと止めてくだしゃい!!」
最後の魚を下ろそうと包丁を当てたときだった。突然ノノが私に制止するように言ってきた。そして、ノノは本当に間近に近寄ってくる。
「ん?」
「あぅ……ごめんなしゃい。もう続けて大丈夫でしゅ。」
「あぁ、わかった。近くで見るのは構わないが……それ以上近付くと危ないから気を付けるんだぞ?」
「はい!!」
積極的に学ぼうとするノノの姿勢を見せられてしまったので、私もそれに答えるとしよう。こういう積極的な姿勢は大好きだ。
私はノノによく見えるように少し工夫しながら最後の一匹を三枚下ろしにする。
「……ふぅ。どうだった?」
「ちょっとだけ……ちょっとだけ、わかった気がしました!!」
「そうか、なら良かった。」
とても嬉しそうにしながらノノは答えた。どうやら今ので何かを掴めたらしい。
「さて、それじゃあこの下ろした身を刺身にしていくからな。」
骨と皮を取り、下ろした身を切りつけ皿に盛り付けていく。
「これで良し……ノノ、これをあそこの中に入れてきてくれるか?」
「わかりました!!」
切りつけ終えた刺し身をノノに冷蔵庫の中に入れてきてもらう。これで後は煮付けを作って……魚のアラでアラ汁を作って……。
「っと!!米を炊かないといけないな。えっと……たしかインベントリに土鍋があったはず。」
私はインベントリから土鍋を取り出す。炊飯器もあったが……この世界にはコンセントなんて無いからな使い物にならない。
「先ずは米をといで水を吸わせておくか。」
米をといだ後に水に浸けて吸水させてあげると、炊き上がりがより美味しく、ふっくらと炊き上がる。ただ、水を吸わせ過ぎると米が割れたりして炊き上がりが悪くなるから……加減が必要だ。
「10分位これで吸水させておこう。」
米をとぎ終えると、ノノが冷蔵庫から戻ってきた。
「お師しゃま!!入れてきました。」
「あぁ、ありがとう。後は特に……これと言って見所も無いから皆と一緒に座っててもいいぞ?」
「わかりました!!」
ノノは私に向かって一つ深くお辞儀をすると皆の元へと戻っていった。
味付けなんかは実際に食べてみた方が覚えが早いし……それに、魚を煮付ける方法だって後で教えれば良い。今はさっき見て感じたことを忘れないようにしてもらうことの方が大事だ。
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