バグゲームからの異世界召喚

ザマァズキ

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2日目

第30話 朝食ステーキ

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 結局、檻の扉を開けるも
 盗賊が襲ってくるという事は無かった。

 完全に寝ていたので、
 そのまま縄で縛り王宮の牢屋へ移動させた。

 扉を開け、
 ライトで洞窟を照らしたまでは
 良かったが、
 それ以降何をしたらいいか解らない。
 
 手伝える事を探すシオンだが、
 盗品を見ても、
 何処に持っていくモノか解らない。
 
 結局、国王に相談し、
 他の者が持つのに苦労するであろう、
 獣入りの檻の角の柱を持つと
 まるで片手鞄の様に
 『ヒョイ』と持ち上げ、
 背に回し大広間に移動させていった。

 檻の移動も数分で終わり、
 することが無くなったシオンは、
 再び国王に指示振りをお願いするも、
 後は盗品の仕分け作業になるので、
 シオンが手伝える事は無いと言われる。

「昨日、告白し濃厚な口付けを交わした
 クロエ嬢と朝飯でも食って来い」

 とからかわれるも、

「それもそうだな。そうするわ」

 と普通に返答していった。

「昨日顔を赤めてたのは何だったんだか……」

 国王が呟くが、全くその通りである。
 あれは一体だったのやら。

 シオンが迎賓室に戻ると、
 クロエも眼を覚ましていたので、
 一緒に兵士宿舎の食堂へと向かう。

 向かう途中でムストラさんに会った。

「聞きましたぞ?
 竜種を一人で撃退してしまったとか。
 いやはや、人智を越えとりますのぅ」

 撃退出はなく、
 着いてきたいと言われ今は人型になって
 隣に居ると伝えると、

「シオン殿は冗談が下手じゃのぅ」

 ステータスを確認するよう促すと、
 腰をぬかしていた。

 ついでに、自身の嫁である事を言い。
 この後朝食後
 ファルに紹介する事を伝えた。

 ついでに、ココルにも話があるのだが、
 出来れば円滑に話を進めたい。
 その為の、
 看板金貨の鑑定をお願いすると
 
「そんなもん朝飯前じゃよ」

 と、そのままムストラ研究室に向かった。

 元は宮廷魔術師の研究室だったのだが、
 役職が増える毎に導具が増え手狭になる。

 別室を用意する話も出たが、
 移動が面倒という事もあり、
 隣室の壁に扉を設置し、
 拡張していった。

 先ずは検査する為に少量削り取り、
 試験管に容れていく。

 ここで、登場するのがムストラの発明品。

 金属判別薬~♪

 金属にこの薬液を注ぐと薬液が変色し、
 何の金属か即座に判別出来るという、
 優れもの。
 リトマス試験紙みたいなモノである。

 全国の魔術具店で絶賛販売中。

 結果は、金じゃ無かった。
 魔金まきんと呼ばれているモノで、
 金と同等の美しい輝きを保ちながら
 魔鉱の特性である、
 魔力を通しやすい性質を持っている。

 白金より貴重。
 そして、発掘率が低すぎる為、
 今まで貨幣には出来なかったと言う。

 価値は、安く見ても白金の10倍。

 このサイズとなると、
 価値が付けられないと言われた。

 その上で、
 ムストラは研究材料として
 売って欲しいと言って来た。

「いっぱいあるし、やるよ」

 流石にタダでは受けとれ無いと
 硬貨袋を手渡した。

 一度はやると言ったのだがら、
 受け取れないと思ったが、
 確かにこの世界のカネは
 持っていないので受け取った。

 後で確認したのだが、
 ムストラは先の薬液で
 カネに困ってはおらず、
 中の金額は1000万メタルあった。

 大金貨9枚、白金貨9枚、金貨10枚だ。

 常に、こんな額持ち歩いているのかと
 思ったが、研究室に置いてあるそうだ。

 なんたって王宮だしね。
 家に置くよりは安心できる。
 他は商業ギルドに預けてあるが、
 緊急時用に置いてあるのだ。

 ムストラに貰った硬貨袋は
 そのまま導具鞄にしまう。

 朝飯前の用事も済んだので、
 兵士宿舎の食堂へ向かった。

 厨房の担当が
 夜は確かおっちゃんだったのが、
 朝はおばちゃんになってた。

「おや?
 ムストラ様と……、見ない顔だね。
 新人かい?」

-兄貴国王の義弟つっても、
-証拠とかねぇしな。
-客でいいか。

「どっちかつーと客だな。
 朝飯はなんだい?」

「朝食はステーキとサラダ、
 ライスと卵スープだよ」

 そう言いながら、
 おばちゃんは隣の兵士用の朝食を
 カウンターに出した。

 ガーリック醤油の香りが食堂に広がる。

「食欲をそそる良き香りじゃ」

「そう言ってくれると嬉しいねぇ。
 今日は竜種撃退に出向する日って
 聞いてて精をつけて貰おうと、
 いい肉仕入れて来たんだけど、
 朝来たら解決したって話されてね。
 何もない日に朝からヘビーな食事を
 献立にしちまったと思ったが、
 代わりに盗賊団の根城が
 見つかったらしくてね。
 無駄にならずによかったよ。
 まぁ、駆り出されなかった兵士には
 ヘビーな食事に代わりは無いんだがねぇ」

 確かに、さっきの兵士は
 ため息をついている。

「肉は昼か夜に回せばよかろう?」

「そうなんだけどね。
 でも、この【フロストバイソン】の肉は
 足が速くてね。
 昼までには悪くなっちまう。
 勿体無いだろ?」

「【フロストバイソン】か……、
 おばちゃん、
 そりゃまた奮発したのぅ。
 だが、
 ワシにも朝からはちとキツイのぅ」

「どのくらいあるんだ?」

「竜種撃退のメンツが
 100人越えの予定だったからねぇ。
 余分に120食分仕入れたんだよ。
 朝、盗賊の根城に行くメンツが
 食べてったから、
 残り100食近くあるよ」

「結構な量だな……。
 まぁ、俺とクロエは
 そのステーキっての貰うよ」

「おや?
 嬢ちゃんもかい?」

「そうだな、某は二人前戴こう」

「に、二人前かい?」

「そうだな、
 俺もは二人前で頼む」

「アンタはイケるだろうが、
 嬢ちゃんは無理だろう?
 無理せず、一枚食べきったら
 もう1枚焼いてあげるよ」

「ぐぬぅ」

「ワシは……ワシも少し食べたいのぅ。
 半人前貰えるかのぅ?」

「構いませんよ」

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