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オレ、なぜか超絶人気俳優・白瀬洸に、呪いの上下を着せられて――
ベッドルームで放心中。
『あれ、洸さん、なんでベッドルームに南京錠かけてるんすか?』
『まだ懐かないミケが逃げ出さないようにね』
ドアの向こうで声がする。
たぶん、洸が言ってたマネージャーだ。
『あー……またっすか。今度は猫っすか。ほんと洸さん、毎回毎回、撮影のたびに……』
――そっか。
オレだけじゃないんだ。
『で、どうせ次の撮影が始まると忙しくなるっしょ? 結局、世話すんのも、貰われ先探すのも、俺の仕事っすからね。大変なんすよ、ホント……』
――ああ、そっか。
これも、次の撮影が始まるまでの一時のことか。
「……けっ」
なんか、面白くなかった。
拾われて、さっさと抱かれて、呪いの上下まで着せられて。
恨むべき相手のはずなのに――
あいつのキラキラした笑顔が、ふっと脳裏に浮かんで。
胸の奥が、ずきんと痛んだ。
……分かってたのに。
オレが誰かの特別になるなんて、あるわけないって。
ましてや、あんなキラキラしたやつの。
『それから、この人物のこと、今日中に調べてくれるかな』
『え、猫と関係あるんすか? へ、三池豆太郎? ぷっ……キャラ濃すぎません?』
ムカッ!
「……けっ!」
オレはベッドカバーを引っかぶって、ふて寝を決め込んだ。
***
「ミケちゃーん、ご飯っすよー」
ドアが開いて、不健康そうな男が入ってきた。
……まあ、人のこと言えんけど。
「……へ? 誰?」
カランッ。
器が床に落ち、ドライフードがコロコロと転がる。
男の目が、オレの血塗りパーカーにとまり――ぽかんと口を開けた。
「ミケ……?」
あ、これチャンス!
オレはバッと立ち上がり、ドアへ猛ダッシュ!
不健康な男の横をすり抜け、玄関に一直線――
ゴロンッ!
……妙に動きが早ぇ!
タックルかまされたオレは、不健康と二人でゴロゴロ転がる。
腰に巻きつかれたまま、二人してぜぇぜぇ息を整える。
「……待ってっす! ミケさん逃したら……俺、首になるっす!」
……知らんがな。
オレはそいつを巻きつけたまま、ずりずりと玄関へ。
「あと、数日で次の撮影が始まるっす。そしたら、お礼代として、まとまったお金を渡しますんで……」
……ん?
「動物を引き取ってもらうとき、事務所がお礼代を払ってたっすから。大丈夫っす」
オレは考えた。
このまま洸にやりたい放題されて、呪いの上下だけ着て、何ももらわずに帰るか。
それとも、数日間さらにやりたい放題されて……でも、まとまった金を手に入れるか。
――オレ、ずっと、田舎の両親の墓参りがしたかった。
でも、金がなくて、一度も帰れてなかった。
……するか、親孝行。
たぶん、オレは――
自分に、理由を与えたかったんだと思う。
もう少し洸のそばにいたいって気持ちを、
ごまかすための――もっともらしい理由を。
ベッドルームで放心中。
『あれ、洸さん、なんでベッドルームに南京錠かけてるんすか?』
『まだ懐かないミケが逃げ出さないようにね』
ドアの向こうで声がする。
たぶん、洸が言ってたマネージャーだ。
『あー……またっすか。今度は猫っすか。ほんと洸さん、毎回毎回、撮影のたびに……』
――そっか。
オレだけじゃないんだ。
『で、どうせ次の撮影が始まると忙しくなるっしょ? 結局、世話すんのも、貰われ先探すのも、俺の仕事っすからね。大変なんすよ、ホント……』
――ああ、そっか。
これも、次の撮影が始まるまでの一時のことか。
「……けっ」
なんか、面白くなかった。
拾われて、さっさと抱かれて、呪いの上下まで着せられて。
恨むべき相手のはずなのに――
あいつのキラキラした笑顔が、ふっと脳裏に浮かんで。
胸の奥が、ずきんと痛んだ。
……分かってたのに。
オレが誰かの特別になるなんて、あるわけないって。
ましてや、あんなキラキラしたやつの。
『それから、この人物のこと、今日中に調べてくれるかな』
『え、猫と関係あるんすか? へ、三池豆太郎? ぷっ……キャラ濃すぎません?』
ムカッ!
「……けっ!」
オレはベッドカバーを引っかぶって、ふて寝を決め込んだ。
***
「ミケちゃーん、ご飯っすよー」
ドアが開いて、不健康そうな男が入ってきた。
……まあ、人のこと言えんけど。
「……へ? 誰?」
カランッ。
器が床に落ち、ドライフードがコロコロと転がる。
男の目が、オレの血塗りパーカーにとまり――ぽかんと口を開けた。
「ミケ……?」
あ、これチャンス!
オレはバッと立ち上がり、ドアへ猛ダッシュ!
不健康な男の横をすり抜け、玄関に一直線――
ゴロンッ!
……妙に動きが早ぇ!
タックルかまされたオレは、不健康と二人でゴロゴロ転がる。
腰に巻きつかれたまま、二人してぜぇぜぇ息を整える。
「……待ってっす! ミケさん逃したら……俺、首になるっす!」
……知らんがな。
オレはそいつを巻きつけたまま、ずりずりと玄関へ。
「あと、数日で次の撮影が始まるっす。そしたら、お礼代として、まとまったお金を渡しますんで……」
……ん?
「動物を引き取ってもらうとき、事務所がお礼代を払ってたっすから。大丈夫っす」
オレは考えた。
このまま洸にやりたい放題されて、呪いの上下だけ着て、何ももらわずに帰るか。
それとも、数日間さらにやりたい放題されて……でも、まとまった金を手に入れるか。
――オレ、ずっと、田舎の両親の墓参りがしたかった。
でも、金がなくて、一度も帰れてなかった。
……するか、親孝行。
たぶん、オレは――
自分に、理由を与えたかったんだと思う。
もう少し洸のそばにいたいって気持ちを、
ごまかすための――もっともらしい理由を。
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