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蓮花の告白
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和真は保護された李蓮花の病室にいた。
「大分、疲労したみたいで……さっきまで寝てたんです」
つきそっていた今日子が、そう口にした。頷きながら、和真は傍にあった椅子に腰かける。半身を起こした蓮花は、和真を見た。
「あの……王は逮捕されたんですか?」
「いや、残念ながら逃げられました」
和真がそう口にした途端、蓮花の顔に恐怖が現れた。
「私……殺されます」
「大丈夫、そんな事はさせません。此処には、あの店で保護された女性が他にも8名ほどいますが、全員を殺すなんて王でも無理でしょう」
「違うんです、私」
蓮花は真剣な眼差しで、和真を見つめた。
「――私は、他の子たちとは違うんです」
そう、蓮花が口にした時だった。不意に病室の扉が開き、和真たちは警戒した目つきで振り返る。そこには一人の娘が立っていた。
「蓮花、いる?」
「麗(リー)橋(チャオ)! 無事だったのね」
麗橋と呼ばれた娘はベッドの蓮花の元に駆け寄ると、ひしと抱き合った。
「私たち……助かったのね」
「そう、そうよ。多分――」
麗橋を抱きしめながらも、蓮花はその言葉に涙を零しながら複雑な表情を見せた。
「私たち、どうなりますか?」
「まずは薬の治療でしょうけど、それから身元をはっきりさせて本国に戻す……という形でしょうか。無論、貴女がたの意向も大事です。日本に留まって、きちんと働く道もあるかもしれない」
和真は蓮花の問いに、そう答えた。外交筋の問題があるので、確定的な事は言えない。
「けど、自分たち警察は、貴女がたを守ります。この病院にも、警護の警官がついてますから。ひとまずは安心してください」
和真の言葉を聞いて、蓮花は頷いた。
「麗橋、とりあえず此処にいれば薬をうたれることも客を取らされることもない。それだけでも……私は救われた気分よ」
「そうね、蓮花。……ワタシ、病室を抜けてきた。もう、戻るね」
「うん、元気でね」
そう言って麗橋はもう一度蓮花と抱き合うと、病室を出ていった。
「保護された一人ですね。仲が良かった?」
「郷里が近いので。あの子は私より、後に連れてこられたんです」
「ところで、さっきの話ですが……。あの子たちと、蓮花さんには違いがあると?」
蓮花は頷いた。
「私は一時期、王の愛人でした。それで私は、王の秘密のアジトを知ってます。ずっとそこに監禁されてたんです」
「何処なんですか、そこは?」
蓮花が口ごもる。それを見て、和真は言った。
「蓮花さん、怖いのは判ります。けど、今、あいつを逮捕しないと、次々に女性たちが犠牲になる。俺たちはそれを止めたいんです」
和真は真剣な眼差しを、蓮花に向けた。
少しの間の後、蓮花は口を開いた。
「厳密な場所は判らないんですが…港の見えるマンションの最上階が、王の隠れ家です。マンションの名前は――『EDEN‘S FLOW』」
「中条、岡原の連中に教えてやってくれ。緊急手配だ」
「判りました!」
今日子は部屋を飛び出した。外で電話を掛ける様子がする。和真は蓮花を優しく見つめた。
「有難うございます、蓮花さん。ご協力を感謝します」
「あの……」
蓮花は躊躇いながら、和真に口を開いた。
「西村先生は、どうしてるでしょう?」
和真は一瞬、迷った。が、ありのままを話すことにした。
「実は…亡くなりました。我々が貴女を確保しようと思ったのも、その殺人事件に関して有力情報が得られるかもしれない、と期待しての事です」
和真の言葉を聞くと、蓮花は両手で顔を覆った。そのまま下を向く。すすり泣く、小さな声が聞こえていた。
和真はしばらく、蓮花をそのままにしていた。
「……そんな気がしてました。きっと、悪いことが起きたのだろうと……。ごめんなさい、先生。私のせいで――」
「貴女のせいじゃありません。悪いのは、貴女を工作員にしようとしたり、実際に西村さんに手をかけた連中です」
蓮花はため息をついた。
「今の国家主席の劉真杯は、国家主席の満期が2期10年なのを撤廃した独裁者です。今度の全人代でも、恐らく劉が選ばれるでしょう」
「全人代――全国人民代表大会でしたっけ。確か近々行われる予定だったような」
「明後日の日曜日、21日に全人代があります。そこで劉真杯は4期目の国家主席に選ばれるでしょう。国に帰っても……またスパイまがいの事を強制させられたり、党の幹部のいいなりに生きるしかないかもしれない……」
祖国の状態を憂う蓮花に、和真はかける言葉がなかった。どんな慰めを言っても、一国の体制は変わらない。和真は別に、蓮花に問いかけた。
「西村さんは、機密に関わる仕事をしていた。その情報を狙われたんです。今、西村さんのパソコンを押収してますが、パスワードが判らず開くことができない。何か、心当たりはありませんか?」
和真の問いに、目を赤くした蓮花ははにかんだ微笑を洩らした。
「厳密には知らないんですが……先生が言ったことがあるんです。『君の名前をパスワードにするよ』って……」
そう言った途端、既に赤くなっていた蓮花の眼から、また涙がこぼれた。
「ありがとう、蓮花さん」
和真はそう言うと、疲れた笑顔を見せた蓮花の病室から退出した。
今日子が戻ってきたのを見て、和真は声をかけた。
「岡原の連中はどうだった?」
「何かマンションの場所には、心当たりがあるようでした。蓮花さんの方は、パスワードを知ってたんですか?」
和真は今日子に、西村のパソコンを佑一から預かっていることを既に話していた。
「蓮花さんの名前、っていうヒントだけもらった。後はそれを元に実際に確かめてみないと」
「戻って確かめます?」
「いや、遅いから、お前はもう帰れ。俺は今日は此処に残るよ」
「心配なんですか? 見張りも含めて、巡廻警備は頼んであるんですよね」
「秘密のアジトに捜査が及んだら、もう情報が洩れたと相手に知れるんで、蓮花さんには価値がなくなる。逆に言うと、それまでは口封じに来るかもしれないからな」
「けど、この病院の場所だって、知られてない筈ですよね。それに此処、四階ですし」
「まあ一応、念のためだよ」
「じゃあ、わたしも残ります! 交替要員がいた方が、仮眠とれますよね?」
勢いよく言った今日子に、和真は苦笑した。
「判った。それじゃあ、頼むよ」
病院の仮眠室を借りることができたので、二人は交替で眠ることにした。
「和真先輩、先に寝てください。わたしは、夜中にぐっすり寝るんで」
今日子の言葉に、和真は苦笑した。
「判ったよ、それじゃあ頼むな」
「了解です!」
元気よく答えると、今日子は見張りに出ていった。和真が仮眠室で横になると、すぐに眠気が襲ってくる。昼間のガサ入れの時の格闘で、身体に疲労がたまっていたのに和真は気づいた。
(あいつ……俺の事を気遣ってくれたんだな…)
そう思いながら、和真は薄いシーツの下でまどろんだ。身体が重くなるような眠気に襲われながら、脳裏に李蓮花の涙顔が浮かんでくる。
(本当に…好きだったんだろうな……)
そんな事をぼんやり考えながら、和真は眠りについた。
目覚めた和真は、自分が病院の仮眠室にいることを想い出した。時計を見る。
「――あいつ、俺を寝かそうとして交替に来なかったな」
午前三時。今日子には午前二時には交替に来るように言ってあった。和真は仮眠室を出て、李蓮花の病室へと向かった。
病室の前に置いた丸椅子に、今日子が座って待機している。歩いてくる和真を見ると、今日子は嬉しそうな顔を見せた。
「和真先輩、もういんですか?」
「ああ、ありがとう中条。充分、休ませてもらったよ。後は変わるから、お前も休んで来いよ」
「はい。じゃあ、そうします」
そう言って今日子が去ろうとした瞬間、和真が不意に険しい表情になった。
「ど、どうしたんですか? やっぱり、もうちょっと寝ます?」
驚く今日子を、和真は黙るように手で制した。声を潜めて、耳をすます。
微かにだが、病室の中から物音がする。和真は病室の扉を開けた。
「あっ!」
和真の背後から覗いた今日子が、声を上げた。
病室の窓を開けて、何者かが侵入している。黒づくめの防護服をまとい、頭部も完全に覆い暗視ゴーグルを装着している。
和真たちに気付いた侵入者は、大腿部のベルトからナイフを引き抜くと、蓮花の頭上に振りかざした。
和真が飛び出す。
和真は蓮花のベッドに覆いかぶさりながら、ゴーグル男の腹部に突きを出した。
和真は保護された李蓮花の病室にいた。
「大分、疲労したみたいで……さっきまで寝てたんです」
つきそっていた今日子が、そう口にした。頷きながら、和真は傍にあった椅子に腰かける。半身を起こした蓮花は、和真を見た。
「あの……王は逮捕されたんですか?」
「いや、残念ながら逃げられました」
和真がそう口にした途端、蓮花の顔に恐怖が現れた。
「私……殺されます」
「大丈夫、そんな事はさせません。此処には、あの店で保護された女性が他にも8名ほどいますが、全員を殺すなんて王でも無理でしょう」
「違うんです、私」
蓮花は真剣な眼差しで、和真を見つめた。
「――私は、他の子たちとは違うんです」
そう、蓮花が口にした時だった。不意に病室の扉が開き、和真たちは警戒した目つきで振り返る。そこには一人の娘が立っていた。
「蓮花、いる?」
「麗(リー)橋(チャオ)! 無事だったのね」
麗橋と呼ばれた娘はベッドの蓮花の元に駆け寄ると、ひしと抱き合った。
「私たち……助かったのね」
「そう、そうよ。多分――」
麗橋を抱きしめながらも、蓮花はその言葉に涙を零しながら複雑な表情を見せた。
「私たち、どうなりますか?」
「まずは薬の治療でしょうけど、それから身元をはっきりさせて本国に戻す……という形でしょうか。無論、貴女がたの意向も大事です。日本に留まって、きちんと働く道もあるかもしれない」
和真は蓮花の問いに、そう答えた。外交筋の問題があるので、確定的な事は言えない。
「けど、自分たち警察は、貴女がたを守ります。この病院にも、警護の警官がついてますから。ひとまずは安心してください」
和真の言葉を聞いて、蓮花は頷いた。
「麗橋、とりあえず此処にいれば薬をうたれることも客を取らされることもない。それだけでも……私は救われた気分よ」
「そうね、蓮花。……ワタシ、病室を抜けてきた。もう、戻るね」
「うん、元気でね」
そう言って麗橋はもう一度蓮花と抱き合うと、病室を出ていった。
「保護された一人ですね。仲が良かった?」
「郷里が近いので。あの子は私より、後に連れてこられたんです」
「ところで、さっきの話ですが……。あの子たちと、蓮花さんには違いがあると?」
蓮花は頷いた。
「私は一時期、王の愛人でした。それで私は、王の秘密のアジトを知ってます。ずっとそこに監禁されてたんです」
「何処なんですか、そこは?」
蓮花が口ごもる。それを見て、和真は言った。
「蓮花さん、怖いのは判ります。けど、今、あいつを逮捕しないと、次々に女性たちが犠牲になる。俺たちはそれを止めたいんです」
和真は真剣な眼差しを、蓮花に向けた。
少しの間の後、蓮花は口を開いた。
「厳密な場所は判らないんですが…港の見えるマンションの最上階が、王の隠れ家です。マンションの名前は――『EDEN‘S FLOW』」
「中条、岡原の連中に教えてやってくれ。緊急手配だ」
「判りました!」
今日子は部屋を飛び出した。外で電話を掛ける様子がする。和真は蓮花を優しく見つめた。
「有難うございます、蓮花さん。ご協力を感謝します」
「あの……」
蓮花は躊躇いながら、和真に口を開いた。
「西村先生は、どうしてるでしょう?」
和真は一瞬、迷った。が、ありのままを話すことにした。
「実は…亡くなりました。我々が貴女を確保しようと思ったのも、その殺人事件に関して有力情報が得られるかもしれない、と期待しての事です」
和真の言葉を聞くと、蓮花は両手で顔を覆った。そのまま下を向く。すすり泣く、小さな声が聞こえていた。
和真はしばらく、蓮花をそのままにしていた。
「……そんな気がしてました。きっと、悪いことが起きたのだろうと……。ごめんなさい、先生。私のせいで――」
「貴女のせいじゃありません。悪いのは、貴女を工作員にしようとしたり、実際に西村さんに手をかけた連中です」
蓮花はため息をついた。
「今の国家主席の劉真杯は、国家主席の満期が2期10年なのを撤廃した独裁者です。今度の全人代でも、恐らく劉が選ばれるでしょう」
「全人代――全国人民代表大会でしたっけ。確か近々行われる予定だったような」
「明後日の日曜日、21日に全人代があります。そこで劉真杯は4期目の国家主席に選ばれるでしょう。国に帰っても……またスパイまがいの事を強制させられたり、党の幹部のいいなりに生きるしかないかもしれない……」
祖国の状態を憂う蓮花に、和真はかける言葉がなかった。どんな慰めを言っても、一国の体制は変わらない。和真は別に、蓮花に問いかけた。
「西村さんは、機密に関わる仕事をしていた。その情報を狙われたんです。今、西村さんのパソコンを押収してますが、パスワードが判らず開くことができない。何か、心当たりはありませんか?」
和真の問いに、目を赤くした蓮花ははにかんだ微笑を洩らした。
「厳密には知らないんですが……先生が言ったことがあるんです。『君の名前をパスワードにするよ』って……」
そう言った途端、既に赤くなっていた蓮花の眼から、また涙がこぼれた。
「ありがとう、蓮花さん」
和真はそう言うと、疲れた笑顔を見せた蓮花の病室から退出した。
今日子が戻ってきたのを見て、和真は声をかけた。
「岡原の連中はどうだった?」
「何かマンションの場所には、心当たりがあるようでした。蓮花さんの方は、パスワードを知ってたんですか?」
和真は今日子に、西村のパソコンを佑一から預かっていることを既に話していた。
「蓮花さんの名前、っていうヒントだけもらった。後はそれを元に実際に確かめてみないと」
「戻って確かめます?」
「いや、遅いから、お前はもう帰れ。俺は今日は此処に残るよ」
「心配なんですか? 見張りも含めて、巡廻警備は頼んであるんですよね」
「秘密のアジトに捜査が及んだら、もう情報が洩れたと相手に知れるんで、蓮花さんには価値がなくなる。逆に言うと、それまでは口封じに来るかもしれないからな」
「けど、この病院の場所だって、知られてない筈ですよね。それに此処、四階ですし」
「まあ一応、念のためだよ」
「じゃあ、わたしも残ります! 交替要員がいた方が、仮眠とれますよね?」
勢いよく言った今日子に、和真は苦笑した。
「判った。それじゃあ、頼むよ」
病院の仮眠室を借りることができたので、二人は交替で眠ることにした。
「和真先輩、先に寝てください。わたしは、夜中にぐっすり寝るんで」
今日子の言葉に、和真は苦笑した。
「判ったよ、それじゃあ頼むな」
「了解です!」
元気よく答えると、今日子は見張りに出ていった。和真が仮眠室で横になると、すぐに眠気が襲ってくる。昼間のガサ入れの時の格闘で、身体に疲労がたまっていたのに和真は気づいた。
(あいつ……俺の事を気遣ってくれたんだな…)
そう思いながら、和真は薄いシーツの下でまどろんだ。身体が重くなるような眠気に襲われながら、脳裏に李蓮花の涙顔が浮かんでくる。
(本当に…好きだったんだろうな……)
そんな事をぼんやり考えながら、和真は眠りについた。
目覚めた和真は、自分が病院の仮眠室にいることを想い出した。時計を見る。
「――あいつ、俺を寝かそうとして交替に来なかったな」
午前三時。今日子には午前二時には交替に来るように言ってあった。和真は仮眠室を出て、李蓮花の病室へと向かった。
病室の前に置いた丸椅子に、今日子が座って待機している。歩いてくる和真を見ると、今日子は嬉しそうな顔を見せた。
「和真先輩、もういんですか?」
「ああ、ありがとう中条。充分、休ませてもらったよ。後は変わるから、お前も休んで来いよ」
「はい。じゃあ、そうします」
そう言って今日子が去ろうとした瞬間、和真が不意に険しい表情になった。
「ど、どうしたんですか? やっぱり、もうちょっと寝ます?」
驚く今日子を、和真は黙るように手で制した。声を潜めて、耳をすます。
微かにだが、病室の中から物音がする。和真は病室の扉を開けた。
「あっ!」
和真の背後から覗いた今日子が、声を上げた。
病室の窓を開けて、何者かが侵入している。黒づくめの防護服をまとい、頭部も完全に覆い暗視ゴーグルを装着している。
和真たちに気付いた侵入者は、大腿部のベルトからナイフを引き抜くと、蓮花の頭上に振りかざした。
和真が飛び出す。
和真は蓮花のベッドに覆いかぶさりながら、ゴーグル男の腹部に突きを出した。
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