【R18】嘘から本気にさせられちゃった恋のおはなし。

浅岸 久

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第2話 恋のライバル登場に「えっ、ベタな……」ってなるのは許してほしい。

2−1(ラルフ)

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 オレはラルフ。
 エイルズの街のギルドに所属している冒険者だ。
 腕はまあ、若手ナンバーワンだのなんだの言われてるし、悪くはねーんじゃねえかと思う。ま、年齢的にもう若手でもなくなってきてるんだけどな。

 エイルズの街に出てきて5年。なんとかこの街にも馴染みつつ、代わり映えしない毎日を過ごしていたんだけどよー。
 聞いてくれ?
 このあいださ。……いや。じつはもう1ヶ月以上も前の話になるのか? うんでも、実際、もう、昨日のことみたいに感じるっつーか、マジ月日光速っつーか、浮かれすぎてあっというまっつーか!

 つまり!
 幼なじみのリリーがよ! オレに!! 告白なんかしてくれちゃってっ!!

 うぉーーーー!!!!!!
 いやまじ、なんの奇跡かなって思ったよな!?
 ま、ほんとに、運がよかっただけっつったらそれまでなんだけどよ……!

 ……うん、ハイ。
 まあ、ほんとはな? ここまではほんとは浮かれるような話でもなかったんだ。
 つーのも、それ、場の流れっつーか、なんというか。罰ゲーム? だったらしくて。結論的に言うと、嘘の告白だったんだけどな。
 リリーもちょっと仲間うちでハメられたっつーか。まあ、そういう、ちょっと思い出すとオレにとっても心臓に悪い出来事だったんだけどよ?
 ま! でも!! 結果的にぃ?
 リリーが、オレを好きになってくれたってぇ? 言ってくれちゃったりして!

 オーケーオーケー結果オーライだ。
 だいぶ一方的に浮かれて? バカみたいに周り見えてなかったけどよ。でもまあ、オレも積年の想いがあったからな。浮かれついでにめちゃくちゃ今までの想い爆発させまくってたら、気がついたら……へへへ。リリーがさ、オレのこと……好きって……!

 はぁーーーーーーっ!
 マジもマジ。嘘みたいだけど、マジ。
 このたび、無事にリリーがマジの彼女になってくれることになってさ。
 いやぁーっ、思いだしただけでヤバいな。

 やっば、かわいい。
 めっちゃかわいい。

 あのいつもツンツンぷりぷりしてるリリーがだぞ? 頬を真っ赤にして、向こうからキスとかしてきて。何度も好きって……やー…………ほんと、なんのご褒美だろうな?
 嘘つかれてたことなんて全部綺麗さっぱり吹っ飛ぶっつーか。
 本気の告白をあらためてしてくれたわけで。

 つーわけで。オレら晴れて恋人同士になったってわけだ!
 マジかよ……信じられねえな、あのリリーがだぞ?
 オレの……恋人。
 はぁー……恋人。

 もうな? 油断したらリリーのことばっか考えちまってよ。
 いやだって、晴れて恋人同士になったんだぞ? オレの積年の想いをナメないでほしいっつーかなんというか。
 ちゃんと恋人としてエイルズの街をデートしたいし、キスもしたいし……まあ、当然エッチも? まだ全っっっ然したりねえ。
 アイツ、ギルドの制服着てたらカッチリ真面目そうな見た目でさ、そこもそそるんだけど……脱いだら脱いだで……イイんだよな……。


 つか、リリーってばよ、一見大人しそうに見えるけど、整った顔してるから冒険者人気もそこそこある。真面目に仕事やるやつにゃ、特に親切だしな。
 頑張ったら頑張ったぶんだけ褒めてくれるところとか、生真面目なヤローどもに特に人気あるわけで。
 つまり、ムッツリスケベなヤローどもに目をつけられがちってこともオレは知ってるんだ!

 ……まあ、厄介そうな芽はこれまでとことん摘んできたつもりではあるけれどよ、油断大敵だろ。
 こないだだって、リリーがオレとつきあい始めたと知って、慌ててリリーに告白しようとした輩がいるからな。
 当然、オレが彼氏だからってはね除けてやった。

 ……オレだって言われ慣れてるんだぜ?
『オマエはリリーに相応しくない』ってな?
 いやまあ、自覚は……ある。うん。
 オレもそう思ってたし、どれだけ想いを伝えようとしても、リリーのヤツ天然でかわしまくってきやがったからな。ここ近年はもう……諦めてたっつーか。かっこ悪い話だけど。

 アイツを諦めようとして彼女作ったりもしたし……いやもちろん、長続きはしなかったし、全然オレものめりこめなかったっつーかなんというか……。
 リリーの親友ケーシャにもめちゃくちゃ諫められたしな。
 そういうところがリリーに相応しくないんだって。
 ハイ……自覚してます……。
 オレ、めっちゃかっこ悪かった。

 いやでも!
 そのケーシャの手伝いもあって? 晴れて! リリーの恋人になれたわけだし?
 オレだって変わるさ。
 つか、もう、絶対離さねえ。つか、もう、このままゴールインしかねえだろ。つか、オレは明日にでも一緒に住みたいんだけどなあ!!
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