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第十章 点火 夏の試合の行方
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佑一には、和真が腕を庇いながら戦っていた事が判っていた。代表選手を決める際に、佑一は和真の袖をめくった。
「あの時だな。よくもちこたえたよ」
そう言う佑一の顔を見ながら、和真が言う。
「佑一、頼む」
「判ったよ」
佑一は静かに微笑んでみせた。
試合場へ向かう。しかし、その胸中にはそれまでに感じたことのない感情が押し寄せていた。
(どうしたんだ、この気持ちは)
試合場で相手と向き合い、蹲踞する。「始め!」の声がかかり、佑一は気合を発した。
(オレは――)
相手と竹刀を交える。打ってきたものを防ぎ、自分も打ち返す。だがその攻防に、心が追い付いていない。何か夢中に彷徨うような感覚で、佑一は試合をしていた。
(――何故、こんなに不安なんだ?)
その自分の不安を跳ね返すように、佑一は面を打つ。
「面ッ!」
しかしそれを擦り上げられ、返し面を打たれる。しかし、不十分と見られ、旗は上がらない。落ち着きのない不安の中で、佑一は自分の心にあるものの正体を見極めていた。
(オレは……こんなにも和真に頼っていたのか?)
最後を和真に預ければ間違いがない。佑一は、そう思っていた。無論、和真が負けることはある。しかし和真が負ける以上、自分たちの誰がやっても結果は同じことだ。和真が負けるのなら、誰も文句は言わないし、納得できる。
しかしその責任が自分に預けられるとは、考えてもいなかった。無論、和真とはライバルとして競いあい、高め合ってきた。しかし何処かで、和真が隣にいることに安心している自分がいたのだ。
(オレが負ければ、チームが負ける)
不安の中で押し寄せる責任感が、佑一を焦らせる。もっと落ち着いて、普段のように戦わなければいけない。そう判っていても、佑一の剣に落ち着きは取り戻せなかった。
「面ッ!」
相手の竹刀が、綺麗に佑一の面をとらえる。瞬間、佑一は全てが終わったと悟った。
佑一達の王日高校は準優勝に終わった。医務室に行った和真の代わりに、賞状を受け取ったのは佑一だった。
医務室から帰ってきた和真は、腕を吊っていた。打撲であり、骨に異常があるかどうかは病院へ行って確認した方がいい、と言われたという事だった。
試合場を後にし、その玄関を出るまで、誰もが喋らない。だが、少し外を歩くと、一年のヒロキが口を開いた。
「立浪の奴、怪我させるためにわざとやったんじゃないんですか?」
皆が立ち止まった。佑一は振り返る。と、その後ろから和真の声がした。
「ヒロキ、くだらない事を言うな!」
その勢いに、佑一はまた振り返る。和真は厳しい顔で、一年生を見ていた。
「けど和真先輩、わざとなら汚いじゃないですか。抗議してもよかったんじゃないんですか」
叱られたヒロキは、むしろムキになってそう反論した。和真は佑一の隣をすり抜け、ヒロキの傍まで歩み寄る。
「汚いのはお前のその勘ぐりだ。卑しいことを言うのは止めろ」
和真の言葉に、逆に責められたヒロキの顔が紅潮した。
「他人を貶める汚い言葉は、自分を卑しくする。そもそも剣を振るのは、試合のためじゃない。自分を磨くためだ。試合に勝つのは、その過程であって目的じゃないんだ。剣道をやる俺たちが、自分を卑しくしちゃ駄目だろ」
「けど和真先輩……おれ、悔しくて…」
叱られたヒロキが、涙ぐんで下を向く。和真は微かに苦笑した。
「悔しかったら、それを来年にぶつけろ」
和真はそう言うと、ヒロキの頭を撫でてやった。
「来年は、頼んだぞ。――お前たちもな」
和真はその場にいた二年生たちにも、笑顔でそう言った。はい、と二年生たちが声を上げる。中には、涙ぐんでいる者もいた。
(択真先生みたいだな)
その光景を見て、佑一は和真の父親の事を想い出していた。
その時、少し離れた場所から注がれる視線に、佑一は気づいた。立浪の大将の、藤堂であった。
佑一と目が合い、藤堂は歩み寄ってくる。部員たちも、立浪の大将の接近に気付いて言葉を止めた。
藤堂は、和真の前まで来ると頭を下げた。
「佐水、済まない。お前に怪我をさせてしまって」
「いや、大した怪我じゃない。それより、優勝おめでとう」
和真は笑顔で、そう藤堂に言った。顔を上げた藤堂が、和真の顔を見ながら口を開く。
「怪我が無かったら……勝負は判らんかった――」
躊躇いがちに、そう口にした藤堂に和真はあっさりと言った。
「いや、お前の勝ちだよ」
その場にいた部員全員が、和真の言葉に驚く。いや、正確には佑一以外の全員、であった。
「肘を打たれた時点で、真剣なら俺は腕を落とされてる。だから俺の負けさ。――今日のところはな」
そう言うと和真は、藤堂に不敵に笑ってみせた。
「剣道を続けてれば、また何処かで会える。その時は、負けないぜ」
「佐水……」
少し驚いた藤堂は、表情を戻して微笑んだ。
「そうだな。――けど、次もおれが勝つさ」
「言うなあ。ま、来年はこいつらも頑張ってくれる。うちの高校だって、負けないぜ」
そう言うと和真は、吊っていない方の拳を前に突き出した。藤堂が、それに自分の拳を合わせる。
「そうだな、また勝負しよう」
軽く笑いあうと、藤堂はその場を後にした。
振り返る藤堂に、和真が軽く手を振る。藤堂は手を上げて、歩いていった。
(オレは……)
その姿を後ろから見ていた佑一は、締め付けられるような思いに心中を襲われていた。
(…和真の大きさにかなわない)
「――あいつ、いい奴だったな」
振り返ると、和真が佑一に笑いながら言った。
「そうだな」
佑一は、苦しい想いを隠してそう答える。と、いきなり駆けてきた青葉の腕が、佑一の顔を覆った。
「頑張ったよ、二人とも!」
青葉は両腕で抱え込むようにして、佑一と和真の頭を抱きしめていた。
「準優勝だよ、準優勝! 立派な成績だよ!」
顔を離した青葉は、涙ぐみながら笑っている。
「女子は全然、そんなとこまで行かなかったんだからね。立派な成績だよ、胸張って帰ろう!」
「おう。――けどその前に、ちょっと腹減ったな」
「もう、いい雰囲気ぶち壊さないで!」
「痛っ、腕を叩くなよ!」
ふざけだした二人を見ながら、部員たちは笑いながら歩き出した。佑一もそれに混じって歩く。その輪の中にありながら、佑一の心は別の場所を漂っていた
(オレは、和真の存在に頼り過ぎてる――)
佑一は複雑な胸中で、先を歩く和真の背を見た。いつも隣にいたその和真が、遠く見える。
「――ねー、佑一は何が食べたい?」
振り返った青葉が笑顔で訊いてきた。けど、佑一はそれに、うまく答えることができなかった。
*
佑一が目覚めると、見たことのない天井が飛び込んできた。
(何処だ、ここは?)
瞬時に覚醒した佑一は、身体を跳ね起こす。そこに緊張感を削ぐような可愛らしい声が響いた。
「あ、起きたんですね、国枝警部補。よかったあ、心配したんですよ」
見ると今日子が、傍のソファに腰かけている。佑一はもう一つ置かれた大きなソファに寝ていた。
「……何処です、ここは?」
「判らないんです。あれから、外の見えないワゴン車の後ろに乗せられて、着いたら何処かの地下駐車場。そのまま内部のエレベーターを上がってきたんで、外の風景を全然、見てないんです。あ、けど二時間くらいは走りました。結構、遠くに来てるのかも」
今日子はそう言いながら、佑一の傍へと歩み寄ってきた。
佑一は身体を起こそうとして、自身の異変に気付いた。身体が重く、頭がはっきりとしない。
「う……」
起こした上半身が倒れかかるのを、今日子が慌てて支える。
「なんだ…これは?」
「薬の影響です」
「薬?」
「国枝警部補は、三時間ごとに薬をうたれてました。睡眠薬と鎮静剤だ、と言ってましたけど」
「三時間ごと? …今は、何時なんだ」
佑一は腕時計を見た。19:24とある。佑一は目を疑った。
「なに? もう、夜中なのか」
「そうです。わたしなんか、この部屋にもうずっと監禁ですよ。…まあ、マンガと小説は差し入れされてますけど」
今日子は読みかけのマンガと小説を掲げて見せた。
「あの時だな。よくもちこたえたよ」
そう言う佑一の顔を見ながら、和真が言う。
「佑一、頼む」
「判ったよ」
佑一は静かに微笑んでみせた。
試合場へ向かう。しかし、その胸中にはそれまでに感じたことのない感情が押し寄せていた。
(どうしたんだ、この気持ちは)
試合場で相手と向き合い、蹲踞する。「始め!」の声がかかり、佑一は気合を発した。
(オレは――)
相手と竹刀を交える。打ってきたものを防ぎ、自分も打ち返す。だがその攻防に、心が追い付いていない。何か夢中に彷徨うような感覚で、佑一は試合をしていた。
(――何故、こんなに不安なんだ?)
その自分の不安を跳ね返すように、佑一は面を打つ。
「面ッ!」
しかしそれを擦り上げられ、返し面を打たれる。しかし、不十分と見られ、旗は上がらない。落ち着きのない不安の中で、佑一は自分の心にあるものの正体を見極めていた。
(オレは……こんなにも和真に頼っていたのか?)
最後を和真に預ければ間違いがない。佑一は、そう思っていた。無論、和真が負けることはある。しかし和真が負ける以上、自分たちの誰がやっても結果は同じことだ。和真が負けるのなら、誰も文句は言わないし、納得できる。
しかしその責任が自分に預けられるとは、考えてもいなかった。無論、和真とはライバルとして競いあい、高め合ってきた。しかし何処かで、和真が隣にいることに安心している自分がいたのだ。
(オレが負ければ、チームが負ける)
不安の中で押し寄せる責任感が、佑一を焦らせる。もっと落ち着いて、普段のように戦わなければいけない。そう判っていても、佑一の剣に落ち着きは取り戻せなかった。
「面ッ!」
相手の竹刀が、綺麗に佑一の面をとらえる。瞬間、佑一は全てが終わったと悟った。
佑一達の王日高校は準優勝に終わった。医務室に行った和真の代わりに、賞状を受け取ったのは佑一だった。
医務室から帰ってきた和真は、腕を吊っていた。打撲であり、骨に異常があるかどうかは病院へ行って確認した方がいい、と言われたという事だった。
試合場を後にし、その玄関を出るまで、誰もが喋らない。だが、少し外を歩くと、一年のヒロキが口を開いた。
「立浪の奴、怪我させるためにわざとやったんじゃないんですか?」
皆が立ち止まった。佑一は振り返る。と、その後ろから和真の声がした。
「ヒロキ、くだらない事を言うな!」
その勢いに、佑一はまた振り返る。和真は厳しい顔で、一年生を見ていた。
「けど和真先輩、わざとなら汚いじゃないですか。抗議してもよかったんじゃないんですか」
叱られたヒロキは、むしろムキになってそう反論した。和真は佑一の隣をすり抜け、ヒロキの傍まで歩み寄る。
「汚いのはお前のその勘ぐりだ。卑しいことを言うのは止めろ」
和真の言葉に、逆に責められたヒロキの顔が紅潮した。
「他人を貶める汚い言葉は、自分を卑しくする。そもそも剣を振るのは、試合のためじゃない。自分を磨くためだ。試合に勝つのは、その過程であって目的じゃないんだ。剣道をやる俺たちが、自分を卑しくしちゃ駄目だろ」
「けど和真先輩……おれ、悔しくて…」
叱られたヒロキが、涙ぐんで下を向く。和真は微かに苦笑した。
「悔しかったら、それを来年にぶつけろ」
和真はそう言うと、ヒロキの頭を撫でてやった。
「来年は、頼んだぞ。――お前たちもな」
和真はその場にいた二年生たちにも、笑顔でそう言った。はい、と二年生たちが声を上げる。中には、涙ぐんでいる者もいた。
(択真先生みたいだな)
その光景を見て、佑一は和真の父親の事を想い出していた。
その時、少し離れた場所から注がれる視線に、佑一は気づいた。立浪の大将の、藤堂であった。
佑一と目が合い、藤堂は歩み寄ってくる。部員たちも、立浪の大将の接近に気付いて言葉を止めた。
藤堂は、和真の前まで来ると頭を下げた。
「佐水、済まない。お前に怪我をさせてしまって」
「いや、大した怪我じゃない。それより、優勝おめでとう」
和真は笑顔で、そう藤堂に言った。顔を上げた藤堂が、和真の顔を見ながら口を開く。
「怪我が無かったら……勝負は判らんかった――」
躊躇いがちに、そう口にした藤堂に和真はあっさりと言った。
「いや、お前の勝ちだよ」
その場にいた部員全員が、和真の言葉に驚く。いや、正確には佑一以外の全員、であった。
「肘を打たれた時点で、真剣なら俺は腕を落とされてる。だから俺の負けさ。――今日のところはな」
そう言うと和真は、藤堂に不敵に笑ってみせた。
「剣道を続けてれば、また何処かで会える。その時は、負けないぜ」
「佐水……」
少し驚いた藤堂は、表情を戻して微笑んだ。
「そうだな。――けど、次もおれが勝つさ」
「言うなあ。ま、来年はこいつらも頑張ってくれる。うちの高校だって、負けないぜ」
そう言うと和真は、吊っていない方の拳を前に突き出した。藤堂が、それに自分の拳を合わせる。
「そうだな、また勝負しよう」
軽く笑いあうと、藤堂はその場を後にした。
振り返る藤堂に、和真が軽く手を振る。藤堂は手を上げて、歩いていった。
(オレは……)
その姿を後ろから見ていた佑一は、締め付けられるような思いに心中を襲われていた。
(…和真の大きさにかなわない)
「――あいつ、いい奴だったな」
振り返ると、和真が佑一に笑いながら言った。
「そうだな」
佑一は、苦しい想いを隠してそう答える。と、いきなり駆けてきた青葉の腕が、佑一の顔を覆った。
「頑張ったよ、二人とも!」
青葉は両腕で抱え込むようにして、佑一と和真の頭を抱きしめていた。
「準優勝だよ、準優勝! 立派な成績だよ!」
顔を離した青葉は、涙ぐみながら笑っている。
「女子は全然、そんなとこまで行かなかったんだからね。立派な成績だよ、胸張って帰ろう!」
「おう。――けどその前に、ちょっと腹減ったな」
「もう、いい雰囲気ぶち壊さないで!」
「痛っ、腕を叩くなよ!」
ふざけだした二人を見ながら、部員たちは笑いながら歩き出した。佑一もそれに混じって歩く。その輪の中にありながら、佑一の心は別の場所を漂っていた
(オレは、和真の存在に頼り過ぎてる――)
佑一は複雑な胸中で、先を歩く和真の背を見た。いつも隣にいたその和真が、遠く見える。
「――ねー、佑一は何が食べたい?」
振り返った青葉が笑顔で訊いてきた。けど、佑一はそれに、うまく答えることができなかった。
*
佑一が目覚めると、見たことのない天井が飛び込んできた。
(何処だ、ここは?)
瞬時に覚醒した佑一は、身体を跳ね起こす。そこに緊張感を削ぐような可愛らしい声が響いた。
「あ、起きたんですね、国枝警部補。よかったあ、心配したんですよ」
見ると今日子が、傍のソファに腰かけている。佑一はもう一つ置かれた大きなソファに寝ていた。
「……何処です、ここは?」
「判らないんです。あれから、外の見えないワゴン車の後ろに乗せられて、着いたら何処かの地下駐車場。そのまま内部のエレベーターを上がってきたんで、外の風景を全然、見てないんです。あ、けど二時間くらいは走りました。結構、遠くに来てるのかも」
今日子はそう言いながら、佑一の傍へと歩み寄ってきた。
佑一は身体を起こそうとして、自身の異変に気付いた。身体が重く、頭がはっきりとしない。
「う……」
起こした上半身が倒れかかるのを、今日子が慌てて支える。
「なんだ…これは?」
「薬の影響です」
「薬?」
「国枝警部補は、三時間ごとに薬をうたれてました。睡眠薬と鎮静剤だ、と言ってましたけど」
「三時間ごと? …今は、何時なんだ」
佑一は腕時計を見た。19:24とある。佑一は目を疑った。
「なに? もう、夜中なのか」
「そうです。わたしなんか、この部屋にもうずっと監禁ですよ。…まあ、マンガと小説は差し入れされてますけど」
今日子は読みかけのマンガと小説を掲げて見せた。
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