少年の脳を焼くリナさん

豚さん

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第2話 雨の日のリナさん

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雨の匂いが街を満たしていた。
歩道沿いのカフェの軒先に、少年は立ち止まり、忘れた傘を手に握りしめて雨宿りしていた。
濡れた髪が額に張り付き、制服の袖も湿っている。
冷たさと退屈が、心を少しだけ沈ませたその瞬間――

「あなた、傘忘れたの?」

アッシュブロンズの髪が雨に濡れ、少しだけ光を帯びる。
白いブラウスは直接雨に濡れて肌に沿い、光の加減でわずかに輪郭が浮かぶ。
膝丈のプリーツスカートも水滴を弾きながら少し重く揺れ、清楚さの中に柔らかさが滲む。
リボンタイは濡れた布に少し湿り気を帯び、透明感のある笑顔が少年の視線を絡め取った。

「大丈夫、入れてあげるわ」

リナは自分の傘を傾け、少年を優しく包み込む。
指先が肩に触れた瞬間、少年は息をのむ。
直接濡れた布越しに見える輪郭が、頭の奥をじんわり熱くさせた。

「ありがとう……」
「ふふ、雨に濡れるのは良くないわ」

彼女の声は雨音に混ざっても、少年の耳には透明に響く。

「Meine Kleidung ist durchsichtig, das ist mir peinlich.」
(服が透けていて、恥ずかしい)

リナは少し頬を赤らめ、傘の角度をそっと調整する。
少年とぎりぎりの距離で肩が触れ合うほどに傘は小さく、濡れたブラウスの布越しに浮かぶ柔らかな曲線が、少年の視線を逃さず絡め取った。

少年はふと、透けた布の向こうに淡く見える輪郭に気づく。
狭い傘の中で距離が近く、息づかいまで感じられる――胸の奥がぎゅっと熱くなる。意識せずにはいられなかった。

二人は沈黙のまま歩く。少年は振り返ることもできず、ただリナの存在の熱さに意識を奪われていた。

無意識に視線を逸らすが、頭の中はすでにリナの姿でいっぱいだ。
一歩を踏み出すことも、振り返ることもできず、胸の高鳴りを押さえながら立ち尽くす。

――雨はまだ止みそうにない。
けれど、少年の心の中の熱は、もう誰にも止められそうになかった。
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