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隣国・リリーシオへの到着
第21・国王との会談
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ーーーマーセラに案内してもらい、ついた先は真白の王城だった。
見事に白く染められた煉瓦で作られた王城は、所々に金の紋様や飾りがつけてあって、優美で豪華であった。
なによりも、まるで孤城のように、花々に囲まれたソレは、サナトリウムのような神聖な雰囲気があった。
エミリアは、見惚れると同時に感心した。
城の周辺は魔力に満ち溢れていて、魔力保有量が多いエミリアにとって、とても心地がよく、そして歓迎されているような気がする。
エミリアはそう考えて、魔力に歓迎されるなど、何を考えているのだ自分は、ひっそり苦笑いをこぼした。
「皆様、これからお父様と、いえ、リリーシオ国の国王と会談します。くれぐれも、ご無礼のないようお願い致します」
「は、はい」
緊迫したような声色でそう答えたのは、誰だったか。
だが、雰囲気から、皆が気を引き締めていることが伝わってきた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「…久しいな、ミリオンジュ。他の者も、面を上げぃ」
エミリアは、心臓がバクバクと脈うつのを強く感じていた。
そして、冷や汗をかきながら顔をゆっくりと上げて国王の顔を見ると、小さな悲鳴を上げそうになった。
ミリオンジュと同じ、桃色の瞳。
同じ色なのに、清らかで可憐な色ではない、人を惑わすような厭らしい桃色であった。
褐色の髪も相まって、仄暗く、威圧感のあるオーラで、この人に逆らってはいけないと、骨の髄まで染み渡るようなーーーそんな、脅迫じみた視線に見えて仕方なかった。
それと同時に、エミリアはどこか安心したような気分になっていた。
ーーーこの人の方が、よほど自分より恐ろしくて、人を惑わす化け物ではないか、と。
自分のその思想に気づいた時、エミリアは吐き気がした。
化け物を見るような目に晒される、あの視線がどれほど悲しくて、怒りが湧き上がるものか、エミリアは先程身を持って知ったからだ。
だから、青ざめているであろう自分のちんまい顔に、エミリアは余裕の微笑みをのせた。
ーーー目を見開く王と目があって、エミリアはやはり自分が異物なのではないか、と頭のどこかで考えた。
見事に白く染められた煉瓦で作られた王城は、所々に金の紋様や飾りがつけてあって、優美で豪華であった。
なによりも、まるで孤城のように、花々に囲まれたソレは、サナトリウムのような神聖な雰囲気があった。
エミリアは、見惚れると同時に感心した。
城の周辺は魔力に満ち溢れていて、魔力保有量が多いエミリアにとって、とても心地がよく、そして歓迎されているような気がする。
エミリアはそう考えて、魔力に歓迎されるなど、何を考えているのだ自分は、ひっそり苦笑いをこぼした。
「皆様、これからお父様と、いえ、リリーシオ国の国王と会談します。くれぐれも、ご無礼のないようお願い致します」
「は、はい」
緊迫したような声色でそう答えたのは、誰だったか。
だが、雰囲気から、皆が気を引き締めていることが伝わってきた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「…久しいな、ミリオンジュ。他の者も、面を上げぃ」
エミリアは、心臓がバクバクと脈うつのを強く感じていた。
そして、冷や汗をかきながら顔をゆっくりと上げて国王の顔を見ると、小さな悲鳴を上げそうになった。
ミリオンジュと同じ、桃色の瞳。
同じ色なのに、清らかで可憐な色ではない、人を惑わすような厭らしい桃色であった。
褐色の髪も相まって、仄暗く、威圧感のあるオーラで、この人に逆らってはいけないと、骨の髄まで染み渡るようなーーーそんな、脅迫じみた視線に見えて仕方なかった。
それと同時に、エミリアはどこか安心したような気分になっていた。
ーーーこの人の方が、よほど自分より恐ろしくて、人を惑わす化け物ではないか、と。
自分のその思想に気づいた時、エミリアは吐き気がした。
化け物を見るような目に晒される、あの視線がどれほど悲しくて、怒りが湧き上がるものか、エミリアは先程身を持って知ったからだ。
だから、青ざめているであろう自分のちんまい顔に、エミリアは余裕の微笑みをのせた。
ーーー目を見開く王と目があって、エミリアはやはり自分が異物なのではないか、と頭のどこかで考えた。
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