書きの種(エッセイ日記)

シリアルキラーの実際

兵庫県加古川小二殺害事件の犯人が自白を始めて話題になっている。この事件のニュースを聞いた時、「やはり、そういう心理なのか」と思ったことがある。それは犯人の勝田が、「小柄で好みの服装の女の子を狙った」と供述した事だ。

そもそもだが、何故、女の子を刺すのか？　犯罪的ではあるが普通の性欲の持ち主ならば、暴行してその口封じに殺す、というのなら理解の範疇だろう。しかしこのタイプの犯罪者は異なる。刺すことそれ自体が性行為なのであり、暴力行為が興奮の素材なのだ。

実際、勝田は「少女が苦しむ姿に興奮する」と言ってる他、０４年の少女殺害の後に、それを想い出して自慰にふけったと言っている。この殺害事件では少女の家に侵入し、首を絞めた上、胸や腹を刃物で刺している。が、発表を控えてる、というだけではなく、恐らくだが性器の挿入はしていない。

プロファイリング関係の本を読んでいると、こういう人間が『タイプ』として存在することに驚く。しかし実は、この事件を知るまでこういうシリアルキラーは欧米社会に固有現象で、日本の風土では生まれないかもしれない、と思っていたのだ。だが、違った。

驚いたのは、このタイプは自傷から始める、と書いてあったのだが、勝田もそうだったとあり、驚いた。つまり、まず自らを傷つけてみるのである。しかも入院するほどの怪我になるまで。この段階で普通の人には全く理解の外だ。

そして注意すべきことだが、勝田は０４年の事件の直後には逮捕されてない。０６年には少女が重傷を負う殺人未遂事件があったが、これでも逮捕されてない。そして自白した、０６年の少女殺害事件でも、直後には逮捕されてない。

０９年に少女の腹を蹴って逮捕され、また１５年に女子中学生の腹を刺して殺人未遂で逮捕され、懲役１０年の刑を受けている。この全く別事件の、被害者が生存していた事件がなかったら、犯人は逮捕されなかったかもしれないのだ。

事件が起きると知人、関係者などをまず警察は捜査するが、このタイプの犯人はその筋を追っても浮上しない。だからアメリカでプロファイリングが生まれたのだ。日本でもこういう犯罪が増えるかもしれない、と思うと恐ろしい。