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19 父の嘆きと宰相のボヤき
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どうしてお前はそうなんだ、と。
それは悲しそうに父が言う。ごめん、僕は父さんの思うようには育たなかったみたいだ。ぼくがそう言うと、父は泣きそうな顔になる。
「違う。お前はそれでいいのか? 侍従など一生宮に縛られてしまう」
僕は「大丈夫だよ」と何度も父に言った。根拠はないけど。父さんを安心させたかったから仕方なく。
紆余曲折を経て僕は今熱出して自分の部屋で寝てる。ここまで熱出るの、初めてかも知れない。熱上がりすぎると逆に楽になるって本当だね。多分、これすごく危ないやつ。気分は高揚してるのに動こうとすると体は重い。
そんな僕の枕元に父がいる。気が付いたら居た。そして消え入りそうな声で言う。
「お前は宮では苦労するだけじゃないか」
結局この人は僕が大事で、過保護なんだろうなあ。
平民出の宰相の息子が宮に行ったら傷つく事があるのは当たり前で、そんなことは僕は宮に出入りしていた子どもの頃からとうに覚悟していたことなのに、この人はそれから僕をどうしても遠ざけたかったんだろう。宮の方々まで巻き込んで困った父親だ。
本当に困る。
いや、そんなことより、父がここに居るのは良くない。一国の宰相がいい年した息子から風邪もらって体調崩すとかになったら笑えない。僕、これ以上不肖の息子になりたくないんだけど。
「枕元で騒ぐのはおやめ下さいまし。またザイの熱が上がってしまいます」
僕が困っていると、横合いから別の声がした。母だ。
「今更仕方のないことでございます」
「それはそうだが、宰相と侍従だ、色々不都合が」
「それなら、あなたが宮をお辞めなさいまし」
あ、父さんが固まった。
「宰相と侍従という立場が邪魔になるのなら、あなたが宰相を降りればよろしいでしょう」
「しかし」
「宮を辞されたらあなたは命を狙われるかも知れません。でもそれは私が守ります。あなたと私なら外国にだってツテはありますし、あなたがどこへ行ったって私が……」
言いかけて、母が黙る。父も黙ったまま。
不思議な沈黙。
首を巡らせて僕が見ると、僕の予想通り二人は無表情。僕はすぐにそろそろと首を戻して見ても聞いてもないふりをする。
何だろう、このある意味仮面夫婦。何二人して無表情で照れてるの。聞かされてる息子が物凄く恥ずかしいんですけど!
「とにかく、あなたはザイにはやりたいことをやらせないでいて、ご自身は宮で好き勝手しておられる。ザイを宮に入れたくないとおっしゃるのなら、あなたも宮を出なければ道理に合いません」
先に持ち直した母が何とか言い切る。母に正論とそれに上乗せされて何かを喰らわされた父は押し黙っている。
帝国の宰相がよわい。今なら僕でも口頭試問で宰相に勝てそう。
昔、カイルさんや陛下が、僕の両親を時々遠い目で見ていたのが不思議だったけど、今は理由が分かる。
そう言えば、結局、カイルさんは僕が侍従になることについては、何も言わなかった。
そもそも、何故、譲位? 陛下はまだお若い。父より若いのだ。
僕は逃げることで頭がいっぱいだったが、考えてみればおかしな話だ。しかし、父のこの憔悴っぷりからすれば、譲位も、僕が次の方の侍従になることも、本当のことだろう。
宮で何が起きてる? それに直轄領の方は、いや、あれから、何日経った?
現実的に考えなければいけないことが一気に頭に押し寄せてきて、僕は顔をしかめる。
「父さん、今、どういう状況?」
寝床から体を起こして掠れ切った声で尋ねた僕を見た両親は、ギョッとしたようだ。うん、僕のこと忘れてたね?
「ザイ、寝ていろ。いや、そうだ、起きられるなら水を」
「そうね、今あなたは何かできる状態ではないわ」
母に水を渡されて、僕は素直に飲んだ。喉が腫れていて、水を飲むだけでも痛い。あー、これはひどい。
しかし、状況は知りたい。そう言う僕に、父がかいつまんで話してくれる。
まず、宰相邸に勅使がやって来て僕の直轄領補佐官の解任を告げていた。直轄領にも同時に勅使が来たらしい。そのすぐあと僕がカイルさんによって宰相邸に運び込まれたのは、まだ今日のこと。ブチ切れ寸前の母であったが、その場は僕を引き取るだけにしたそうだ。直後、父帰宅。僕はひたすら眠っていたという。
雪山からあまり時間が経ってないことに僕はホッとしたが、騒がしくなるのはこれからかと思うと、げっそりもしてしまう。
譲位については宮の上層部では昨年から共有されていたそうだ。
「全然知らなかった……」
「宮でもごく一部の者しか知らん。お前などが知っていたら、私と補佐の殿下は宮の端から端までひっくり返さねばならなかった」
「本当に、陛下は譲位なさるの?」
「陛下はもう強行なさるおつもりだろう。お前の解任をとっかかりにして。東の宮様まで共謀、いや、協力なさるとは」
苦々しく父さんが言う。
「東の宮様……。じゃあ、次の方は」
僕が聞くと、父はしまったという顔をする。仕方なく息を吐きながら僕に告げる。
「東の宮様の甥御さま、ガレス殿下だ」
「ああ」
なるほど、と僕は納得する。ガレス殿下は東の宮様がお育てになった帝国最強の戦士だ。
陛下に放り込まれた先の戦でも功を挙げておられた。その時見た殿下の鮮やかな剣筋は、今も僕の目に焼き付いている。
「皆が反対なのは、ガレス様がどうこうということではない。むしろ、陛下の次となるとガレス殿下を置いて他にない。だが、早すぎる」
「……でも、陛下にはお考えがあってのこと、だよね?」
そう言って僕が見ると、父は迷っていたようだが、腹を決めたらしい。立っていたが椅子に掛けて話し出す。
「そうだ。譲位なされてしばらくの間は、陛下は新帝の補佐に当たられるおつもりだ。
先々代の皇帝が疑心暗鬼のあまり太子を置くことを永久に禁じられたのは知っているな? 結果、長々と苛政を敷かれた。華やかなのは都だけ。一歩都から出れば、道端に子どもの遺体が転がるほどだった。
先の陛下はやむなく帝位簒奪という汚名を被られて登極なされ、ご心労が祟り志半ばでお倒れになった。そのあとの混乱は、今上陛下が即位されてもなかなか収まらなかった。それを繰り返さぬようにと陛下はお考えだ」
「先の陛下のこと……」
僕は思わず母を見る。母は先の陛下に仕えた元女官。今の陛下の即位に宮を辞した。
母も初めて聞く話であったらしい。僕に見られているのも気づかず、父をじっと見つめている。父は母を気遣うように見たあと、話を続ける。
「陛下のお考えは理解できる。荒れた帝国を立て直されたのは先の陛下と今の陛下だ。私も皆も、宮の者として微力ながら陛下のもとでお役に立てたという自負はある。
だが、皆反対した。いずれガレス様に譲位なされるにしても『今』ではない、と。補佐の殿下は特に強く反対なさっている」
補佐の殿下は、即位前から陛下をずっと支えていらした方だ。まあ、そうなるよね。でも、
「……そんな状況で父さん、宮を空けて大丈夫?」
僕がノロノロと聞くと、父は両手で顔を覆う。そして項垂れて言う。
「知るか。私にはお前の命以上に大事なものはないんだ」
一体、どんな報告が父に上がったのだろうか?
僕を侍従にするのなら、本来は勅令一つで済む。それをわざわざ僕を追いかけ回すという一見無意味な陛下の行動は、宰相を宮から引き剥がすのには有効だった。僕はやっぱり父の足を引っ張ってしまったらしい。
父は本当に宮を放り出して来たようだ。
過保護な父親でダメな宰相が頭を抱えている。
呆れた母が言う。
「いくら補佐の殿下がいらっしゃるとはいえ……。直ぐに宮に戻られませ」
「あああ、戻るのが怖い」
「情けないことをおっしゃっていないで、お早く」
あの方にキレられたら、それこそ収拾がつかない。悲壮な顔でそう言う父は、母に追い立てられて宮に戻った。
それは悲しそうに父が言う。ごめん、僕は父さんの思うようには育たなかったみたいだ。ぼくがそう言うと、父は泣きそうな顔になる。
「違う。お前はそれでいいのか? 侍従など一生宮に縛られてしまう」
僕は「大丈夫だよ」と何度も父に言った。根拠はないけど。父さんを安心させたかったから仕方なく。
紆余曲折を経て僕は今熱出して自分の部屋で寝てる。ここまで熱出るの、初めてかも知れない。熱上がりすぎると逆に楽になるって本当だね。多分、これすごく危ないやつ。気分は高揚してるのに動こうとすると体は重い。
そんな僕の枕元に父がいる。気が付いたら居た。そして消え入りそうな声で言う。
「お前は宮では苦労するだけじゃないか」
結局この人は僕が大事で、過保護なんだろうなあ。
平民出の宰相の息子が宮に行ったら傷つく事があるのは当たり前で、そんなことは僕は宮に出入りしていた子どもの頃からとうに覚悟していたことなのに、この人はそれから僕をどうしても遠ざけたかったんだろう。宮の方々まで巻き込んで困った父親だ。
本当に困る。
いや、そんなことより、父がここに居るのは良くない。一国の宰相がいい年した息子から風邪もらって体調崩すとかになったら笑えない。僕、これ以上不肖の息子になりたくないんだけど。
「枕元で騒ぐのはおやめ下さいまし。またザイの熱が上がってしまいます」
僕が困っていると、横合いから別の声がした。母だ。
「今更仕方のないことでございます」
「それはそうだが、宰相と侍従だ、色々不都合が」
「それなら、あなたが宮をお辞めなさいまし」
あ、父さんが固まった。
「宰相と侍従という立場が邪魔になるのなら、あなたが宰相を降りればよろしいでしょう」
「しかし」
「宮を辞されたらあなたは命を狙われるかも知れません。でもそれは私が守ります。あなたと私なら外国にだってツテはありますし、あなたがどこへ行ったって私が……」
言いかけて、母が黙る。父も黙ったまま。
不思議な沈黙。
首を巡らせて僕が見ると、僕の予想通り二人は無表情。僕はすぐにそろそろと首を戻して見ても聞いてもないふりをする。
何だろう、このある意味仮面夫婦。何二人して無表情で照れてるの。聞かされてる息子が物凄く恥ずかしいんですけど!
「とにかく、あなたはザイにはやりたいことをやらせないでいて、ご自身は宮で好き勝手しておられる。ザイを宮に入れたくないとおっしゃるのなら、あなたも宮を出なければ道理に合いません」
先に持ち直した母が何とか言い切る。母に正論とそれに上乗せされて何かを喰らわされた父は押し黙っている。
帝国の宰相がよわい。今なら僕でも口頭試問で宰相に勝てそう。
昔、カイルさんや陛下が、僕の両親を時々遠い目で見ていたのが不思議だったけど、今は理由が分かる。
そう言えば、結局、カイルさんは僕が侍従になることについては、何も言わなかった。
そもそも、何故、譲位? 陛下はまだお若い。父より若いのだ。
僕は逃げることで頭がいっぱいだったが、考えてみればおかしな話だ。しかし、父のこの憔悴っぷりからすれば、譲位も、僕が次の方の侍従になることも、本当のことだろう。
宮で何が起きてる? それに直轄領の方は、いや、あれから、何日経った?
現実的に考えなければいけないことが一気に頭に押し寄せてきて、僕は顔をしかめる。
「父さん、今、どういう状況?」
寝床から体を起こして掠れ切った声で尋ねた僕を見た両親は、ギョッとしたようだ。うん、僕のこと忘れてたね?
「ザイ、寝ていろ。いや、そうだ、起きられるなら水を」
「そうね、今あなたは何かできる状態ではないわ」
母に水を渡されて、僕は素直に飲んだ。喉が腫れていて、水を飲むだけでも痛い。あー、これはひどい。
しかし、状況は知りたい。そう言う僕に、父がかいつまんで話してくれる。
まず、宰相邸に勅使がやって来て僕の直轄領補佐官の解任を告げていた。直轄領にも同時に勅使が来たらしい。そのすぐあと僕がカイルさんによって宰相邸に運び込まれたのは、まだ今日のこと。ブチ切れ寸前の母であったが、その場は僕を引き取るだけにしたそうだ。直後、父帰宅。僕はひたすら眠っていたという。
雪山からあまり時間が経ってないことに僕はホッとしたが、騒がしくなるのはこれからかと思うと、げっそりもしてしまう。
譲位については宮の上層部では昨年から共有されていたそうだ。
「全然知らなかった……」
「宮でもごく一部の者しか知らん。お前などが知っていたら、私と補佐の殿下は宮の端から端までひっくり返さねばならなかった」
「本当に、陛下は譲位なさるの?」
「陛下はもう強行なさるおつもりだろう。お前の解任をとっかかりにして。東の宮様まで共謀、いや、協力なさるとは」
苦々しく父さんが言う。
「東の宮様……。じゃあ、次の方は」
僕が聞くと、父はしまったという顔をする。仕方なく息を吐きながら僕に告げる。
「東の宮様の甥御さま、ガレス殿下だ」
「ああ」
なるほど、と僕は納得する。ガレス殿下は東の宮様がお育てになった帝国最強の戦士だ。
陛下に放り込まれた先の戦でも功を挙げておられた。その時見た殿下の鮮やかな剣筋は、今も僕の目に焼き付いている。
「皆が反対なのは、ガレス様がどうこうということではない。むしろ、陛下の次となるとガレス殿下を置いて他にない。だが、早すぎる」
「……でも、陛下にはお考えがあってのこと、だよね?」
そう言って僕が見ると、父は迷っていたようだが、腹を決めたらしい。立っていたが椅子に掛けて話し出す。
「そうだ。譲位なされてしばらくの間は、陛下は新帝の補佐に当たられるおつもりだ。
先々代の皇帝が疑心暗鬼のあまり太子を置くことを永久に禁じられたのは知っているな? 結果、長々と苛政を敷かれた。華やかなのは都だけ。一歩都から出れば、道端に子どもの遺体が転がるほどだった。
先の陛下はやむなく帝位簒奪という汚名を被られて登極なされ、ご心労が祟り志半ばでお倒れになった。そのあとの混乱は、今上陛下が即位されてもなかなか収まらなかった。それを繰り返さぬようにと陛下はお考えだ」
「先の陛下のこと……」
僕は思わず母を見る。母は先の陛下に仕えた元女官。今の陛下の即位に宮を辞した。
母も初めて聞く話であったらしい。僕に見られているのも気づかず、父をじっと見つめている。父は母を気遣うように見たあと、話を続ける。
「陛下のお考えは理解できる。荒れた帝国を立て直されたのは先の陛下と今の陛下だ。私も皆も、宮の者として微力ながら陛下のもとでお役に立てたという自負はある。
だが、皆反対した。いずれガレス様に譲位なされるにしても『今』ではない、と。補佐の殿下は特に強く反対なさっている」
補佐の殿下は、即位前から陛下をずっと支えていらした方だ。まあ、そうなるよね。でも、
「……そんな状況で父さん、宮を空けて大丈夫?」
僕がノロノロと聞くと、父は両手で顔を覆う。そして項垂れて言う。
「知るか。私にはお前の命以上に大事なものはないんだ」
一体、どんな報告が父に上がったのだろうか?
僕を侍従にするのなら、本来は勅令一つで済む。それをわざわざ僕を追いかけ回すという一見無意味な陛下の行動は、宰相を宮から引き剥がすのには有効だった。僕はやっぱり父の足を引っ張ってしまったらしい。
父は本当に宮を放り出して来たようだ。
過保護な父親でダメな宰相が頭を抱えている。
呆れた母が言う。
「いくら補佐の殿下がいらっしゃるとはいえ……。直ぐに宮に戻られませ」
「あああ、戻るのが怖い」
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