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ゼミ生たち
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「状況がこうなってしまった以上、諸君らにも話しておこう。恐らく、佐水部長を襲った連中は、中国系組織の『牙(ヤ)龍(ロン)』と思われる」
安積の言葉に、署員たちは息を呑んだ。
「この牙龍は中国政府とも取引があり、表だってできない政府の工作を、この組織が請け負っている。無論、マフィアがやりそうな人身売買、臓器売買、麻薬の密輸等はいわずもがなだ。牙龍は裏の手を広げることで、政府の重要工作に利用していると思われる」
「その牙龍が、西村の死に関与していると?」
仁の問いに、安積は頷いた。
「少なくとも、牙龍は西村に接触を図っていた。我々は西村を、中国に機密を売る要監視対象として張っていたのだ。今回の殺人事件は、その矢先に起こった」
「なるほど……」
仁は唸るようにして黙って腕を組んだ。安積は自ら考えながら話しを続けた。
「パソコンは二台あった。一台は西村の自室に在り、もう一つは研究所にあったものだ。そのパソコンを奪ったにも関わらず、三ツ谷百合を拉致する必要があるという事は――パソコンのパスワードが判らずに中を開示できてない、という可能性がある。まだ機密は、国内にある可能性が出てきたな…。そしてやはり、西村の担っていた仕事は事を荒立てるに匹敵する価値があるという事だ。国枝、それについての報告は?」
佑一が立ち上がる。
「専門的な詳細は避けますが、要は西村が担っていたのは我が国の防衛システムに関わるものです。飛んでくるミサイルの軌道を正確に予測するためのレーダーシステム、という事になります。これが盗まれるという事は、防衛システムが穴だらけになります。我が国にとっても、中国にとっても最大の価値がある重要機密、と言えます」
佑一は報告を終えて座ると、安積が口を開いた。
「その価値を示すような話だが、西村の口座に1000万円もの振り込みがあった」
安積の言葉に、署員たちから驚きの声が洩れる。
「100万円すつ10回に分けて振り込まれていたが、日付は5月1日だ。経由銀行を海外経由で5回も変えたうえ、途中で電子マネーにも交換してる。振り込み元は特定できずだ。しかし、中国側から西村に機密情報を売る金額として振り込まれたものと見て、間違いないだろう」
「しかし、機密を売ったのなら、どうして西村は殺されたんでしょうな?」
仁が疑問を口にする。安積はそれについて発言した。
「西村が向うの組織のなんらかの秘密を知ったためか…あるいは、西村が心変わりして売るのを拒んだか。…その場合、金は前金だったという事になる。ちなみに金には西村は手を付けてない」
「なるほど」
仁が頷くと、安積は言葉を続けた。
「西村の携帯には、特に怪しい発信先はなかった。どうやら連絡は直接会って行っていたらしい。非常に警戒心の強い連中だ。諸君らもくれぐれも警戒して、引き続き捜査を頼む」
安積はそう言うと、軽く頭を下げて見せた。その意外な行動に、署員たちが黙る。その雰囲気を仕切るように、多胡が声をあげた。
「全員、引き続き捜査にあたれ」
了解、という大きな返事が、署員たちから発せられた。
和真と今日子は、ゼミ生たちの名簿を見ていた。
「ところで、6人のゼミ生のうち、何処から行きます?」
「そうだな、まず2人の女性のゼミ生からだ。仲が良かったかもしれないしな」
和真と今日子は、車で行き先へと向かった。
最初に会った書店員として勤める園田理穂は、和真たちに言った。
「李蓮花ちゃんの事なら、同じゼミの相馬由美さんが仲良かったですよ。彼女なら、何か知ってるんじゃないですかね」
和真たちは、ご協力感謝します、と告げて相馬由美のところに向かった。
相馬由美は通信機器大手のメーカー勤務であった。
広めの応接室に通され、スーツをまとった相馬由美が入ってきた。
「どうも、お待たせしました。それで……私に何の御用でしょうか?」
「李(リ)蓮(リアン)花(ファ)さんの事についてお話を聞きたいんですが」
「ああ、蓮花ちゃん。そう、わたしたちはみんな日本語読みに『れんか』ちゃんって呼んでたんですよ。本人もそれが気に入ってたみたいで」
由美は少し懐かしそうな顔をした。
「仲良かったんです、私たち」
「そのようですね」
「私は秋田の田舎から出てきて、周りには知人は1人もいません。それで同じように周囲に知人のいない、留学生の蓮花ちゃんと話すようになったんです。三年になる時、二人で相談してゼミを選びました。けど……まさか蓮花ちゃんが、先生とあんな事になるなんてね」
相馬由美はそう言うと、可笑しそうに微笑んだ。
「先生というのは、西村孝義准教授ですよね」
「そうです。こう言ってはなんですけど、結構、モテたんですよ、わたしたち」
由美はそう言うと、悪戯っぽく笑った。
「っていうか、工業系に女子って珍しいじゃないですか。だから、男の子たちもひっきりなしに誘って来たし。まあ、そうでなくても、蓮花ちゃんは美人でしたしね」
「あの、蓮花さんの写真とか、ありますか?」
「あ、ありますよ」
由美はスマホを取り出すと、写真を出して和真に差し出した。
そこには相馬由美と園田理穂、そしてもう一人、極めて顔立ちの整った美人が写っている。
「うわあ、本当に美人だあ」
今日子が思わずあげた声に、由美も応えた。
「ですよね。わたし最初、つくりものの顔かと思いましたもん。こんなに美人なんでしょちゅう声かけられてたのに、まさかあんな、ちょっと冴えない感じの先生にいかなくてもね……って、思ったんですよ。けどね、蓮花ちゃんは、先生の朴訥な、優しい人柄が好きなんだって、照れながら言ってましたよ」
由美は屈託のない笑顔を見せる。和真は複雑な心地で、由美に問うた。
「それで、蓮花さんとは、今でも連絡をとりあってますか?」
「いいえ。最初はそのつもりだったんですけど、なんか帰国しちゃったら、連絡がとれなくなっちゃったんですよね。電話番号も現在使われておりません、だし。そうだ…先生はどうしたのかな。先生とはまだうまくやってるんですかね?」
由美の無邪気な問いに、和真は神妙な面持ちで由美に答えた。
「実は、西村孝義さんはお亡くなりになりました」
「え――」
それまで明るかった表情が、一気に輝きを失った。
「その事で手がかりが得られないかと、実はお話を聞きにきたような次第なんです」
「そう……だったんですか」
絶句する相馬由美に、何か思い出したら、と言い添えて和真は連絡先を渡し、その場を後にした。
車に乗り込むと、今日子が言う。
「嘘を言ってるようには見えませんでしたね」
「まあ、そうだろうな。しかし、ちょっと気になった事がある」
「なんですか?」
「ゼミを相談して選んだ、って言ってたろ」
「ええ」
「つまり、李蓮花は最初から西村ゼミを目指したわけじゃあないんだ」
「あ、それって、李蓮花が工作員ではなかった、という事ですか?」
「いや、そうとも言えない」
和真は慎重に言葉を選んだ。
「佑一なら詳しいんだろうけど、最初からそこにいる人を、工作員としてスカウトする、って事もあるらしいんだ。何処かの段階で、大学の教授といい仲になった蓮花を、工作員として働くように仕向けたのかもしれない」
「けど、もしそうなら――」
今日子は語気を強くして、その後を続けた。
「恋人同士の愛情関係を利用するなんて、最低ですね」
「汚い奴ってのは、利用できるものは、なんでも利用するよ」
何気なくそう呟いた和真の横顔を、今日子は驚いて見つめていた。
他のゼミ生の男三人は、大した収穫はなかった。和真たちは、最後の一人に話を聞きに行った。
「――あ、李蓮花? あ~、遂にバレちゃった?」
その最後の一人、横井正吾はにやにやしながら愉快そうな声を出した。
「バレちゃった、とは、何のことです?」
「またあ、とぼけちゃって。あれでしょ、岡原町の裏メニューの話でしょ?」
「……詳しく聞かせてもらえますか?」
本当に和真たちが何も知らないらしいと見るや、横井正吾は得意げに話し始めた。
「いや、ゼミは違ってたオレのツレがいるんですけどね。そいつが『岡原で李蓮花見た』って言うんですよ。李蓮花っていや、オレたちの間でも美人で有名でしたからね。それが風俗で働いてる、っていうじゃないですか」
「風俗店、ですか」
「そう。それでなんでも、そこは裏メニューがあって、オプション料金払ったら、外で本番OKになるんですよ。まあ、追加料金に加えてホテル代もこっちもちなんで、結構な額になるとは言ってましたけどね」
「それは…間違いなく、蓮花さんだと?」
和真の問いに、正吾は答えた。
「ええ、間違いないって。ただ、その時は別の娘を指名したらしいんですよ。けど、今度はきっと蓮花を指名するって言ってましたね。 あ、いけね。警察の人にこんなん話したら、店潰れちゃうかな? あ~、あいつに悪い事したかな~」
正吾はそう言うと、わざとらしい笑い声をあげた。
安積の言葉に、署員たちは息を呑んだ。
「この牙龍は中国政府とも取引があり、表だってできない政府の工作を、この組織が請け負っている。無論、マフィアがやりそうな人身売買、臓器売買、麻薬の密輸等はいわずもがなだ。牙龍は裏の手を広げることで、政府の重要工作に利用していると思われる」
「その牙龍が、西村の死に関与していると?」
仁の問いに、安積は頷いた。
「少なくとも、牙龍は西村に接触を図っていた。我々は西村を、中国に機密を売る要監視対象として張っていたのだ。今回の殺人事件は、その矢先に起こった」
「なるほど……」
仁は唸るようにして黙って腕を組んだ。安積は自ら考えながら話しを続けた。
「パソコンは二台あった。一台は西村の自室に在り、もう一つは研究所にあったものだ。そのパソコンを奪ったにも関わらず、三ツ谷百合を拉致する必要があるという事は――パソコンのパスワードが判らずに中を開示できてない、という可能性がある。まだ機密は、国内にある可能性が出てきたな…。そしてやはり、西村の担っていた仕事は事を荒立てるに匹敵する価値があるという事だ。国枝、それについての報告は?」
佑一が立ち上がる。
「専門的な詳細は避けますが、要は西村が担っていたのは我が国の防衛システムに関わるものです。飛んでくるミサイルの軌道を正確に予測するためのレーダーシステム、という事になります。これが盗まれるという事は、防衛システムが穴だらけになります。我が国にとっても、中国にとっても最大の価値がある重要機密、と言えます」
佑一は報告を終えて座ると、安積が口を開いた。
「その価値を示すような話だが、西村の口座に1000万円もの振り込みがあった」
安積の言葉に、署員たちから驚きの声が洩れる。
「100万円すつ10回に分けて振り込まれていたが、日付は5月1日だ。経由銀行を海外経由で5回も変えたうえ、途中で電子マネーにも交換してる。振り込み元は特定できずだ。しかし、中国側から西村に機密情報を売る金額として振り込まれたものと見て、間違いないだろう」
「しかし、機密を売ったのなら、どうして西村は殺されたんでしょうな?」
仁が疑問を口にする。安積はそれについて発言した。
「西村が向うの組織のなんらかの秘密を知ったためか…あるいは、西村が心変わりして売るのを拒んだか。…その場合、金は前金だったという事になる。ちなみに金には西村は手を付けてない」
「なるほど」
仁が頷くと、安積は言葉を続けた。
「西村の携帯には、特に怪しい発信先はなかった。どうやら連絡は直接会って行っていたらしい。非常に警戒心の強い連中だ。諸君らもくれぐれも警戒して、引き続き捜査を頼む」
安積はそう言うと、軽く頭を下げて見せた。その意外な行動に、署員たちが黙る。その雰囲気を仕切るように、多胡が声をあげた。
「全員、引き続き捜査にあたれ」
了解、という大きな返事が、署員たちから発せられた。
和真と今日子は、ゼミ生たちの名簿を見ていた。
「ところで、6人のゼミ生のうち、何処から行きます?」
「そうだな、まず2人の女性のゼミ生からだ。仲が良かったかもしれないしな」
和真と今日子は、車で行き先へと向かった。
最初に会った書店員として勤める園田理穂は、和真たちに言った。
「李蓮花ちゃんの事なら、同じゼミの相馬由美さんが仲良かったですよ。彼女なら、何か知ってるんじゃないですかね」
和真たちは、ご協力感謝します、と告げて相馬由美のところに向かった。
相馬由美は通信機器大手のメーカー勤務であった。
広めの応接室に通され、スーツをまとった相馬由美が入ってきた。
「どうも、お待たせしました。それで……私に何の御用でしょうか?」
「李(リ)蓮(リアン)花(ファ)さんの事についてお話を聞きたいんですが」
「ああ、蓮花ちゃん。そう、わたしたちはみんな日本語読みに『れんか』ちゃんって呼んでたんですよ。本人もそれが気に入ってたみたいで」
由美は少し懐かしそうな顔をした。
「仲良かったんです、私たち」
「そのようですね」
「私は秋田の田舎から出てきて、周りには知人は1人もいません。それで同じように周囲に知人のいない、留学生の蓮花ちゃんと話すようになったんです。三年になる時、二人で相談してゼミを選びました。けど……まさか蓮花ちゃんが、先生とあんな事になるなんてね」
相馬由美はそう言うと、可笑しそうに微笑んだ。
「先生というのは、西村孝義准教授ですよね」
「そうです。こう言ってはなんですけど、結構、モテたんですよ、わたしたち」
由美はそう言うと、悪戯っぽく笑った。
「っていうか、工業系に女子って珍しいじゃないですか。だから、男の子たちもひっきりなしに誘って来たし。まあ、そうでなくても、蓮花ちゃんは美人でしたしね」
「あの、蓮花さんの写真とか、ありますか?」
「あ、ありますよ」
由美はスマホを取り出すと、写真を出して和真に差し出した。
そこには相馬由美と園田理穂、そしてもう一人、極めて顔立ちの整った美人が写っている。
「うわあ、本当に美人だあ」
今日子が思わずあげた声に、由美も応えた。
「ですよね。わたし最初、つくりものの顔かと思いましたもん。こんなに美人なんでしょちゅう声かけられてたのに、まさかあんな、ちょっと冴えない感じの先生にいかなくてもね……って、思ったんですよ。けどね、蓮花ちゃんは、先生の朴訥な、優しい人柄が好きなんだって、照れながら言ってましたよ」
由美は屈託のない笑顔を見せる。和真は複雑な心地で、由美に問うた。
「それで、蓮花さんとは、今でも連絡をとりあってますか?」
「いいえ。最初はそのつもりだったんですけど、なんか帰国しちゃったら、連絡がとれなくなっちゃったんですよね。電話番号も現在使われておりません、だし。そうだ…先生はどうしたのかな。先生とはまだうまくやってるんですかね?」
由美の無邪気な問いに、和真は神妙な面持ちで由美に答えた。
「実は、西村孝義さんはお亡くなりになりました」
「え――」
それまで明るかった表情が、一気に輝きを失った。
「その事で手がかりが得られないかと、実はお話を聞きにきたような次第なんです」
「そう……だったんですか」
絶句する相馬由美に、何か思い出したら、と言い添えて和真は連絡先を渡し、その場を後にした。
車に乗り込むと、今日子が言う。
「嘘を言ってるようには見えませんでしたね」
「まあ、そうだろうな。しかし、ちょっと気になった事がある」
「なんですか?」
「ゼミを相談して選んだ、って言ってたろ」
「ええ」
「つまり、李蓮花は最初から西村ゼミを目指したわけじゃあないんだ」
「あ、それって、李蓮花が工作員ではなかった、という事ですか?」
「いや、そうとも言えない」
和真は慎重に言葉を選んだ。
「佑一なら詳しいんだろうけど、最初からそこにいる人を、工作員としてスカウトする、って事もあるらしいんだ。何処かの段階で、大学の教授といい仲になった蓮花を、工作員として働くように仕向けたのかもしれない」
「けど、もしそうなら――」
今日子は語気を強くして、その後を続けた。
「恋人同士の愛情関係を利用するなんて、最低ですね」
「汚い奴ってのは、利用できるものは、なんでも利用するよ」
何気なくそう呟いた和真の横顔を、今日子は驚いて見つめていた。
他のゼミ生の男三人は、大した収穫はなかった。和真たちは、最後の一人に話を聞きに行った。
「――あ、李蓮花? あ~、遂にバレちゃった?」
その最後の一人、横井正吾はにやにやしながら愉快そうな声を出した。
「バレちゃった、とは、何のことです?」
「またあ、とぼけちゃって。あれでしょ、岡原町の裏メニューの話でしょ?」
「……詳しく聞かせてもらえますか?」
本当に和真たちが何も知らないらしいと見るや、横井正吾は得意げに話し始めた。
「いや、ゼミは違ってたオレのツレがいるんですけどね。そいつが『岡原で李蓮花見た』って言うんですよ。李蓮花っていや、オレたちの間でも美人で有名でしたからね。それが風俗で働いてる、っていうじゃないですか」
「風俗店、ですか」
「そう。それでなんでも、そこは裏メニューがあって、オプション料金払ったら、外で本番OKになるんですよ。まあ、追加料金に加えてホテル代もこっちもちなんで、結構な額になるとは言ってましたけどね」
「それは…間違いなく、蓮花さんだと?」
和真の問いに、正吾は答えた。
「ええ、間違いないって。ただ、その時は別の娘を指名したらしいんですよ。けど、今度はきっと蓮花を指名するって言ってましたね。 あ、いけね。警察の人にこんなん話したら、店潰れちゃうかな? あ~、あいつに悪い事したかな~」
正吾はそう言うと、わざとらしい笑い声をあげた。
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