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序夜、日数に含まず
確約させられた勝負事
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蝶子が九曜に対して何か動揺していた。
そこは少し可愛いと思った。
けれど、九曜が蝶子を誘導しているそれを俺も目にして、蝶子への仄かな気持ちは完全に霧散した。
それはもう、俺の心の中に怪獣が生まれて、そんな気持ちが芽生えたところをぺんぺん草が生えないくらいに光線で焼き尽くしちゃったくらいに。
「俺のちん……の写真を撮るなんて!」
パンツの裾をちょっと持ち上げて、パンツの中身の具を撮っていたなんて!
「お前は本気で裁判官なのかよ!お前に裁かれる人間が可哀想そうだ!」
今一番可哀想なのは俺だが。
言う事きかないとリベンジポルノされる!
ついでに、妹に赤外線で送るとは!拡散されてしまったじゃないか!
九曜は俺にそれはもういい笑顔を向けた。
「これで決まり。俺が休暇の三日以内に君は俺か蝶子を愛そうか?君がどちらかを選んだ時点でこの勝負は終わり。負けた者はこの画像を消す。」
俺はがっくりと頭を下げた。
「勝った方は画像を消してくれないんだ。」
「愛している人に全部見せたいだろ?愛している人の物は全部持っていたいしね。それに、君の意識変化もあると思うよ。」
「ねえよ、馬鹿!今すぐ消してくれなきゃどちらも愛さない。拡散したけりゃすればいい。俺は警察にお前らのリベンジポルノを訴える!」
「じゃあ、消したら約束してくれる?どちらかを選ぶと。」
「どちらも選ばないって、無いんだ。」
「あたしはさ、空くんを一目見た時から好きだよ。」
蝶子はこれ見よがしに俺にスマートフォンをかざし、俺の画像をその場で消してくれた。
確実に俺が選ぶのは蝶子だろう。
俺は彼女に君を選ぶと言い出しかけ、画像が消えて次の画像が画面に映り込んだ事で口を閉じた。
蝶子のベッドでしどけなく寝ている俺。
「お前らって兄妹なんだな。」
俺は取りあえず三日の猶予をくださいと言うしか無かった。
三日ギリギリまで引き延ばせば、この悪辣な兄妹から逃げ切れる気がするから。
そこは少し可愛いと思った。
けれど、九曜が蝶子を誘導しているそれを俺も目にして、蝶子への仄かな気持ちは完全に霧散した。
それはもう、俺の心の中に怪獣が生まれて、そんな気持ちが芽生えたところをぺんぺん草が生えないくらいに光線で焼き尽くしちゃったくらいに。
「俺のちん……の写真を撮るなんて!」
パンツの裾をちょっと持ち上げて、パンツの中身の具を撮っていたなんて!
「お前は本気で裁判官なのかよ!お前に裁かれる人間が可哀想そうだ!」
今一番可哀想なのは俺だが。
言う事きかないとリベンジポルノされる!
ついでに、妹に赤外線で送るとは!拡散されてしまったじゃないか!
九曜は俺にそれはもういい笑顔を向けた。
「これで決まり。俺が休暇の三日以内に君は俺か蝶子を愛そうか?君がどちらかを選んだ時点でこの勝負は終わり。負けた者はこの画像を消す。」
俺はがっくりと頭を下げた。
「勝った方は画像を消してくれないんだ。」
「愛している人に全部見せたいだろ?愛している人の物は全部持っていたいしね。それに、君の意識変化もあると思うよ。」
「ねえよ、馬鹿!今すぐ消してくれなきゃどちらも愛さない。拡散したけりゃすればいい。俺は警察にお前らのリベンジポルノを訴える!」
「じゃあ、消したら約束してくれる?どちらかを選ぶと。」
「どちらも選ばないって、無いんだ。」
「あたしはさ、空くんを一目見た時から好きだよ。」
蝶子はこれ見よがしに俺にスマートフォンをかざし、俺の画像をその場で消してくれた。
確実に俺が選ぶのは蝶子だろう。
俺は彼女に君を選ぶと言い出しかけ、画像が消えて次の画像が画面に映り込んだ事で口を閉じた。
蝶子のベッドでしどけなく寝ている俺。
「お前らって兄妹なんだな。」
俺は取りあえず三日の猶予をくださいと言うしか無かった。
三日ギリギリまで引き延ばせば、この悪辣な兄妹から逃げ切れる気がするから。
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