書きの種(エッセイ日記)

佐藤遼空

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『強い』キャラは扱うのが難しい

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なんでか『ブラック・クローバー』を読み返してるのだが、この中で一番好きなキャラはアネゴレオン様こと、メレオレオナ姐さんだ! 自然の中で生き、政治の在り方に頓着せず、自身の強さをひたすら求める。およそ女性の色気とは遠い存在だが、この女性キャラが一番好きだ。アネゴレオン様、最高!

で、読み返してるうちに、アネゴ様が敵に単独でも強すぎる敵五人に囲まれ、一斉攻撃を喰らうもそれに最後の反撃をし、立ったまま気絶するというくだりまで来た。……残念だ! アネゴレオン様なら、1対5でも勝てるはず!

とか、一読者としては思うのだけど、本当に勝たせちゃうと明らかにアネゴ様が強くなりすぎるのは、書く側の計算としてはよく判る。だって、だったらアネゴ様がラスボスまで倒せばいいじゃん、という話になるからだ。

これの前の魔法帝がやられるくだりでもそうなのだが、『強い』と前評判のキャラを書くのは難しい。本当に強く書きすぎると、敵が弱くなる。敵が弱いと、主人公が活躍する必要がなくなって、出番がなくなるからだ。それでは、元も子もない。

『BLEACH』でも、上級の死神とか、なんか別次元の人とか総隊長とか、なんかそれに見合う称号があって『強い』と噂の人が何人もいたが、本当に強くて敵を倒してしまうと一護の出番がなくなってしまうので、そうもいかない。

かと言って、あれだけ前評判凄かったのに、出てきたらショボイ…ではがっかりだ。だから相当に強いんだけど、なんらかの理由で負けてしまった、という形がとられる。これが結構、難しい。『キャプテン翼』の若林くんなんて、「天才ゴールキーパー」だったから、普通の奴では点がとれない。だから若林を置いて置けば、まず負けない。……では、話にならない。

しょうがないので、怪我をして休んで、代わりに森崎が出ることになる。森崎だったら、点を取られても仕方ない。だって、若林くんじゃないし。みたいな。なににしろ、「強いけど負けた」理由にするか、「戦うことができない」理由を考える事になる。そう言えば、『ブラック・クローバー』のヤミ団長も、戦う事ができないシーンがあったな。それはともかとしても、アネゴレオン様が負けてしまったのが悔しい。
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