書きの種 ’２５(エッセイ)

キャンプブームの結果

Ｂ－ＰＡＬと書いて想い出したが、キャンプが好きでよく行ってたのだ。ただし、ブームになる前。何がいいって、安あがりだったのだ。池があって景観はいいんだけど寂れたような感じのキャンプ場があって、そこにいくと凄く安く済んだ。宿泊でも１０００円だったか、２０００円だったか……。日帰りのデイキャンプなんか、３００円くらいだったように思う。

朝起きたらキャンプ道具を積んで、スーパーに買い物に行く。キャンプといえばＢＢＱ！　……なんて事はしない。別に昼間っから肉喰いたいわけじゃなし。カット野菜と豚肉、焼きそばを買っていく。それでランチは決まり。

で、キャンプ場に着いたらテント設営する。これだけはサボっちゃいけない。テント設営をサボると、作り方を忘れる。それに、テントは必需品だ。これがあるから、やっぱり気分が盛り上がる。

テントができたら、昼ご飯を作る。たき火もしないし、炭火もしない。宿泊の時にはするんだけど、デイキャンプの時はガスコンロだ。簡単、ラクチン。で、何てことない焼きそばなんだけど、外で食べると美味しいんだね。あっつっつで、これがいい。

それで森の木陰の中で鳥の声とか聴きながら、しばらく読書する。雑誌のＢ―ＰＡＬ読んだり、その時読んでる小説とか。カヌーの野田知佑さん本とかも、よく読んだ。野田さんの自然とのふれあい方に感心しながら、ゆったりと時間を過ごす。

で、眠たくなったらやおらテントに入って昼寝する。これが最高。公園でバーベキューするのも見かけるけど、やっぱりテントがあるのがいい。ただし、陽が当たる処に設営すると、日光を浴びてるうちの凄く室温が上がるから要注意。そんな事して一日のんびり過ごして、デイだと４時には片づけ終わって帰る。バタバタしてるようだけど、案外、リラックスできてよかったのだ。

――これが、だ。感染症と同時にキャンプブームが巻き起こり、この寂れたキャンプ場も、それに合わせてリニューアルした。管理棟とトイレが新しくなり、完全予約制になり、値段も全然、高くなった。前みたいに、「今日、天気いいな。キャンプでも行くか」という気楽に行ける感じじゃなくなった。残念だ。