13 / 15
おまけ
転がるミケ
ゴロゴロゴロゴロー、ゴロゴロゴロゴロー・・・
オレ、超絶人気俳優・白瀬洸のベッドで、呪いの上下を着て転がってる。
「あれ? ミケさん、最近よく転がってるっすね?」
不健康マネージャーの梅ちゃん(ついに名前覚えた!)が不思議そうに見てくる。
「うん、最近ハマってるようだね」
そう、オレ、最近ハマってる。ひたすらゴロゴロ。
「運動っすか?」
「特に意味はないみたいかな」
そう、意味はない。
ゴロゴロゴロゴロー、ゴロゴロゴロゴロー・・・
「真顔で転がるもんなんっすね」
そう、オレ、真顔で転がる。
「ミケ、そろそろ行くよ」
洸が手を伸ばす。スタタタッ――ぴょーん!
ガシっと洸にしがみつく。イメージはコアラ。
「ミケ、本は選んだ?」
あっ、忘れてた。ぴょーんと飛び降りて、マイ図書館へ。
猫カフェの後、洸が買ってくれた童話全集がずらり。
パトラッシュとラスカルの仲間たちが揃ってる。
ふむふむと考えて、一冊を選び、梅ちゃんに渡す。
「お、小鹿物語っすか。いいっすね。ミケさんに癒されるっす。俺も猫飼いたくなったっす~」
その瞬間。
洸が無言ですたすたと近づいてくる。そしてオレをひょいっと抱き上げ――胸にぎゅ。
そのまま、梅ちゃんを鋭く見下ろす。
「ミケ、しっかり挨拶して。……梅田くんは、今日が担当最後だから」
「えっ、な、なんでっすか!? えっ!? 猫っすよ!? ミケさんじゃなくて、一般的な……普通の猫っす!!」
洸はいつものキラキラ笑顔――でもその目は、一切笑っていない。
「つまり……ミケは普通じゃなくて……特別ってことだよね?」
「違っ……す! 洸さんにとって特別ってことで……! ていうか、普通の猫もダメっすか!?」
オレ、思わず吹き出す。
「けけっ……」
「ミケさん、笑ってないで助けてくださいっす! 俺とミケさんの仲じゃないっすか!」
「つまり……私の知らないところで深い関係を築いてるってことかな?」
「違っ……! ただの、楽屋トーク仲ってだけっす!!」
「つまり……私が撮影してるあいだ、二人っきりで楽屋で……ってことだよね?」
「けけけっ……」
もう笑いが止まらなくて、オレは洸の首にしがみついたままケタケタ笑う。
「ミケさん、マジ小悪魔っす! 猫いらないっす、もう充分っす!!」
洸の腕がさらに強くなる。
「つまり……ミケが小悪魔的に魅力的だと認めたうえで、私に挑戦してるってことかな?」
「もう無理っす!! 洸さん、マジで面倒くさいっす!!」
梅ちゃん、天を仰いで絶叫した。
***
で、いろいろあったけど、梅ちゃんの首はつながって、いつものように楽屋で待機中。
オレ、小鹿物語を読んでる。でも、そろそろ……
ぴょいっ。
洸のサングラスを取り出して、梅ちゃんにうりうり。
「これ洸さんの撮影用じゃないっすか。なんでミケさんが持ってんすかー」
梅ちゃん、さっと取り上げて、出口へ。
「すぐ戻るんで、待っててくださいっす。電流流れて危ないっす」
パタリ。閉まる扉。
……よしっ。
広くなった畳の上を――
ゴロゴロゴロゴロー、ゴロゴロゴロゴロー……
……そのとき。
コンコンッ。
「洸さぁん、あかりでぇす♡」
あまったるい声。
ガチャ。
細長い女、登場。
「あれぇ、洸さぁん、いませんかぁ?」
目が合う。
ぱちくり。
「……ちっ、ミケだけかよ」
おっ、猫かぶり、外した。
「ってかさぁ、ここ仕事場だって分かってんの? あんた、毎回何しに来てんの?」
オレ、本読んで、ゴロゴロしてる。
「今日も飲み会あるのに、あんたがいるから洸さん来ないってよ。あんた、空気乱してんの。足ひっぱってるって、いい加減気づけよ」
……そっか、オレ、洸の足……ひっぱってたんだ。
「てか、あんた仕事してんの? いい年して、いつまで洸さんに寄生してんの?」
……オレ……寄生虫。
うん、細長い女が正しい。
「……分かったんなら出てけよ」
……分かった、オレ、出ていく。
小鹿……少し悩んだけど、お前は全集の仲間たちといた方が幸せだね。
オレはそっと出ていく――
バチバチバチバチ!!!
――静電気がさく裂して、すべてが途切れた。
オレ、超絶人気俳優・白瀬洸のベッドで、呪いの上下を着て転がってる。
「あれ? ミケさん、最近よく転がってるっすね?」
不健康マネージャーの梅ちゃん(ついに名前覚えた!)が不思議そうに見てくる。
「うん、最近ハマってるようだね」
そう、オレ、最近ハマってる。ひたすらゴロゴロ。
「運動っすか?」
「特に意味はないみたいかな」
そう、意味はない。
ゴロゴロゴロゴロー、ゴロゴロゴロゴロー・・・
「真顔で転がるもんなんっすね」
そう、オレ、真顔で転がる。
「ミケ、そろそろ行くよ」
洸が手を伸ばす。スタタタッ――ぴょーん!
ガシっと洸にしがみつく。イメージはコアラ。
「ミケ、本は選んだ?」
あっ、忘れてた。ぴょーんと飛び降りて、マイ図書館へ。
猫カフェの後、洸が買ってくれた童話全集がずらり。
パトラッシュとラスカルの仲間たちが揃ってる。
ふむふむと考えて、一冊を選び、梅ちゃんに渡す。
「お、小鹿物語っすか。いいっすね。ミケさんに癒されるっす。俺も猫飼いたくなったっす~」
その瞬間。
洸が無言ですたすたと近づいてくる。そしてオレをひょいっと抱き上げ――胸にぎゅ。
そのまま、梅ちゃんを鋭く見下ろす。
「ミケ、しっかり挨拶して。……梅田くんは、今日が担当最後だから」
「えっ、な、なんでっすか!? えっ!? 猫っすよ!? ミケさんじゃなくて、一般的な……普通の猫っす!!」
洸はいつものキラキラ笑顔――でもその目は、一切笑っていない。
「つまり……ミケは普通じゃなくて……特別ってことだよね?」
「違っ……す! 洸さんにとって特別ってことで……! ていうか、普通の猫もダメっすか!?」
オレ、思わず吹き出す。
「けけっ……」
「ミケさん、笑ってないで助けてくださいっす! 俺とミケさんの仲じゃないっすか!」
「つまり……私の知らないところで深い関係を築いてるってことかな?」
「違っ……! ただの、楽屋トーク仲ってだけっす!!」
「つまり……私が撮影してるあいだ、二人っきりで楽屋で……ってことだよね?」
「けけけっ……」
もう笑いが止まらなくて、オレは洸の首にしがみついたままケタケタ笑う。
「ミケさん、マジ小悪魔っす! 猫いらないっす、もう充分っす!!」
洸の腕がさらに強くなる。
「つまり……ミケが小悪魔的に魅力的だと認めたうえで、私に挑戦してるってことかな?」
「もう無理っす!! 洸さん、マジで面倒くさいっす!!」
梅ちゃん、天を仰いで絶叫した。
***
で、いろいろあったけど、梅ちゃんの首はつながって、いつものように楽屋で待機中。
オレ、小鹿物語を読んでる。でも、そろそろ……
ぴょいっ。
洸のサングラスを取り出して、梅ちゃんにうりうり。
「これ洸さんの撮影用じゃないっすか。なんでミケさんが持ってんすかー」
梅ちゃん、さっと取り上げて、出口へ。
「すぐ戻るんで、待っててくださいっす。電流流れて危ないっす」
パタリ。閉まる扉。
……よしっ。
広くなった畳の上を――
ゴロゴロゴロゴロー、ゴロゴロゴロゴロー……
……そのとき。
コンコンッ。
「洸さぁん、あかりでぇす♡」
あまったるい声。
ガチャ。
細長い女、登場。
「あれぇ、洸さぁん、いませんかぁ?」
目が合う。
ぱちくり。
「……ちっ、ミケだけかよ」
おっ、猫かぶり、外した。
「ってかさぁ、ここ仕事場だって分かってんの? あんた、毎回何しに来てんの?」
オレ、本読んで、ゴロゴロしてる。
「今日も飲み会あるのに、あんたがいるから洸さん来ないってよ。あんた、空気乱してんの。足ひっぱってるって、いい加減気づけよ」
……そっか、オレ、洸の足……ひっぱってたんだ。
「てか、あんた仕事してんの? いい年して、いつまで洸さんに寄生してんの?」
……オレ……寄生虫。
うん、細長い女が正しい。
「……分かったんなら出てけよ」
……分かった、オレ、出ていく。
小鹿……少し悩んだけど、お前は全集の仲間たちといた方が幸せだね。
オレはそっと出ていく――
バチバチバチバチ!!!
――静電気がさく裂して、すべてが途切れた。
あなたにおすすめの小説
「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された
あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると…
「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」
気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
初めましてです。お手柔らかにお願いします。
ムーンライトノベルズさんにも掲載しております
「大好きです」と言ったらそのまま食べられそうです
あまさき
BL
『「これからも応援してます」と言おうと思ったら誘拐された』のその後のお話
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
リクエストにお答えしましてその後のお話🔞を書きました。
⚠︎
・行為に必要な色んな過程すっ飛ばしてます
・♡有り
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
気づいたらスパダリの部屋で繭になってた話
米山のら
BL
鎌倉で静かにリモート生活を送る俺は、極度のあがり症。
子どものころ高い声をからかわれたトラウマが原因で、人と話すのが苦手だ。
そんな俺が、月に一度の出社日に出会ったのは、仕事も見た目も完璧なのに、なぜか異常に距離が近い謎のスパダリ。
気づけば荷物ごとドナドナされて、たどり着いたのは最上階の部屋。
「おいで」
……その優しさ、むしろ怖いんですけど!?
これは、殻に閉じこもっていた俺が、“繭”という名の執着にじわじわと絡め取られていく話。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
「ねぇ、俺以外に触れられないように閉じ込めるしかないよね」最強不良美男子に平凡な僕が執着されてラブラブになる話
ちゃこ
BL
見た目も頭も平凡な男子高校生 佐藤夏樹。
運動神経は平凡以下。
考えていることが口に先に出ちゃったり、ぼうっとしてたりと天然な性格。
ひょんなことから、学校一、他校からも恐れられている不良でスパダリの美少年 御堂蓮と出会い、
なぜか気に入られ、なぜか執着され、あれよあれよのうちに両思い・・・
ヤンデレ攻めですが、受けは天然でヤンデレをするっと受け入れ、むしろラブラブモードで振り回します♡
超絶美形不良スパダリ✖️少し天然平凡男子
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 ★1000 Thank_You!!